豊田章男が愛したテストドライバー (小学館文庫 い 10-2)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 48
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070095

作品紹介・あらすじ

創業家社長と老エンジニアの企業再生物語

組織とは? 経営とは? 人事とは?
すべての答えが、このストーリーにある――

「運転のことも分からない人に、クルマのことをああだこうだと言われたくない」
豊田章男にとってテストドライバー・成瀬弘との出会いは、衝撃だった。叱責のあと成瀬は続けた。「月に一度でもいい、もしその気があるなら、俺が運転を教えるよ」

こうして始まったドライビング・レッスンを通じ、豊田は「クルマとは何か」「ものづくりとは何か」を学んでいく。豊田の社長就任から約1年後の2010年6月23日、役目を終えるように、成瀬は67年の生涯を終えた。

<まさに、事実は小説より奇なり。そして、実際に起きてしまった出来事は、時として、つくりものの物語をはるかに凌ぐドラマティックな展開を見せる。成瀬氏と豊田社長もそうだった>(解説・重松清)

59年ぶりの赤字転落、レクサス暴走事故ほか、窮地に陥った巨大企業の再生物語。

感想・レビュー・書評

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  • 稲泉連『豊田章男が愛したテストドライバー』小学館文庫。

    伝説のテストドライバー・成瀬弘と創業家社長・豊田章男の不思議な師弟関係に触れながら、巨大企業の経営に迫るノンフィクション。

    トヨタについて語る書物は数多くあるが、こういうアプローチでトヨタの内面に迫るというのは非常に面白い。

    豊田章男に運転を教え、クルマの魅力ともの作りや人財育成の大切さを教えた成瀬弘は2010年6月23日、67歳の時に不慮の事故により命を落とす。しかし、成瀬の思いは豊田章男により引き継がれていく。

    様々な逸話や伝説を持つ今や世界的な巨大企業となったトヨタ。しかし、それまでの道程は決して平坦なものではなく、成瀬を始めとする多くの社員の強い思いと熱い行動がトヨタを世界的な巨大企業に成長させたのだ。

    そして現在、豊田章男社長はよりアグレッシブにクルマの枠を超え、未来を発信し続けている。

    愛知県豊田市にあるトヨタの工場に行くと、恐らく操業当時から受け継がれていると思われる『よい品 よい考』の垂れ幕が目を引く。良い製品を支えるために必要なのは社員一人ひとりの良いアイディアということなのだろう。ジャスト・イン・タイムと自働化を二本柱にしたトヨタ生産方式に代表されるトヨタのもの作りに対する深い理念を感じる。

    本体価格720円
    ★★★★★

  • トヨタ自動車の豊田章男社長とテストドライバーの成瀬弘さんの師弟関係に魅了され、大切なことが描かれていたので、じっくりと時間をかけて読みました。

    F1を見るのは好きっていうだけで、車のことは無知だけど、私の中でモータースポーツの概念が変わり、豊田家の歴史、自動車開発の歴史、テストドライバーとは?ということも詳しく知ることができました。

    ヒトラーは悪い奴だけど、ニュルブルクリンクを造った功績は素晴らしいですね。

    最後の弔辞では涙が…
    社内で反対されつつも、『もっといいクルマづくり』を信念に成長していく過程があり、現在なお続いていて、豊田章男社長は素敵なリーダーだなと思います。
    この読後感は、読んだ人にしか伝わらない熱さかもしれません。

  • 読み終わって、久しぶりに胸が熱くなりました。
    熱くなれるような仕事をしてみたい!そう思いました。

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著者プロフィール

稲泉 連(いないずみ・れん):1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年に『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で大宅賞を受賞。主な著書に『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『アナザー1964――パラリンピック序章』(小学館)、『復興の書店』(小学館文庫)、『サーカスの子』(講談社)などがある。

「2023年 『日本人宇宙飛行士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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