冒険 (小学館文庫 G う- 1-1)

著者 :
  • 小学館
4.14
  • (6)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094110319

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • S図書館 再読
    生い立ちから1980年位の冒険を順不同で書かれている

    《感想》
    当時中学生の時に読んだ
    情熱が伝わってきた
    心境の吐露がストレートに心に染み入ってくる
    冒険するなら一人で一番乗りに
    でも心では死にたくないよと奥さんに日記に綴る
    すごいと一言ですまされないことをやってのけた

    目次
    新たな挑戦 厳冬のエベレストへ
    北極点へ ありがたい支援
    北極北のロマン 孤独の踏破行
    氷と雪と犬と グリーンランド縦断
    仲間たち 子供時代から学生まで
    ハングリー 最初の冒険日本脱出
    あの山あの人 大陸最高峰登頂の夢
    大河の濁水 大アマゾンにイカダで挑む
    チャンス エベレスト登頂
    五大陸征服 北米最高峰マッキンリー
    極限と信頼感 二つの体験
    極寒の友達一万二千キロ犬ぞり走破
    孤独の道 文明に抗して

    《抜粋》
    なぜこうした(危険な)ことを一人でやるのか私には分からない
    人から問われるまでもなく、自分でも分からないのである
    ただ無性にやりたいそれだけだ

    9物心がついた子供が、すべてに好奇心を持つように、理由もなく、ただこの時、この年代にやりたい、と思ったことをやる
    懸命に心を打ち込むと、その中からまたやりたいものが生まれる
    一つの目標の成功が、さらに新しい夢を呼び、さらにその夢の達成が、次のものを生むのである
    人はそれぞれ自分の生きる心の喜びを求めて、一生夢を追っているのではなかろうか
    私の行動ばかりが冒険ではない
    未知の自然に挑戦しなくても、それぞれの仕事で夢を追い、またスポーツに汗することは、結局自分を満足させるためにやっているのでしょう
    私の場合は、その対象が、身近になかっただけのことである

    スノーモービルが普及したため犬ぞり用の犬はただの犬になっていて、強そうな犬を購入し、その中のメス犬が6匹子供を産んでしまった
    白熊に食料を食いつくされ、翌日またやってきて射殺
    自分も犬もクレパスに落ちた(何とか脱出できた)
    海外で渡航して不法労働で捕まり、強制送還させられそうになった

  • 植村直己の自伝的体験記『冒険』を読みました。
    植村直己の作品は先月読んだ『植村直己の冒険学校』以来ですね。

    -----story-------------
    地球のてっぺん・エベレスト・を踏んだ、地球の最果て〈北極点〉を踏んだ。
    そして彼はもうひとつの最果て・南極点・を踏む夢をあきらめられなかった。
    五大陸最高峰を世界で初めて制覇、犬橇による北極圏踏破など、数々の冒険で知られる小さな巨人・植村直己。
    彼のおいたちから明大山岳部時代の逸話、アラスカの人々との交流、そして南極横断の夢までを語った自伝的体験記。
    これ一冊で植村直己の生涯が鳥瞰的に見渡せる。
    -----------------------

    1980年(昭和55年)に刊行された作品……1998年(平成10年)に再刊された文庫版で読みました。

     ■新たな挑戦―厳冬のエベレストへ
     ■北極点へ―ありがたい支援
     ■極北のロマン―孤独の踏破行
     ■氷と雪と犬と―グリーンランド縦断
     ■仲間たち―子供時代から学生まで
     ■ハングリー―最初の冒険・日本脱出
     ■あの山あの人―大陸最高峰登頂の夢
     ■大河の濁水―大アマゾンにイカダで挑む
     ■チャンス―エベレスト登頂
     ■五大陸征服―北米最高峰マッキンリー
     ■極限と信頼感―二つの体験
     ■極寒の友だち―1万2000キロ、犬ゾリ走破
     ■孤独の道―文明に抗して
     ■あとがき

    モンブラン、エベレスト、キリマンジャロなどの五大陸最高峰の登頂、そして犬橇での北極圏1万2千km、北極点・グリーンランド走破、アマゾンいかだ下り……世界を舞台に冒険した小さな巨人、植村直己の自伝的体験記。

    植村直己の冒険の原点となった青春時代から、五大陸最高峰の登頂、アラスカの人々との交流、そして南極横断の夢までを語った作品でした……過去に読んだ作品の総集編的な感じでしたね、、、

    相変わらずですが、素朴で率直な文章に好感が持てましたね……冒険心やエゴイズムに正直に向き合い、自然や現地の人々とのふれあいを大切にするという生き方や考え方に共感でき、人間としての植村直己の魅力を感じることのできる一冊でしたね。

  • 植村直己冒険館へ一度行ってみたい。直己が残した数々の冒険の軌跡を見たいから。
    でも館のある彼の故郷、兵庫県城崎郡日高町(合併により現在は豊岡市)へは、なかなか行く機会がない。ならば、“満腹感”には遠くても、この本を読むことにした。
    常人の限界を超えた彼の足跡は、冒険館で得られるだろう。だから私はこの本からは、冒険譚よりも彼の人生を通じた心の動きを得たいと思った。

    おそらく直己は、何百回何千回と人からこう聞かれたと思う。「なんでそんな危険なことをしようとするのか?」「こわくないのか?」―
    彼はこう書く。「なぜこうしたことを、一人でやるのか、私にはわからない…ただ無性にやりたい、それだけだ。」「理由もなく、ただこの時にやりたい、と思ったことをやる。懸命に心を打ちこむと、その中からまたやりたいものが生まれる。」そして「他人のやっていないなにかを自分で築いてみたい」につながる。

    でも私が面白いと思ったのは、冒険自体より、冒険の準備や資金集めなどで見られる“直己らしさ”だ。今でこそ私たちは「爆笑エピソード」として読めるけど、本人は真剣だから余計笑える(失礼)。

    南極大陸横断の距離感を実感するため、思いつきで稚内から鹿児島まで徒歩旅行を実行。でもあまりの小汚い格好に、警察官に不審者として連行されてしまう。
    また、極地探検の資金を得るため、一回だけ会ったことのある巨人軍の王貞治選手に後援会入会を頼んだらと人に言われ、「いきなり電話したら失礼にあたらないか」とか何日も思い悩んだ末に恐る恐る電話したら、王さんから快諾をもらえたけど、そのとき何度も電話に向かって頭を下げていたよって横から言われる。

    大胆さと繊細さ、強さと弱さ、慎重を期すことと瞬時の判断。相反する特質を自分の中で上手に併せ持ち多くの偉業に繋げたこの人に国民栄誉賞を与えたのは、正しい。
    (2011/11/5)

  • 植村直己『青春を山に賭けて』『極北に駆ける』『冒険』。冒険とは、帰ってきて初めて達成されると著者はいう。マッキンリーにて消息を断って26年。彼のことを知らない人も多い。だからこそ、その文章から発せられるエネルギーを知りたくなる。特に、『青春を山に賭けて』『極北に駆ける』での生きる姿。この文章と関わった時に受ける感情は、とても力強い。彼が初めて山に登ったのは山岳部での訓練のこと。卒業して僅かの間に、日本を飛び出し、各大陸の最高峰を制覇していく行動力には圧倒させられる。その中でも、私は各地で現地の社会に飛び込み、住人となろうとする、その姿に最も心を打たれ、恥ずかしくなったのだ。

全3件中 1 - 3件を表示

植村直己の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×