0マイル (小学館文庫 い 33-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085778

感想・レビュー・書評

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  • 息子との二人旅。なんとも羨ましいシチュエーションだ。時間と共に近づく二人の距離。子どもから学ぶ事で親も成長するんだな。僕にとっての天使は、この本を勧めてくれた名古屋の書店員だったのかもしれない。いい本に巡り合えた。

  • 作者の稲葉なおとさんは一級建築士であり、写真家としても活躍されている。B'Zの稲葉浩志さんのいとこにあたる方でもある。
    本書は、親子のドライブと、彼らの心の交流を描いた
    作品だ。
    主人公の吉川士朗は写真家だ。以前、ホテルを題材にした作品で脚光を浴びたが、現在は雑誌関係の細かい仕事を淡々とこなしている。
    ある日、知り合いの雑誌編集長から依頼を受け、アメリカ・フロリダの紀行写真を撮影することになる。士朗は、小学二年生の息子・登士と共に旅立つ。
    旅行中、志朗は登士の言動に振り回され、写真家としての仕事に没頭できず、苛々を募らせる。そして、そんな自分をかすかに嫌悪し、反省する。
    登士のほうは、父親の良き助手になろうと、一生懸命に
    行動する。時としてその気持ちが空回りしてしまうのだが、何とも健気なのだ。
    「ああ、子供って、こういうこと言うよな~」
    「登士の気持ちも判るなあ~」
    いろんな出来事が起きるたび、双方に感情移入していった。

    国道『US1』の終点は、キーウェストだ。
    マイルマーカーの『0』が、市朗に新たな気づきを
    もたらす。
    親子の絆がさらに深まることを予想させる、後味の
    爽やかな作品だった。

  • 一言、おすすめです。


    それだけじゃ読んでいただけないかと思うので
    というかもっと語りたいのでやっぱり一言では終わりませんが。


    写真家である父親と小学生の息子のロードストーリー。
    舞台がアメリカということで、なんとなく興醒め感(ありふれてるから)がありつつ
    手にとったのですが、いやはやそんなことを考えたことを反省。

    この父親がね、いわゆる「普通の人間」なんですよ。
    頼りになるパパ(ヒーロータイプ)でもなく、ダメダメ人間(アウトロータイプ)でもなく
    仕事に対して焦りを感じ、その焦りから軽率な行動を起こすこともある
    「失敗する大人」。

    そして子供も「出来杉くん」でもなく「のび太」でもない
    いわゆる「普通の子供」。
    だからこそいたいけであり健気に映る。

    一級建築士であり数々のホテルを旅した本を著書に持つ作者らしく
    建物の描写、またそれを活かす方法を知っている。

    景色を見ながらこのストーリーを追いたくなってくる。

    思わずこの著者の写真つきエッセイ本も購入しました。
    それはまたおいおい・・。

  • キーウェストいってみたいな。昔から海の上を走るハイウェイに憧れがある。昔々テレビでみたときから。山下達郎がBGMだったwハンフリーボガードのキーラーゴって映画もあったな。でも、セレブの観光地なんだって。無理だな。

  • 元々ロードムービーが苦手な私だが、友達がすぐ読めると言うので、読み出したが、面白いけどなかなか読み進めず前半は牛歩も良いところだったが、後半のあるホテルに着いてからの展開は一気に読めた。

    父親と息子が旅行をする話だが、私は完全に大人目線でイライラしながら読んでしまった。まだ自分の息子が小さかったら、子供目線で読めたのだろうか…。

    ラジオドラマから生まれた話だそうだ。それに付随して、曲が出てくるのだが、洋楽好きの私にしては、あんまりピンと来なかった。

    著者の写真集も図書館にあるとの事なので、是非見てみたい。

  • 頑固親父と率直息子の心温まるフロリダのドライブ旅行。とっても楽しくてニコニコしながら読んでしまった。

  • 親子の話が好きで、よく読みます。この本も、親子の絆の物語をたくさん書かれている重松清さんが絶賛、と書いてあったので手に取りました。感動しました。父親と7歳の息子の会話が、まるで自分がその場にいるように、聞こえてきます。そして場面場面の景色も、自分が目にしているように、こころに残ります。ぜひドラマ化して欲しいです。

  • フォトグラファーである父が小学二年の息子を連れてフロリダに撮影の仕事に行く。訪れる先々でいろいろなアクシデントやドラマがあり、父は息子との絆について改めて考える。
    っていう、まあ、ありがちなストーリーで、内容もおおよそ想像通りなんですが、息子の思考と父親の思考のギャップがうまく書けてると思います。異国の雰囲気もうまく言葉に出来てて、心に残りますね。
    解説が重松清なのもいいです。

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著者プロフィール

東京工業大学建築学科卒業。一級建築士。建築家を経て98年、旅行記『まだ見ぬホテルへ』で作家・写真家としてデビュー。長編旅行記『遠い宮殿』でJTB紀行文学大賞奨励賞受賞。500軒以上の名建築といわれる宿に宿泊取材し、写真集、小説、児童小説を刊行するなど活動領域を広げ、日本建築学会文化賞受賞。取材開始から15年を経て刊行された本書『ホシノカケラ』は、児童小説『サクラの川とミライの道』、写真集『津山 美しい建築の街』と共に、著者ゆかりの街・岡山県津山市を題材にしている。他にノンフィクション『夢のホテルのつくりかた』など著書多数。

「2023年 『ホシノカケラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲葉なおとの作品

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