鴨川食堂ごちそう (小学館文庫 か 38-11)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 352
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070309

作品紹介・あらすじ

ドラマ化もされた大人気シリーズ第8弾!

京都にある、しもた屋。そこは「思い出の味」を求めて訪れる人々に料理を振る舞う食堂だった。

料理人である鴨川流と娘のこいしが、思い悩む依頼人にそっと寄り添い、あたたかい料理で迎えます。

第一話 鰻丼……息子に先立たれた父

第二話 いなり寿司……待ち人は来ず

第三話 ピザ……生涯貫いた嘘

第四話 焼きうどん……山メシ、谷メシ

第五話 タマゴサンド……まわり道して今がある

第六話 豆腐飯……愛情に包まれた原点


流とこいしによる、おいしさも温もりもいっぱい詰まった料理をたんと召し上がれ!


【編集担当からのおすすめ情報】
“思い出の味、探します"
連続ドラマ化され大好評を博した「鴨川食堂」シリーズ最新作!

コロナ禍で気軽に外食できない今だからこそ、「思い出の味」がより必要とされるのかもしれません。とっておきのごちそうで、心もお腹も満たされます。

感想・レビュー・書評

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  • STORY BOX2021年3月号鰻丼、2月号いなり寿司、2020年7月号ピザ、8月号焼きうどん、9月号タマゴサンド、書き下ろし豆腐飯、の6つの連作短編を2021年6月小学館文庫から刊行。シリーズ8作目。依頼人と探偵の間で何を依頼されているのかがようわからんままに、頼まれた2週間後に目当ての食にたどり着き、タネ明かしが始まるという毎度おなじみの展開が楽しいです。「タマゴサンド」の11歳違いの2人の関係がこの後どうなるのか気になりますが、そういうところに味わいがあります。

  • 今回の依頼も難儀な食からまぼろしのお店、世界的デザイナーまで。お客様の幅が広い。そして、流さんのお料理は自分も食べてみたいっ!

  • 鴨川流(かもがわ ながれ)と娘のこいしのシリーズ、第8弾。
    もうそんなになる、驚きです。
    今回の「ごちそう」に込められた意味とは?

    鴨川食堂・探偵事務所に依頼人たちが持ってくる「食さがし」は、どれももう、自分では探しようのないほど時間が経ってしまっているものが多い。
    その長い時間の間、依頼人の頭の片隅に、あるいは奥底に埋もれるようにして、思い続けてきた物なのだろう。
    その間にも生活はあり人生はあり、思いは変化し、あるいは熟していく。
    それがどうにも抱えきれなくなった時に、鴨川探偵事務所にめぐりあうのだろう。
    それは、今こそ知るべき時を迎えた、ということなのかもしれない。

    たとえば、第一話。ずっと食べずに捨てていた鰻。
    最初の時に開けていたら和解していただろうか?
    第二話のいなり寿司も、すぐに理由を知ったところで親の心をありがたいと思う気持ちになっただろうか?
    なかなか難しいと思う。
    物事には満ちる時期というものがあるのだろう。

    長く読んできて初めて気が付いて・・・お恥ずかしいのだが、お客に話を聞いて、だいたい結果を知らせて再来店してもらうのが二週間後である。
    二週間といえば、二十四節気の一区切り。
    毎回、「二週間も経てば」と、季節の移り変わりが描かれていたのに、当たり前のこと、とさして気にも留めずに読んでいた。
    「季節が次の節気に移る」ということは、依頼人の心に訪れる変化、人生が一歩進む、という暗示もまた、表しているのだろうと思う。
    季節はどんどん進んでいく。

    やりきれない話、まだ間に合う話、しみじみ偲ぶ話・・・いつもバランス良く。
    一件落着して依頼人が帰った後、親娘が掬子さんの仏壇の前で会話し、掬子さんに話しかける場面がしみじみ温かく、仲の良い家族だなと思う。

    第一話 鰻丼
    第二話 いなり寿司
    第三話 ピザ
    第四話 焼きうどん
    第五話 タマゴサンド
    第六話 豆腐飯

  • 最初の「鰻丼」と最後の「豆腐飯」が特に良かった。
    あーここの常連さんになりたーい。
    [図書館·初読·9月7日読了]

  • (2022/4/11読了)
    第7弾のもてなしの感想に書いた通りに、やっぱり第8弾のこの本も放っとけず読みました。
    同じくだりに前回は、三冊一気に読んだこともあり胸焼け状態だったけど、今回はさほどなく。
    流が作るお料理は、ほんとに美味しそう。こんなお店、どこかにないかしら。
    依頼人が探しているお料理が飲食店のものではなく、そのお料理も依頼人は食べてなかったりで、同じ料理を再現するというより、記憶の中の思い出と共に蘇らせるというか…心に訴えかける感じでしたね。
    第6話まで全ての話がうまく合致していたのは、ハッピーエンドの小説ならでは。
    背景はコロナ禍で、作中では疫病とあらわされてました。
    以前の作品にあった、こいしの恋模様については全く触れられていません。
    また続くということかな?

  • 流さんの作るごはん、おまかせはいつの回を読んでも美味しそうで一度食べてみたい。

    今回は明記はされていないけれど、作中もコロナ禍であることが背景に描かれている。
    そして、流さんの作るおまかせも、お重の形を取ることが多かったり、食材が話ごとに重複している部分があったような気がした。
    食材探しのミステリー、流さんのおまかせは健在ではあるけれど、どこか暗い雰囲気が背景に流れている気がした。

  • 今回はいつもよりイレギュラーな感じだった。例えば流さんが最後まで帰って来ず食事は依頼飯と一緒のディナーとか、食が見つからず当時のガイドブックで作るとか、おまかせ料理を容赦なくぶった斬って鱧のフルコース作らせる客とか。だからなのか新鮮でいつもの感じなのに新しさがあってより楽しめました。

  • このシリーズもいよいよこれで最後かな?シリーズ名が似過ぎててオーディブルで聞くとどれを読んでないのかいまいちわからなくなる。今回はピザがそれなりに、衝撃的だったかな?豆腐飯も一度作ってみたいかも。

  • シリーズ第八弾。お決まりお約束が続くが、今回は依頼時のおまかせ食事無しの話あり。今回の日本酒は、奈良の篠峯、丹後の玉川、伏見の琥珀光。ひるねの出番が少ない。

  • 毎回思うのだけど、探偵料込みの食事代っていくらが妥当なの?お気持ちで、っていうの難しいなぁ。

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著者プロフィール



「2023年 『歩いて愉しむ京都の名所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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