死日記 (小学館文庫 か 5-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094080933

感想・レビュー・書評

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  • 田口潤は、14歳の中学生。3年への進級を機に、日記をつけ始めた。毎日彼が記すのは、実の父親の死後、母親の新しい恋人になった加瀬という男と3人での同居生活。仕事をせず、次第に母親に暴力をふるうようになった加瀬と、恋人に盲目的に尽くす母親。理解できない彼らの関係に怒りを覚えつつも、ただ母親の幸せを願う潤だったが、やがて彼は不吉な事件に巻き込まれていく―。事件を追う刑事が、少年が綴った日記から明らかにしていく衝撃の真実とは?家庭に潜む暗闇を抉り出した、桂望実渾身のデビュー作。



    なるほどー
    という展開とお話ですね。
    まさかの結末ってヤツですね♪

  • 田口潤は、14歳の中学生。3年への進級を機に、日記をつけ始めた。毎日彼が記すのは、実の父親の死後、母親の新しい恋人になった加瀬という男と3人での同居生活。仕事をせず、次第に母親に暴力をふるうようになった加瀬と、恋人に盲目的に尽くす母親。理解できない彼らの関係に怒りを覚えつつも、ただ母親の幸せを願う潤だったが、やがて彼は不吉な事件に巻き込まれていく―。事件を追う刑事が、少年が綴った日記から明らかにしていく衝撃の真実とは?家庭に潜む暗闇を抉り出した、桂望実渾身のデビュー作。

    すべて日記で綴られる物語。サクサク読み進んでしまうが内容はとっても深い。

  • 主人公の潤君がかわいそうすぎて泣きまつ。クソ母親にめっさくそ腹が立ちます。母親をたぶらかした男に殺意を抱きます。潤君をこんな結末にした運命を心から呪います。誰をどこからどう責めたらいいかわかりません。こんな終わり方、許せません。
    ぶっちゃけみんなかわいそう。でも許せん!
    貧乏でノートも変えない潤君。公立高校にもいかせてもらえません。そんな彼を先生や友達の小野君たちは必死に支えてくれます。料理をご馳走してくれたり進路を真剣に考えてくれたり。日記の中で唯一癒されるのは彼らの記述。
    潤君がすごいのは、そんな人たちの好意を純粋に感じ取って感謝しているところ。日記を読んでいる限り卑屈になっている部分はありません。友達を心から応援して、先生に感謝して、どこまでも母親を愛している。ただ、その母親が問題で・・・(-L-;)彼はただ母親の愛がほしかっただけなのに。かわいそうです。母親が男無しでも生きていけるよう、定時制高校に通い、パン工場に就職する潤君は運命に抗おうと必死でした。貧乏でも孤独でも、働いてお金をかせいでお母さんを楽にさせてあげたいと考えるやさしい子です。強い子です。でも最後は運命に委ねたのです・・・。委ねてああなっちゃったのです・・・。信じるって惨い。。゜(゜´Д`゜)゜。
    潤君には心からお疲れ様、といってあげたい。フィクションのくせにやたら感情移入して読んでしまいました。最近そういう読書が多くて本を読むたび疲れます・・・。それだけいい本に出会っている証拠なんだろうけど。(´∀`)

  • デビュー作としては、かなり上手だと思う。内容は少しセンセーショナルにしたかったのかもしれないが、著者の「14歳の少年」を描写する、という狙いはあたった気がする

  • すごく悲しいお話です。
    桂さんの作品は初めてでしたが、すぐに引き込まれました。

    少年の母親に対する愛は、家族への愛情を超越していると思った。
    だからこういう結末しか選べなかったんだろうと思う。

    後半は電車の中なのにぼろぼろ涙がこぼれてきてしまいました。
    駅についても中断する気になれなくてホームで完結まで読みました。

    少年のように母親を大切におもいたいです。
    でも違う結末を向かえれたらいいなー。



  • テンポ良く読めた。そう言う意味では凄く読みやすい本。
    でもタイトル通り、内容は切ない。

    中学3年の男の子の日記一年分を追いながら、その子の心境の変化などを見ていく。本当に切ない。

    これが桂さんのデビュー作だとか。なんだかこれで『県庁の星』に興味がわいてきた。

  • 少なからずこういうのに近い境遇のコっているんだろうなと思うと考えさせられます。

  • プロローグを読んで、てっきり潤が加瀬を殺した事件だと思い込んでしまった。戸田の陽子への取調べのシーンも、うまくそう思い込ませるように表現されていたと思う。
    読み進めていくうちに、あれ・・・もしかして・・・と徐々に気付かされる文章で、まいりましたといった感じ。
    それにしても、何をされても加瀬から離れない陽子にはイライラした。そんな陽子の心理も同時に描写されていればもっとおもしろいのではと思った。


  • ひたすら救いがなく、切なく、狭まった出口に押し込められるような作品。


    タイトルに結論が出ている上に挟まれるエピソードが、一縷の望みさえ打ち砕く。



    ただひたすらに女であろうとした母親と、ただひたすらに子供でいたいと願った少年と。
    寂しいと、一人でいたくないと、切ないと嘆く母親に、刑事は問う、ではあなたがオトコといたときに、一人になった少年の気持ちは考えなかったのかと。
    一人の女性が女であろうとしたときに、同時に母親にはなり得なかったのか。


    ただ辛かった。

  • 「ボーイズ・ビー」が良かったので手に取りました。14歳の少年が体験するには過酷な事なのですが、それを日記形式で書かれている分その苛酷さが軽減され、まろやかな仕上がりになっています。救いは、周りの人達のやさしさと少年の純真さでしょうか。。。どうして、主人公はひどい母親を愛せたのでしょう。愛していたからこういう結末だったのでしょうけど。。。なんとも読後モヤモヤ感が残りました。それだけ、考えさせられるテーマだったのだと思います。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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