希望病棟 (小学館文庫 か 46-2)

著者 :
  • 小学館
3.62
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本棚登録 : 1779
感想 : 127
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068368

作品紹介・あらすじ

ロングセラー『後悔病棟』に続く感動の長編

神田川病院に赴任したばかりの女医・黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、摩周湖が病院の中庭で拾った聴診器を使ってみると、患者たちの“心の声”が聞こえてきて・・・・・・。
母親に捨てられ、児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。
摩周湖の勧めで治験を受けた桜子と貴子は快方に向かい、自分の人生を生き直すことに。大学に進学するお金がなく進路に悩む桜子、選挙にしか関心のない夫と姑を嫌悪する貴子。孤独と生きづらさを抱えてきた二人は、どのような道を歩み始めるのか――

共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ『後悔病棟』に続く感動の長編!!

【編集担当からのおすすめ情報】
『きらら』連載作品を、いきなり文庫化!
「もしも人生をやり直せたなら、もっと間違いを犯せばよかった。従順な良妻なんかじゃなくて、後ろ指を指されるような人生でも全然かまわなかった」
「この世の中はロクなもんじゃない。ロクな大人はいない。頼れるのは自分だけだ」
聴診器を通して聞こえてくる貴子と桜子の本音が心に刺さる、全世代共感必至の小説です。

感想・レビュー・書評

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  • 前作のルミ子同様、変わり者といわれる医師の黒田摩周湖。ルミ子に促され、「心の声」が聞こえる聴診器を拾う。
    そんな彼女が担当する末期癌の患者は児童養護施設で暮らす高校生の桜子と代議士の妻貴子。
    治験を受け快方に向かい、生き直すチャンスを得た二人の視点で語られる「孤独・貧困」。誰もがいつ陥ってもおかしくない事、自分の甘さ、沢山考えさせられ、読む手が止まらなかった。

    桜子と貴子が厳しい現実の中で進む姿、不器用な摩周湖が自信を回復し成長する姿に、生きる事はしんどいが、人との繋がりが力になると思うと希望を感じた。
    前作同様心に響く。次作も楽しみ。

  • 後悔病棟のほうが個人的に好きだったかな

  • 後半〜終盤直前まで、目を背けたい物語に一度本を閉じた。最後は希望を感じられる結末だった。

  • 04月-12。3.5点。
    後悔病棟続編。「あの」聴診器を引き継いだ後輩女医。遺伝子がん治療の治験を実施した、政治家の妻と児童養護施設の女子高生二人の本音を探っていく。。。

    面白かった。想像した物語より、二人の「強さ」が際立った。

  • 2024.04.19
    前作からアレンジを加えた進め方にはなるほど
    と思った。
    しかし、主要な登場人物がどうにも思い入れができない。賢いと言うべきか、あるいは正義感が強いと言うべきか、色々と考えさせられる人たちではあるけれど、生死の境を潜り抜けた割には深みがないないというべきか。

  • いやー辛かった!
    前作からの引き続きという感じではあるがこの本だけ読んでも全然大丈夫。
    今回は内容が若い子のことが多かったから不遇な境遇に出来事に結構しんどかった。
    それもこれも現代のクソ政治が原因なことを書いてるから余計にモヤモヤした!
    全体としておもしろかったよ!
    派遣社員が多いことと奨学金がブラックビジネスなことと無国籍の問題、はよ解決しなよ、今のクソ政治家さんよ!

  • 前作はあまり印象に残らなかったのだが、今作は病気を克服した後の話がメインで別の観点の物語になっており面白かった。病院での描写は少なく、女性の社会進出を後押しする話もあるので、垣谷美雨の別の作品「あきらめません!」を思い出した。
    貧困を抜け出すために風俗で働くという提案を堂々としている本はこれ以外に見たことがない。最初は懐疑的に思ったが、それ以外に方法がないなら使えるものは使ったほうが良いのかなとも思った。

  • 前作のような感じかと思いきや、退院してからの生活に焦点を当てた作品。
    そこまではいいものの、なんか話の展開がつまらない。

    貧困を抜け出すために風俗を勧めるのは意味不明だし、美化して書かれている気すらした。

    最後に聴診器の謎解きになり、丸く収めたようだが、途中の風俗云々が嫌悪感しかなく大幅マイナスです!

  • **「聴診器の向こう側: 人生をやり直す力」**

    『希望病棟』は、神田川病院の新米女医・黒田摩周湖が主人公のヒューマン・ドラマです。摩周湖が拾った不思議な聴診器を使うことで、末期癌の二人の女性患者の内心を知り、彼女たちが治験を通じて病気を克服し、人生をやり直す過程を描きます。児童養護施設出身の桜子と、過去に子を捨てた代議士の妻貴子が主な登場人物で、彼女たちの孤独や生きづらさを乗り越え、新たな人生を歩み始める姿が描かれています。

    この作品は、社会的な問題にも目を向け、特に女性の貧困や無戸籍の子供など重いテーマを扱っています。それにもかかわらず、主人公たちは逞しく、美しく立ち向かっていきます。その強さと希望のメッセージは、全世代の読者に共感を呼び、特に子供たちにも早い段階で読んでほしいと感じさせる作品です。前作『後悔病棟』に続く感動の長編として、人生のやり直しとは何か、そして本当の強さとは何かを考えさせられる一冊です。

  • 最後、お母さんと仲良くなれてよかった。
    共通の話を出来るっていいよね。

    p70 DNAの中に様々なスイッチがあることが見つかったのは最近のことだ。ガンになるのは、ガンを抑制するスイッチがオフになっているからだとわかってきた。

    p301 大切な感覚-自分は親から愛されている。だから私には自信がある。-を育つ過程で得ることができなかったのだろう。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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