ぼく、ドラえもんでした。 (小学館文庫 お 33-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086393

作品紹介・あらすじ

ドラえもんと共に生きた26年間の思い出を、声優交代の直後から約1年かけ、自ら綴った感動秘話。パイロットフィルムに「一目ぼれ」した出会いの瞬間や、藤子・F・不二雄先生の思い出など、本人にしか決して語れない、涙と笑いに溢れた、ここだけのうちあけ話が満載。四世代十三人家族に囲まれて育った生い立ちや、「ドラ声」とからかわれ、くじけた心を、勇気に変えてくれた母の言葉。入院、手術に直面したときに聞こえてきた「あの子」の声。随所に語られる、若い母親や子どもたちへの温かいまなざし…。"大山ドラ"といっしょに生きてきた世代、すべての人たちの心の奥深くに響く一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 2006年の単行本を2011年に文庫化。
    アルツハイマー型認知症と言われたのが2012年、夫の砂川啓介がそれを公表したのが2015年。
    まさかの夫が先に亡くなり、今は老人ホームでお元気なのだとか。

    本書で一番笑ったのが、
    218p「切ればッ!」(癌を。)
    癌告知のあとに、あの声が内面に聞こえるのは、大山のぶ代以外ありえないだろう。



    内容説明
    ドラえもんと共に生きた26年間の思い出を、声優交代の直後から約1年かけ、自ら綴った感動秘話。パイロットフィルムに「一目ぼれ」した出会いの瞬間や、藤子・F・不二雄先生の思い出など、本人にしか決して語れない、涙と笑いに溢れた、ここだけのうちあけ話が満載。四世代十三人家族に囲まれて育った生い立ちや、「ドラ声」とからかわれ、くじけた心を、勇気に変えてくれた母の言葉。入院、手術に直面したときに聞こえてきた「あの子」の声。随所に語られる、若い母親や子どもたちへの温かいまなざし…。“大山ドラ”といっしょに生きてきた世代、すべての人たちの心の奥深くに響く一冊です。

    目次 :
    まえがき
    第1章 運命の出会い
    第2章 テレビ「ドラえもん」スタート!
    第3章 『のび太の恐竜』公開!
    第4章 映画ドラえもん時代1―怒涛のドラ波
    第5章 藤本先生の思い出
    第6章 映画ドラえもん時代2―先生の蒔いた種
    第7章 ありがとう、ドラえもん。
    第8章 伝えていきたいこと
    あとがき
    解説 辻村深月

  • 現在の大山のぶ代さん、認知症になってから、自分がドラえもんの声をしていた事は忘れてしまったみたい。

    本作はその前。ドラえもんを降板した後の話。
    ドラえもんと共に歩いた26年間を綴るエッセイ。驚くことに、内容の全てが楽しかった思い出。当然あったであろうが、苦しかった、辛かったと言った言葉はこの自叙伝に全く出てこない。出会いから別れまで、作品と仲間の全てを愛していた大山のぶ代さんに、改めて敬意を払う。

    演者という仕事は恵まれてる。
    たとえ本人が忘れてしまっても、大山ドラは時代を越えていつまでも生き続ける。いまの子供たちにとって、水田ドラにもそうであって欲しい。

  • 仕事が楽しいなと思う時、一緒に頑張れるメンバーに恵まれているなと思います。また、そんな時の仕事は、良い仕事をしていて評価も高い気がします。大山のぶ代さんも素敵な方々に恵まれて(きっと大山のぶ代さん自身も素敵な方なのだと)26年間ドラえもんをされてきたのだろうなという事が伝わってきました。
    本の中には、ドラえもん・大山のぶ代さんの裏話がたくさんあって、思わず吹き出して笑ってしまったり、涙してしまったり。
    印象に残っているのは、みんなで初めて映画のタイトルコールを収録したとき、誰かは早く声が出てしまったり、または後ろを伸ばしすぎたりして、中々声を合わせられないという話し。でも、あ、ズレてた!とは言わずにエコーをかけるなんてお主役者よのう!と言う合うところ。皆さんの制作するときの姿が想像できて面白かったです。
    あと藤子・F・不二雄先生を現すときの"やさしさモワモワ"という表現が可愛いらしかった。
    仕事・人生で大切なこと、後世を繋ぐ子供たちに伝えていきたいことは何か、という思いが散りばめられた、すごく素敵な本でした。

