トヨトミの逆襲 (小学館文庫 か 52-2)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070798

作品紹介・あらすじ

経済界を震撼させた超話題のビジネス小説

「99%が真実」という噂で書店から本が蒸発した!? あまりに詳しすぎる内部情報、関係者しか知らないはずのエピソードが満載だったため、小説を偽装したノンフィクションではないかと噂され、発売と同時に一気にベストセラーとなった超問題小説「トヨトミの野望」の第二弾が遂に文庫化! EV、自動運転、ライドシェア、さらにカーボンニュートラル、地球温暖化。激震する自動車業界の巨大企業に、さらに世界的IT企業が襲いかかる。持ち株比率たった2%の創業家社長は、この難関を乗り切れるのかーー気鋭の経済記者が覆面作家となって挑む「この国の危機」の真実。新聞が書けない極秘情報満載のビジネス小説登場!

感想・レビュー・書評

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  • 前作の「トヨトミの野望」に続く続編。
    今回は豊臣統一が社長となり、そのトヨトミ自動車の軌跡がメインのストーリー。

    99%実話というキャッチフレーズなのだが、もしそうならば幾らかは凄く暴露的。全体を通して面白く、前作でも思ったのだが自動車産業の知識に乏しい自分でもしっかりと把握しながら読むことができた。

    統一が最後に自分の真意を、そしてトヨトミの真意を見出だす。彼の会社人生はやはり「トヨトミの血」のもたらす影響下だ。良いも悪いも含めて血統とはそういうものかと再認識させられた。

    今後のトヨトミ=トヨタがどう活躍していくのか?そして自動車の未来は?

    気になるトピックを残しつつ、未来は不確定で不安が多いが、明るい日本の未来を自分たちに見せていってほしいと素直に感じた。
    そして自分も畑は違えど同じ志で生きていきたいと感じた。

  • 巨大自動車企業、トヨ…トミという架空の会社を舞台にした、「小説を偽装したノンフィクションではないかと噂された」という『トヨトミの野望』の続編。
    著者は「経済記者、覆面作家」ということで梶山三郎氏という氏名はどっから取った名前なんでしょうか。「三」はもしや3人で組んでる?

    記者の文才って凄いんだな…と本著を読んであらためて感じました。読み始めたら止まらない系の疾走感があって、その中に絶妙に仄めかされた登場人物名(※)や、やたら生々しいエピソード群が散りばめられ、楽しんで書いてる?と思うくらいです。
    ※例えば、孫正義→宋正一、ドナルド・トランプ→バーナード・トライブ、イーロン・マスク→タイロン・マークス…。この推測は個人の感想ですが(笑

    さて本著、2019年に出版されたものが文庫化されたものですが、作中で描かれていたのは2016年~2022年12月までで、要は未来が描かれている訳です。
    本著の中で、トヨトミは2022年4月に航続距離1,000kmのEVを発売する快挙を成し遂げたのですが、これは著者から"現実"への挑戦状(しかもハードル高め?)だったんだろうか…と思います。
    さて、このレビューを書いているのが2022年8月。現実の巨大自動車企業さんは昨年EVを発売し、航続距離は600km弱、あと今リコール中という状況。
    https://biz-journal.jp/2022/07/post_304857.html
    著者のTwitterアカウントを見ると、本著出版の前に「EVでボロ負けしろ、バーカ」と発言されてたのが恐ろしい。。

    あと、「持ち株比率たった2%の創業家社長」という言葉は、コーポレートガバナンスという観点でも考えさせられました。(もはや本著の感想ではないですが…)
    先日、LIXILのコポガバに関する本を読んだばかりなのもあり…
    https://booklog.jp/users/skylark0311/archives/1/4163915524#comment
    とは言え、適切な人事プロセスが運用されていれば問題ない訳で、創業家だから良くない、とはならないはずです。

    現実の方の自動車業界は、これからどうなっていくのか。海外に行って、空港で「鶴のマーク」を見たり、街中で日本車を見たりすると誇らしいような気持ちになるので、適当なコトを言うのですが、どうか頑張ってほしい、と思います。

  • 『トヨトミの野望』の続編、事実と虚構が入り混じったスリリングな展開で、一気に読めてしまいます。結末は・・・ぜひそのようになって欲しい。

  • トヨトミの野望の続きです。昭和からわりと最近までのトヨトミ社の歴史。登場人物多くて、疲れたから投げやりに名前つけられたのでは?と思っています。タイロンマークス。

  • 前作に引き続き面白かったです。やっぱり企業ストーリーは好き。統一社長時代だけだったので次の照市の社長時代も見たかったかも。彼目線の経営だけだったので、ちょっとそこは物足りず。この話を読んで、自分の会社はガバナンスが効いているんだろうか?日本に五万とある下請け工場は100年に一度の変革期に大丈夫なのか?案外、そういうとこに日本の技術があるのかも?とかそんなんも考えました。

  • 統一が出てくる場面では必ず黒縁メガネの丸顔でナッパ服のあの人を思い出しました。描写も凄い。会話している両者の心情が細やかな表情や動きの記載から分かるようでした。書き方が上手いなと素直に思いました。愛人のことも知らず、思わずググってしまいました。最後の解説も何故名字がトクガワではなく、トヨトミにしたのか?成程と納得させられる作品でした。経済的興味無かったけど、自動車産業と絡めると面白いですね。書き方も本当素晴らしいと思いました。

  • どうしてこういう新聞記者という真面目に技術を知ろうとしない人種ほど町工場神話が好きなのか

  • 実際のニュースを下敷きに、フィクションとして読む。面白かった。

  • 自動車業界の勉強にもなる!

  • トヨトミの野望の続編。
    主人公は創業家の直系、統一。前作のサラリーマン社長vs直系一族の争いからすると、大分地味にまとまっていると思う。ここまで書いて良いのか?というリアルを題材とした姿勢は相変わらず。

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著者プロフィール

経済記者、覆面作家

「2016年 『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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