勘定侍 柳生真剣勝負〈三〉 画策 (小学館文庫 J う 1-3 小学館時代小説文庫 勘定侍柳生真剣勝負 3)
- 小学館 (2021年2月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068740
作品紹介・あらすじ
武士の剣術と商人の金策との一騎打ち!
大坂一の唐物問屋から柳生家の勘定方となった淡海一夜。
当主の柳生但馬守宗矩から百石を毟り取り、江戸屋敷で働きはじめたのはいいが、ずさんな帳面を渋々あらためる毎日だ。
しかも、足し算引き算も満足にできない武士たちに辟易するなか、伊賀忍の佐夜を女中として送り込まれ、さらには勘定方の差配まで任される始末。
そのうえ、温かい飯をろくに食べる間もなく、柳生家出入りの大店と商談しなければならないのだ。
家中の者と出入りの商人がしていた、いい加減な取引に呆れながら、一夜は大鉈を振るう。
一方、老中の堀田加賀守正盛は嫉妬心を剥き出しにし、柳生の国元に暮らす柳生左門友矩を的に密命を発した。
また他方では、一夜の祖父・淡海屋七右衛門が、一刻も早く孫を取り戻すべく、柳生家を脅かす秘策を練る。
三代将軍の家光までもが、ついに底意を露わにし、宗矩はさらなる危機に陥ってしまい……。
果たして一夜は、柳生家を立て直せるのか?
修羅場の痛快時代小説、シリーズ第三弾!
【編集担当からのおすすめ情報】
おかげさまで、シリーズ第一弾『召喚』、第二弾『始動』、ともに発売即大重版となりました! 大坂商人の主人公・一夜のセリフ回しが漫才のように面白い、最高のシリーズです!!
感想・レビュー・書評
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一夜の周りには、美しい女たちが……
画策 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの3作目
2021.02発行。字の大きさは…小。
将軍家剣術指南・柳生但馬守宗矩の隠し子で、大阪一といわれる唐物問屋淡海屋(おうみや)七右衛門の孫で跡取り一夜(かずや)の成長物語です。
勘定方を任された一夜は、柳生宗矩の息子としてただで働くのではなく、柳生家の家臣として、百石(一万石の大名家で百石以上の家臣は数人しかいない重臣)で仕えることを選ぶ。そして名前も、柳生でなく淡海一夜と名乗る。
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一夜は、勘定方として、柳生家の食材をはじめ全ての仕入れ先を駿河屋に一本にまとめて、従来の仕入れ先を全て取引停止にする。調べてみると同じ店で店売りより二割から倍の高値で仕入れていた。これにより年間百両の節約になる。
今回から門番の伊賀者・素我部一新の妹・佐夜(伊賀の凄腕の女忍び)が、伊賀から出て来て一夜の女中となるが、美人で、機転が利き、料理が上手く、なくてはならない存在になる。その佐夜が、一夜を落とすために裸になって覚悟を決めた所で今巻は終わりとなる。
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【読後】
お金を下賤の物と考える武士(柳生家)は、なかなか商人(一夜)の考えに馴染めません。苦労しながら、早く江戸の仕事をかたずけて大阪へ帰りたい一夜ですが、次々に難問が現れます。この物語は、テンポが良く、進み具合が早いので読むのが楽しみです。
※シリーズの感想と読了日
始動 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの2作目 2021.04.12読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4094067973#
召喚 ― 勘定侍 柳生真剣勝負シリーズの1作目 2021.03.31読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4094067434詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
淡海一夜に惚れました
上田氏の小説では珍しいタイプの主人公
(聡四郎や数馬とは大違い)
何を引き起こしてくれるのか楽しみです
今回は将軍家光のエピソードが楽しめるようだし、このシリーズはやめれませーん
追記
知れば知る程徳川将軍家はドロドロ
大河ドラマのお江様は何処へ? -
中々、上田秀人の時代小説にない発想です。時代背景も豊かに退屈しない展開です。
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第三弾
出入りの商人との手切れの対決、監視役に付けられた伊賀のくノ一佐夜は!
柳生の里には別の甲賀の刺客が -
くのいちも登場。益々面白くなってきました。
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江戸初期のこの時代にこれだけ優秀な商人がいたのかな?
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相変わらずおもしろい