  • 1979年から2005年までの26年間、ドラえもんの声優をされた大山さんのエッセイです。
    ドラえもんは昔から好きでしたが、解説を辻村深月さんが書いてるとの帯にも引かれ、購入。

    そして、改めて好きになりました。
    いろいろと”真直ぐ”な想いがこめられていたのだな、と。

     - 先生の”種蒔く人”の力を感じました

    自分もいつか、種を蒔き芽吹かせることができるのだろうか、、

    なお息子も最近ハマっていて、毎週のようにDVDをレンタルしています。
    あんまり見すぎるのはどうかと思いつつも、つい一緒に見てしまう自分もいたり。

    ちなみに、私にとっての読書の始まりは”ドラえもん”だと思います。
    小学校一年生の時のプレゼントで、初めて買ってもらった本が、ドラえもん1巻でした。

    その後、何故か全巻揃える事はせず、今まで来ているのが我ながらに不思議ですが、、
    もうちょっと子供が大きくなってきて興味を持ち始めたら、1冊1冊大事に揃えていこうかな。

    ん、全集もでているのが非常に魅力的でもありますけども。。

  • 旧ドラ世代には是非読んでもらいたい…子供と一緒に観るようになって新ドラのことも大好き(なんだったら脳内の声が徐々に新ドラに置き換わっている気もする)だが、やっぱり原体験は旧ドラなんだよなぁ…と思わされる
    昭和の時代のおおらかな空気も感じられて好き。

  • 物心ついた時からドラえもんはそばにいて、私にとってはずっと昔からの親友のような存在だった。今現在もそうだ。
    ドラえもんの声の大山のぶ代さんはドラえもん自身。
    ドラえもんの声を聞いたら、いつだって元気になれた。

    子供時代だったので詳しくは知らなかった藤子不二雄先生についての思い出話に触れられたのは嬉しかった。

    私にとって、大山さん時代のドラえもんは私の中できっとこれからも、ずっとずっと残ってる。

  • 大山ドラで育った世代にとってはグッとくるものがある

    子供のころは大長編をすべて持っていて、何度も読み返したものだったけど、やはり名作は何度読んでもいい
    そしてそれに声という命を吹き込んでき続けた方々
    そんな方々の常日頃からの想いが子供にも伝わっていたのかなぁ と思わせられた

  • 内容もさることながら、その語り口調(文体)にじんわりと人柄がにじみ出ていた。まるであの声で再生されるような、ゆったりと優しく、しかしズシンと入ってくる。

  • ドラえもん。

    子供のころから大好きで、
    今でも落ち込んだりすると
    ふいに見たくなるドラえもん。

    見たくなるってゆーより、
    ドラえもんの声を聞きたくなる。

    まわりの友達がディズニーを見ている間、
    私はドラえもん一筋。

    ビデオテープが切れるまで見た「パラレル西遊記」。

    本書は、
    大山のぶ代さんが
    ドラえもんとして過ごしてきた26年や
    ご自身の病気、
    藤子・F・不二雄先生との出会いや別れ、
    学生時代の出来事なども描かれています。

    ドラえもんは、目上の人には敬語を使う、
    乱暴な汚い言葉は使わない。

    読んでいると、
    大山さんなのかドラえもんなのか
    どちらなのかわからなくなってきちゃう。
    これ、
    今ドラえもんが言ってるのかな、って。

    ドラえもんの考えなのか、
    大山さんの考えなのか。

    きっとどっちも本物なんだろうなあ。

    「こんにちは、ぼくドラえもんです」
    「フフフフ」

    今にも耳元で聞こえてきそうな声。

    ドラえもんにキズをつけちゃいけない。
    私はこの子と、別々にならなくちゃいけない。

    ドラえもんの声から離れる決意の場面、
    思わず泣けました。

    やっぱりドラえもんが大好き。

    種蒔く人。
    心を残すこと。
    パイプになること。
    人は、人に揉まれて、人になる。

    ぼくたち地球人

    これが最大のテーマ。

  • 泣けました。

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