シェア神話の崩壊 (小学館文庫 Y ま- 2-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094161915

作品紹介・あらすじ

没個性のものまね製品作りにあけくれ、シェアを獲得することだけに全精力を注いできた日本のエクセレントカンパニー。乗用車をめぐるトヨタと日産、ビールをめぐるアサヒビール、キリン、サントリー、家電最大手の松下電器など、「シェア至上主義」に踊らされた企業の「愚」と、「脱シェア主義」への挑戦を描く。

感想・レビュー・書評

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  • この本は、疑問に思っていたことに、かなり的確に答えている。
    「企業の目標とすべきことはなにか?」
    という大きなテーマに対して、充分な切り込みがしてある。

    <ビールと自動車>について
    キリンビ-ルのシェアーが、60%近くあったものが、
    スーパードライが出ることによって、
    40%になった。そして、スーパードライの快進撃。

    「スーパードライ」神話を作り上げた。
    アサヒビールは、代々住友銀行の出向者によって、経営されていた。
    ところが、樋口廣太郎の出現によって、大きな展開が行われた。

    「キレ」のある酵母
    それにむけての強力な宣伝
    ビールは、同じという状況の中で、頭が抜け出した。

    発泡酒
    サントリー 1994年10月発売 ホップス 麦芽比率 65%
    サッポロ  1995年      ドラフティ
    キリン   1998年 2月   キリン 淡麗<生>

    225円のレギュラー缶 34.5% 税金 77.7円
    ホップス  税金 53.4円 希望価格 180円
    ドラフティ 税金 29円        160円

    80年代前半 9%台 アサヒビール
    86年3月 樋口廣太郎 社長に就任
    87年 9.6%
    88年 8.8% スーパードライ発表
    96年年間  29.5% アサヒ  45.2% キリン

    問題は、アサヒビールの過剰投資。
    97年6月時点で、有利子負債 5600億円。
    ビール事業が、これまでの成長が見込めなくなったときにおこる問題。減価償却 220億円。

    サントリーは、なぜバドワイザーと提携をやめたのか?
    バドワイザーが、独立して、経営したいとした。
    サントリーは、50:50としたがったが、
    キリンは、90:10で受諾した。

    自動車 
    トヨタは、50%のシェアーを目標にする。
    「シェア40%死守」
    それを「日産」が追いかける。
    トヨタのバーゲンセール。
    自社の新車を自社で登録し、それを中古車市場に流す。
    「値下げ販売」

    日産 座間工場の閉鎖
    「高効率職場の構築を目指す戦略的プロジェクトチーム」
    リボルーションから、リフォームへ

    松下電器「経営構造革新プラン」;脱シェアー至上主義の挫折。
    「製品の独自性よりも業界1の販売力を
    武器にひたすらシェアを拡大する。
    製造コストを引き下げることで
    コストダウンを進め、
    それをテコにさらにシェアをのばす。」

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著者プロフィール

前屋 毅(まえや・つよし)フリージャーナリスト。1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。『週刊ポスト』記者として主に企業取材を担当。その後、フリーに。教育問題と経済問題を主なテーマにしている。

「2021年 『教師をやめる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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