- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094071504
作品紹介・あらすじ
東大からの挑戦状!?伝説の入試問題に挑め 1998年・3月。東京大学理科一類の後期日程試験に、過去に類を見ない数学の奇問が出題された。中堅予備校「七徳塾」の数学講師・言問さくらは、解答速報を出すべく早速この奇問に挑むも、まったく解けない。しかも信じられないことに、他の大手予備校も解答を作成できずにいるという。さくらはこの問題が受験史に残る超難問であると確信し、大手予備校を出し抜き、どこよりも早く解答速報を出してみせると決意するのだが――。立ちはだかるは、東大が出題した伝説の入試問題。いまだ語り継がれる実在した受験史上最悪の超難問に挑む、本格数学小説!
感想・レビュー・書評
-
1998年に実際に東大後期試験で出題された数学の難問にまつわるフィクションです。弱小予備校と大手予備校が解答速報の速さを競う物語になっています。そういった物語部分も面白いですが、解答に至る過程がすごい面白い。導かれる解答はともすれば単純とも思えるんですが、問題文から解答に至る過程はとても複雑。
やっぱり数学は面白いね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分は完全に文系人間なので、問題については全く理解できなかったし、今後も縁のないものであることは確実ではあるが
登場人物同士の関わりや、解答に辿り着くまでのプロセスが面白くてわくわくドキドキしながら読んだ。
時々理系の頭脳が欲しいな、と無性に思う時がある。
例えば、ノーベル賞(化学とか物理学とか)のシーズンになると、候補者の研究内容について、思いつくことはなくても説明されたらしっかり理解できて《すごい》《さすが》以外の感想を持ちたいとか。
たとえ《なるほど〜》でも。
今回も理系の頭脳が欲しくなった。マジで。 -
だった一問の問題を一冊通して解説しているような話。回答に行き着くまでの、数学講師、他教科講師、他予備校、出版社までもの人間の関わりが面白くて一気読みしました。
主人公の、周りからの偏見や一般論で諭してくる大人たちを反面教師として、自分の想いを突き通していく、読んで清々しい気持ちになれる一冊でした。 -
1998年3月。東京大学理科Ⅰ塁の後期日程試験に、過去に類を見ない数学の奇問が出題された。通常、予備校が競って解答速報を出すのだが…この問題については大手予備校も解答を発表できずにいた。
そんな中、中堅予備校「七徳塾」のエース数学教師言問さくらは、七徳塾の東大コース存続をかけて、この難問をどこよりも早く解くことに挑戦する。
『実在した受験史上最悪の超難問に挑む、本格数学小説』
というふれこみに釣られて読み始めた本書
根っからの文系の私に理解できるのかと不安だったが、何の問題もなく、すがすがしく読了!(もちろん数学の解説は完全理解は出来ず)
途中面白かったのは
問題の難解な言い回しを「日本語に訳す」というところ
『この異常なほどに長く複雑な問題文によってさくらの思考力が奪われているとしたら?』
最近の中学受験でもやたらと長文で複雑な言い回しで混乱させるようなものがある。英語で書かれた文章を解くのは厄介だけれど、母語でなら…と問題文の平易化をしたのが画期的で、それによって文系の私にもぐっと問題が分かりやすくなった。(と言っても難しいのは難しい)
東大を目指すことの努力と才能
努力をすれば受かるのか?受からなかったのは努力が足りなかったのか?
試験の合格不合格というのは残酷で、「お前の〇〇が足りなかった」と突き付けられる。東大合格を目指しコツコツとやってきた女の子が、結果が出てその道をあきらめる時、その切なさを思い出した。でもその子が後に「私は東大数学を解けるようにはならなかったけど、東大数学を解こうとして、うんうん唸っていろいろ考え多分、きっと少しは賢くなれたんじゃないかと。モノの考え方というのを学べたんじゃないかと」思う、とさくらに手紙を書いてきていたところに『学ぶ』ということの奥深さがあるんじゃないかと思った。
また、女の子が数学で食べていくのは大変だぞ、という大人からの呪いの声
数学の神様となれなかった天才
など、数学の道って「好き」だけでは済まない色々なものが絡んでいるのだなと…
数学は全く得意ではないけれど数学好きの気持ちが少しは分かるようになるかもしれない?一冊でした -
東大入試試験の中の数学のたった一問(実際にあったと言う)を解くことを中心に、ストーリーにも大きなひねり等は無いのだけど、一気に読んでしまった。
こういうシンプルでスッキリするストーリー、嫌いじゃないなあ。
-
全ての「元受験生」に薦めたい!!いやー、興奮した!!!数学の問題が主軸にあるから小難しく見えるけれど、好きなことを突き詰める人の魅力とか、人間模様の描かれ方が面白い。
-
面白かった。数学の基礎すら投げ出した文系人間だが、物語としても楽しめた。もはや等式のルールや考え方も忘れたままなので、数式の説明はちんぷんかんぷんで理解するにはまだまだ時間がかかるが、こんな小説を中学生頃に読んでいたら、もう少し数学に熱心になれたんじゃないかと思う。中学算数の証明問題は好きだったから。
-
大学入試問題(数学)に、「受験数学史上No.1の超難問」と言われる問題(1998年東京大学後期日程試験)があることに興味を持ち読みました。
当然、問題と解答に至るプロセスが記されています。理解できるはずもないので、その点は読み飛ばしたりしながら、プライドをかけた予備校講師の取り組みに「凄いなぁ~」としか出てこない感想を持ちました。