うちの宿六が十手持ちですみません (小学館文庫 J か 2-4 小学館時代小説文庫)
- 小学館 (2021年2月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068733
作品紹介・あらすじ
可愛さ余って憎さ百倍――でも、愛してる!
江戸は柳橋で一番人気の芸者・菊弥は、男まさりで気風がよい。芸は売っても身は売らないを地でいっている。
そんな芸者仲間からの信頼も厚い菊弥だけれど、ただ一つだけ欠点がある。実は、根っからの「ダメ男好き」なのだ。
恋人で岡っ引きの北斗は、誰がどこからどう見ても、「ダメ男」。しかも、自分は「デキる男」と深く思い込んでいる。なのに、菊弥は恋心が全然吹っ切れない。
その「ダメ男」で恋人の北斗が、「菊弥馴染みの大店が盗賊に狙われている」と知らせにやって来た。もちろん、しっかり小遣いをねだるのを忘れないところが、腹が立つ。
事件を解決しようとしているのか、それとも、引っかき回そうとしているのか分からない、飄々とした北斗の姿を見て、菊弥はひとり呟くのだった――。
「世間のみなさま、すみません」
新進気鋭の人気作家が描く、ほのぼのお笑い捕物帖第一弾!
【編集担当からのおすすめ情報】
「うちの旦那が甘ちゃんで」「金四郎の妻ですが」「捕り物に姉が口を出してきます」「帰蝶さまがヤバい」「大正野球娘。」で大人気の著者が放つ、時代小説新シリーズ第一弾!
感想・レビュー・書評
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神楽坂淳の作品の中で、秀逸な作品。
「うちの旦那が甘ちゃんで」シリーズが作品数は多いのだが、この作品は物語と登場人物の配置と、そこにまつわる江戸情報の絡みが実に良い。
女房が尻に引くパターンが多いこの作家だが、売れっ子の芸者と岡っ引きの宿六というパターンはぴったりなので、話のもって行き方に無理がない。
気持ちよくストーリーを追って笑ってほろり、しかも江戸文化の面白さも窺える良い作品。