看取りの医者 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086621

作品紹介・あらすじ

終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全九話。数多くの「看取り」を続けてきた医師が問う「人にとって最もふさわしい最期の場所」とは!?真の家族愛を描き切り、単行本発売当初から話題となったあの感動作がついに文庫化。そしてテレビドラマ化も決定。著者は地方の開業医。開業医といっても、この医院は訪ねてくる患者さんはほとんどいない。なぜならこの医師は訪問専門の医者だからだ。患者には末期ガンや脳梗塞を患う人が多く、これまで何百人も患者の自宅で看取ってきた。その過程で、悩みながら、涙ぐみながらも知った、せつなくも感動的な家族のカタチ。

感想・レビュー・書評

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  • 今は若い医師も増えつつあると聞く訪問医療。
    開業医師と言っても、訪問専門だ。
    自宅で死のうよ。
    と著者は説く、ただ本人の希望だけでは実現できないキャップと難しさか現存する。
    看護はどうするか?と言う問題だ。
    核家族化が進み、老老介護、病老介護など介護人にも負担がかかる大きなテーマだ。
    介護人のサポートやケアは、訪問医師、看護師、ケアマネージャー、ヘルパーなどの協力体制が必要である。
    自分も行く末は自宅で、とは思うが介護人のことを考えると悩む。
    訪問医師だけでは不可能なので、一体化したケアの連携プレーが必要。
    これからの日本には、超高齢化が待ち受けているだけに、儲け主義に走る医療機関も考えを改めねばならないだろう。
    読了後も、自宅で死ぬ、という気持ちに変わりはなく、一層に強くなった一冊だった。⭕️

  • 生きることと死ぬことは表裏一体であり、看取りの物語は最期の生を浮かび上げることに他ならない。その意味でも死を迎える本人にしっかりと寄り添う医師や介護者の存在が光る。

  • たぶんドラマにすると役者の力で感動のドラマになるんだろうな。でも本で読むと淡々とながれていく感じ。

  • これを医療小説と思って読んではいけない。
    これはこの著者である医師の診療記録です。

    終末期医療について考えさせられるが、自分の家族となるとやはり延命治療を希望してしまうんだろうなぁ

  • 昔は8〜9割を超えるような自宅での死が
    今は病院でのそれへと変わっている。
    そこに死にゆく人の真意は反映されているのであろうか?

    兼ねてから、死というものへの考えを巡らすようになっていた私たち夫婦。
    病院へいくということ、薬を飲むということ、
    手術という選択についても、よく話し合っていた。

    医師がどのくらい病気とそれを患う患者の体力や回復力について、理解されているのであろうか?
    その手術は果たして、本当に患者の暮らし方生き方にプラスであろうか?

    生きるということ、幸せな死とは?
    私たちはもっと慎重に深く死について考えなければならないのではないか?

    訪問医療という新しい分野にわけ入った著者が
    人間の死について、本人家族の幸せを考えた本で、
    たくさんの本物の事例が美しい文章とわかりやすい解説とで、実に愛情深く描かれております。
    オススメの一冊。

  • 終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全九話。

  • 必要な取り組みと思います。
    ビジネス的にもっと普及するような環境づくりを進めたい。

  • こんな風に最後を迎えられる人は何人いるのだろうと考えた本。

    家族が望むのであれば、この本に書かれていた人達のように、終の住処で家族に看取られて最後を迎えさせたい。

  • 患者の最期、ではなく、ひとりひとり人生の最期、に寄り添う医師と家族の姿が涙を誘った。

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著者プロフィール

看取りの医者。1964年、茨城県龍ヶ崎市生まれ。1992年、筑波大学医学専門学群卒業後、筑波大学附属病院や県内中核病院で地域医療に携わる。2002年、筑波大学医学専門学群博士課程を修了し、訪問診療専門クリニック「ホームオン・クリニックつくば」を開業。翌2003年に医療法人社団「彩黎会」を設立。主に高齢者や終末期患者の訪問診療医として緩和ケアを重視し、患者が生を燃やし尽くす最後の日々を満ち足りたものにする手助けをしている。これまで立ち会った最期は2700例を超す。2009年に出版した『看取りの医者』(小学館)は、大竹しのぶ主演でドラマ化もされた。

「2023年 『70歳からの正しいわがまま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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