幸せまねき〔小学館文庫〕 (小学館文庫 く 6-4)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083484

作品紹介・あらすじ

あなたたちがいたから、家族になれた。

学校でいじめにあっている長男・翔(11歳、小学五年生)は、家では不機嫌。自分が欲しがって飼った犬の散歩にも行かない始末だ。息子を心配するママ・小絵(38歳、専業主婦)は、家庭の事情にまったく関心をしめさないパパ・真太郎(45歳、会社員)にあきれ果て、テニスコーチと不倫に走る。思春期の長女・穣(17歳、高校二年生)も同じ高校に通う問題児とつき合いだした。
今にも崩壊しそうな中山家。
一家の一大事に、ペットの三毛猫ミケ(2歳・メス)とコーギーのタロウ(1歳・オス)が立ち上がる。果たして一家の命運は?
『万寿子さんの庭』の注目作家が描く、愛と絆の物語。

感想・レビュー・書評

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  • kamosigiさんからオススメの1冊。

    kamosigiさんからのオススメは、いつも意外な方向へ私を誘います。
    これも、当初の印象とはだいぶ違ったタッチで、
    「家族モノ」と思ってなかなか手に取るものの進まずにいたのですが、
    なるほど。そういう方向で行きますか(笑)みたいな(笑)

    「家族」の定義をいろんな意味で考えさせられるし(笑)
    そういう意味で夢のあるストーリー。
    結果的に、あらためて家族が「再生」されるのもほほえましい。
    長編と言いつつも、読み始めたらあっという間。
    読了感もすっきりと。

    これをきっかけに「万寿子さんの庭」も読んでみたいと思いました。

  • コーギーと猫が寄り添っている表紙に惹かれて購入。
    それぞれ困ったことを抱えている家族だけど、自分も含めてみんなのことが大好きなコーギーがたまらなく愛おしくなりました。ほのぼのだけじゃない、生き物としての悩みもあり事件もあり、先が気になり一気読み。

  • 父母姉弟犬猫。
    そんな家族がどんどんばらばらになっていく…
    家族それぞれの視点(猫含む)から家族崩壊をどう捉え、立て直していくのか。
    猫視点のある物語久しぶりに読んだな。

  • コーギーって申し訳ないけど短足胴長で鈍臭くておバカなイメージだったけど、タロウの勇姿を読んで感動して見方変わった。ピットブルは辺り構わず噛み付くバカな犬かとも思ったけど主人が残念すぎるからだ。あの子も被害者だ。最初の方はタロウが虐待されてるのかと思った。(踏みつけられてとか)それでも健気に家族を迎えるのはさすが犬。冷たくてそっけないイメージの猫だけどミケは優しい子。猫の集会はちゃんと会議してると思うとおもしろい。最後の集団の呪いはいいぞもっとやれと思った。
    2017/07/11

  • よかった!
    猫の気持ち、犬の気持ち
    すごいハマってたと思う。
    黒野伸一さんさすがや〜

  • コギー犬と三毛猫の可愛い表紙に、思わず手に取ってしまいました。
    本の内容も、中山家のサラリーマンの夫と専業主婦の両親と、女子高校生、小学生の男の子の家庭に、ペットの犬と猫が、出てくる。
    しかし、主人公が、『吾輩は猫である』ではないけど、このウェルシュ・コーギー・ペンテブローグの雄犬のタロウと、雌猫ミケの言葉から、話が進む。
    動物って、人間をこんな風に見ているのかな~なんて。
    そして、動物同士でも、こんな風に、群れをなしているのか?とか、、、
    山中家の平凡で、平和な家庭に、皆、一人ずつ、問題を抱えており、崩壊への道に進んでしまうのだが、、、、
    先ずは、父親の真太郎は、仕事で、悩み、、、母親の小絵は、不倫に走り、高校生の穫(みのり)は、性に目覚め、小学生の翔は、いじめにあう。

    タロウの無謀な戦いで、下半身麻痺になるが、其の事で、家族が、バラバラになっていた気持ちが、一つになって、元の家族のように、なって行く。

    女性の様な、動物からの視線が、読みやすいのかもしれない。
    しかし、小説でも、母親の不倫は、許せないな~と、思うのは、古い人間なんでしょうか?

  • (推薦者からのコメント)前にこの作者の本を読んだ時にとてもおもしろかったので,読みたいと思いました。

  • 2011 3/12

  • 前回読んだ「万寿子さんの庭」がとってもおもしろかったので、
    同じ著者のこの本を読んでみた。
    やっぱりこの人は、人の微妙な心情を言葉で表現するのがとっても上手だなと思った!読み終えるのが惜しい気持ちになったのは久しぶり。

    崩壊寸前の家族をなんとか立て直そうと、ひと肌もふた肌も脱ぐ飼い犬のタロウと飼い猫のミケ。
    猫の会合の様子や二匹の会話、ミケの視点で描かれる文章や家族からみた二匹の愛らしい姿がたまらない。
    動物たちってほんとにこういうことを考えていて、
    動物同士でも会話をしているんじゃないかなって思う。

    タロウはかわいらしい少年のようなキャラクターがぴったりなのだけど、
    見かけに反してどっしりクール系なところにギャップがあって、
    泣かせてくれる~

  • まじめなおとうさんと綺麗なおかあさんと
    高校生の姉と小学生の弟のごく普通の家族の物語。

    小学生のいじめ問題あり、高校生の性の悩みあり、
    妻の浮気あり、夫の仕事の悩みあり、
    色々なことがてんこもりで展開していく物語。

    そして、大切な登場人物がこの家で飼われている
    猫ちゃんとわんちゃん。猫ちゃんが主人公かも。

    視点がそれぞれの登場人物に代わって物語が展開
    するので、とてもわかりやすいし、
    どうなるんだろうって先を読みたくて
    あっという間に読んでしまった。
    (特にねこの視点の部分が好きだった)

    最後もすっきり爽快、後味の良い物語。

    この作者はあとは読者におまかせっていう余韻のある
    (読者からするともどかしい)書き方ではなく
    最後まできちんと書いてくれるので、いつも後味が
    良くて好きだ。

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著者プロフィール

黒野伸一(くろの・しんいち)
一九五九年、神奈川県生まれ。『ア・ハッピーファミリー』(小学館文庫化にあたり『坂本ミキ、14歳。』に改題)で第一回きらら文学賞を受賞し、小説家デビュー。過疎・高齢化した農村の再生を描いた『限界集落株式会社』(小学館文庫)がベストセラーとなり、二○一五年一月にNHKテレビドラマ化。『脱・限界集落株式会社』(小学館)、『となりの革命農家』(廣済堂出版)、『長生き競争! 』(廣済堂文庫)、『国会議員基礎テスト』(小学館)、『AIのある家族計画』(早川書房)、『グリーズランド1 消された記憶』(静山社)、『お会式の夜に』(廣済堂出版)など著書多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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