- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068559
作品紹介・あらすじ
“運命が変わる”おもてなしを、あなたに
創業・明治三十年。老舗ホテル「京都スタアホテル」の自慢は、フレンチから鮨まで、全部で十二もある多彩なレストランの数々。
そんなホテルでレストランバーの総支配人を務める北大路直哉は、頼れるチーフマネージャーの白川雪と、店を切り盛りする一流シェフや板前たちとともに、今宵も様々な迷いを抱えるお客様たちを出迎える――。
仕事に暮らしと、すれ違う夫婦が割烹で頼んだ「和の牛カツレツ」。結婚披露宴前夜、二人で過ごす母と娘が亡き父に贈る思い出の「エビドリア」……おいしい「食」で、心が再び輝き出す。
『極みの京都』『鴨川食堂』でおなじみ、京都を知り尽くした著者が描くハートフル・ナイトストーリー!
【編集担当からのおすすめ情報】
連続ドラマ化もされた名作『鴨川食堂』の鴨川こいしもスペシャルゲストとして登場!
人生の岐路に立つ人々が、今日もこのホテルの味に酔いしれる。寂しさも辛さも吹き飛ばす、そんなお店で、お待ちしております。
感想・レビュー・書評
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このところ、
お食事小説が多いかな…
もう少し落ち着いたら、
美味しいご飯を食べに行こう
この本とは
別だけど、
一番いけないのは、
お腹が空いている事と、
独りでいる事…
との言葉を聞いて、
泣けてしまった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホテルのレストランという特別な場所での食事は、日常を離れる心地がする。
ここで描かれるお客様は常連さんが多いようだが、その中でも特別な「ある日」が描かれている。
二人の人生の転機の日であったり
ここでしか話せない悩みであったり
新しい門出への思いであったり
どれも家族のドラマであることが共通点で、皆、ここにはいない人の話をする。
新しい道に進むために過去を振り返らないという人もいるが、この作品に登場する人たちは、今まで積み上げてきた縁をとりわけ大切にしているようだ。
「ホテル」という場においては、もちろんお客さまが主役で、ホテルマンは徹底的に裏方である。
けれど、この小説では、表から見るとお客さまたちのドラマだけれど、くるっとセットが回って裏側が見えると、実はホテルマンたちの仕事が主役になる。
リバーシブルなお仕立ての小説なのだ。
こういうご時世、京都に旅行に行きたくても行けない。
こういうご時世でなくても、高級老舗ホテルには行きたくたも行けない。
そんな心を満たして、幸せな気持ちにしてくれる作品だ。
勤続二十三年で、『京都スタアホテル』館内レストランバーの支配人となった
北大路直哉(きたおおじ なおや)がご案内する。
第一話 『禊川茶寮』の再婚ごはん
第二話 『綾錦』のひとり鮨
第三話 『白蓮』の親子ごはん
第四話 『風花』のたそがれごはん
第五話 『アクア』の嫁ぎごはん
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なんと「鴨川食堂」の、こいしちゃんも登場!
おとうちゃん大好きなこいしちゃんにも、そんな悩みがあったんですね。 -
気ままに読んだらあっという間に読み終えることができた。
ホテルのことを微に細にまなざしを送るレストランバーの支配人北大路氏の語りにある日の出来事がサンドイッチされているからだろう。
ホテルという非日常的な、異空間で話に出てくる人々が各々抱えてきた問題に新たな観方を得るのも
読んでいくと予想がつくのだが、それも悪くない。
「鴨川食堂」のシリーズを知っているひとはもっと楽しめるのかも。
続きがあるのかな?
氏の他の作品と共有されて、京都の街の出来事が見られるのかな。どうかな。
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2020年12月小学館文庫刊。STORY BOX2020年11月号:『禊川茶寮』の再婚ごはん、書き下ろし:『綾錦』のひとり鮨、『白蓮』の親子ごはん、『風花』のたそがれごはん、『アクア』の嫁ぎごはん、の5つの連作短編。老舗ホテルのレストランで食事をする人たちとスタッフたちのお話。鴨川食堂のこいしちゃんが出てくる話もあって、楽しめました。柏井さんらしく、あっさりした軽めな展開です。
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コロナ禍の京都シティホテルが舞台の短編集。
美味しさよりもホテルのお客様のエピソードがメインのお話。
ホテルマンとホテルのレストランのおもてなしでお客様の人生が少し暖かくなるお話が詰まっていました。 -
老舗ホテルのレストランに訪れる客と
それを出迎えるスタッフの一夜の物語を紡ぐ短編集。
鴨川食堂のこいしちゃんも登場。
[図書館·10月30日読了] -
こいしちゃんだ!
素敵な話ばかりで心が洗われました。 -
「鴨川食堂」の こいしちゃん 目当てで、お取り寄せしてもらったんだけれど、他のお話も素敵だったわ~(*´∇`*)特に第三話の白蓮のお話が…(´_`。)゙料飲部門のお話だから、素敵な料理もたくさん!(*゚Д゚*)レストランバーの支配人、北大路さんにもっと素敵なお話しをお聞きしたいわ~(ノ´∀`*)
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伝統と格式を持った京都のスタアホテルをコロナ禍のもとで訪れるお客様たちを支配人の北大路や料理長たちがもてなす。
5話のショートストーリーからなりますが、2話目の「綾錦」のひとり鮨が、親子の分かり合えないもどかしさを語る女性の話を、寿司を食べながら親方が聞いてくれる話が良かったです。
行きつけの寿司屋でひとり語らいながらなんて、憧れだったりします。 -
鴨川食堂が庶民派でこちらは高級老舗。なのに料理のひとつひとつはそう変わらないように思える。流さんの腕かなw