かすがい食堂 あしたの色 (小学館文庫 か 50-3)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 174
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070811

作品紹介・あらすじ

下町の子ども食堂が世界と繋がる第2弾!

祖母から駄菓子屋「かすがい」を引き継いだ春日井楓子が、店の奥で子ども食堂を始めて1年が経った。

親のネグレクトが原因でまともなご飯を食べていなかった翔琉は大人しく感情もほとんどあわらにしなかったが、通い続けるうちに少しずつ打ち解けるようになった。摂食障害を患っていた夏蓮は元気を取り戻し、積極的に買い物や調理を手伝ってくれている。

中一になった亜香音が友人・彩希を連れてやって来た。髪を染めたことで教師や親に叱られ、家出中だと言うが──(第一話 少女と嘘と白黒パンダ)。

日本語が流暢な黒い肌の少年、日本で働く母親と暮らすためベトナムからやってきた少女、新たなお客さまを迎え、差別や偏見など彼らの抱える問題に楓子は直面するが、かすがい食堂のみんなでごはんを作って食べながら、何が出来るかを考える。

幻のカレイ(?)のムニエル、自分でにぎるおにぎり、ライスペーパーの春巻き、お好みの具材をのせるビビンバなど、わくわくする献立も充実。下町の子ども食堂から世界を知る人気シリーズ第二弾。

【編集担当からのおすすめ情報】
シリーズ第1弾は、発売直後に「王様のブランチ」ブックコーナーで取り上げられ、いじめや貧困など子どもをめぐる問題をテーマに掲げながら、多くの方に好評をいただきました。第2弾のテーマは「多様性(ダイバーシティ)」です。子どもたちを救う温かい料理の物語と並行し、何が差別で、なぜいけないのか、著者がわかりやすい言葉で伝えます。読む人すべての心に響くメッセージが詰まった渾身の一作です。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾。
    駄菓子屋『かすがい』を継いで、店の奥で子ども食堂を始めてから一年後。
    食堂を始めるきっかけとなった翔琉も小5になり、亜香音も中一になったが通っている。

    イジメにあってるのではと思っていた亜香音だったが、単に貧しくて晩ご飯もなく、何かを得るために落とした駄菓子を拾って食べたり、みんなのランドセルを持つことでお金をもらってたりしたわけだが、今回はそのイジメてたと思われた子が家出してるんだと連れてきて…。

    今回の話のなかで特に気になったのは、肌の色の違う子が、お店に来たことで起こる問題がかなり強烈だったこと。
    第四話のわたしの色、あしたの色では、差別にあった本人の声がかなり響いてくる。
    自分は差別をしていないって言葉を発するだけで、それはもう差別になってるということに気づいていないのだ。
    肌の色は見ずにみんな同じに扱うって言葉は、ときに差別的で、暴力的なんだよ。ということがわかってなかった。
    それを聞くことで、楓子も無意識に投げかけていたことに気づき反省して受け止める。

    ほっこりと食卓を囲む場面もしっかりあるのだが、「今」の社会を映す濃い内容だった。



  • 駄菓子屋のお姉さん、子ども食堂で世界と出会う!
    多様なお客さまをほかほかごはんでお出迎え
    なんて帯には書かれていた。
    確かにそうなんだけど、想像していたよりも内容の濃い作品でした。
    色々と考えさせられたし、これからも考える事の多いテーマだと思う。

  • これ小説?
    ☆1つもつけたくない。

    一個人としての感想は
    議論書き荒らして、満足?って感じの本。
    センシティブな話なら、もっと纏めてほしいし、
    議題に対しての結論が雑すぎて嫌い。

  •  駄菓子屋で大人が買っているのは、お菓子ではなく、思い出w。 加古屋圭市「あしたの色」、かすがい食堂シリーズ№2、2021.11発行。今回は「差別」がテーマでしょうか・・・。難しかったです。悪気のない差別、見えない差別・・・。「リラックスして読みたいな」が正直な読後感です。

  • 多様性って難しい。良かれと思っての言動が逆に傷つけてることがあるらしいが、言ってもらわないと気付けないし…。仁君みたいな人は貴重。勉強になった。

  • かこやさんの本を初めて読み、ファンになりました。差別や偏見に、まっすぐに立ち向かう楓子さんは、とってもかっこよかったです。お料理のシーンも織り込まれていて、食いしん坊の私はたっぷり楽しめました。「なにをどう感じ、どう受け止めるかは人それぞれだ。………..結局、人と人なのだ。相手のことを思い、考えるしかなかった。」この文章が、心にズシンときました。

  • 重いテーマに対する軽いタッチは諸刃の剣かもね。

    2022年10冊目。

  • 重い

  •  祖母が営む駄菓子屋「かすがい」を引継ぎ、店の奥で子ども食堂をしている楓子の元へ日本語を流暢に話す肌の黒い少年・仁がやってきた。
     両親はアフリカの血を引くフランス人だが、仁は日本育ちの為生粋の日本人。だが、見た目が異なる為日本人扱いされず差別を慣れっことしていた。そんな時、仁がベトナムから来たティエンをかすがいに連れてきて…

     何気なく聞いていた「日本はどう?」、「私達は気にしないから。」と言う言葉、実はかなり上から目線だと気付かされました。日本はさほどカラーブランドとは無縁だと思っていましたが、この話を読んで甘い考えだと痛感しました。明らかなヘイトビラも不快ですが、悪意のない言葉ほど無神経なんだと考えさせられました。

  • かすがい食堂シリーズの二作目。前作の摂食障害や子供の貧困に続いて、今作では差別という重いテーマに取り組んでいる。安直な解決を目指さないのは前作と同じで、物語の中だけでもカタルシスを味わいたい向きには不評だろう。加えて、今作はテーマがテーマだけに、ディスカッションの部分が多く、多少説教臭さも生じているのは否めない。それでも理想は語らないが、矜持は捨てないヒロインには救われる。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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