- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094522105
作品紹介・あらすじ
超ド貧乏な新人女優ロッテシアにチャンス到来!大人気作家ノンノの舞台で役が付いたのだ。張り切るロッテは、役作りのため作品の舞台となる悪の伝説が残る地を訪れる。が、そこで吸血一族の青年サーディの生け贅となってしまい!?ところがサーディは血が超苦手なうえ、なぜか一緒に王都を目指すことに。無意識に甘い言葉をささやいてくるサーディに、ロッテの心は乱れて…。肉食系新人女優と天然系吸血鬼のラブロマン。
感想・レビュー・書評
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主人公の相手の、挿絵と内容の感じが違ってイマイチでした。
ストーリー自体も、読み終わった時に思う事は「ナイな」と「女優・俳優になるのって簡単だな」です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語のアイデアはなかなか面白かったです。
でも、少し、ん?と思う出来事があったりしました。もう一度読むほどではないことと、絵が少し残念だったので★3つ。 -
“「ロッテさんは何の役ですの?」
エリーゼは無邪気な仕草で首を傾げた。とっさに答えられずにいるロッテシアを、優越感を隠し切れない瞳で見つめる。
「……死体、よ」
それを言うのにはずいぶん力が要った。でも言わないでいるのは負けを認めるようで嫌だった。
「死体?」
エリーゼはたちまち痛ましげな表情になったが、その前に一瞬だけ笑みが宿ったのを、ロッテシアの目は見逃していない。ナイフとフォークを握り締めた手がぎりぎりと痛む。
「なんだか悪いことを訊いてしまったみたいでごめんなさい。ロッテさんなら、てっきりちゃんとした役が付いているものとばかり……」
「死体だってちゃんとした役よ」
「まあ、そんなふうに思えるなんて役者の鑑ですわね。わたくしだったら泣いてしまいますわ。でもそうですわよね、死体役だって誰かがやらなくてはいけないんですもの。誰もがヒロインになれるわけではないのだから」
「そうね、さすがにヒロイン役には実力が必要だと思うわ。ヒロインの侍女役くらいまでなら、それ以外の理由で手に入るかもしれないけど。ああ、でも逆に、死体役ってのが絶対できない人もいるかもね。目立ちたがりで、自慢や厭味を口にしないと気がすまなくて、いざとなったらすぐ泣く人とか。そんなうるさい死体ってないもの」”[P.86]
夢に真っ直ぐなロッテシアが良いなぁ。
“「ロッテ殿」
呼ばれて振り返ると、目の前にいきなり花が咲いた。視界が愛らしい薄紅色に包まれ、仄かな甘い香りが漂う。ロッテシアの顔よりも小さい。冬薔薇の花束だ。
「おめでとうございます」
それを差し出したサーディは、少し恥ずかしそうに微笑んだ。この大きさが彼の買える精一杯だったのだろう。彼はダンサーの勉強をしつつパン屋で働き始めたものの、その収入はまだけっして多くない。
「死体役に花束なんて大袈裟よ……」
ロッテシアは素っ気なく言ったつもりだったが、その声は自分でもわかるほど震えていた。語尾がふにゃふにゃと潤み、体に渦巻く熱が瞼に集まってくる。
「誰も観てない役なのに」
ごまかすように言い足すと、サーディはふわりと微笑んだ。
「私は観ていましたよ」”[P.238] -
ちょいにたにたしながらも、物語の面白さも楽しみましたし、ロッテの心の中身も。
吸血鬼×人間、いいですよね。萌えます。 -
イラストに惹かれて購入しました。
この作者さんの「聖グリセルダ学院」シリーズも読んでいたし。
大女優を目指すロッテシアは、役作りのために作品の舞台となった町へ行ったのだけれど、そこで出会った青年(犬属性)に懐かれてしまって――。
って感じですかねー。
まあ、サーディ(犬属性青年)がロッテシアに懐いたのは、彼女のしたたかな打算の副産物ですが。
ヒロイン役をつかむために、自分は吸血鬼だと思い込んでいるサーディを観察するため、一緒に行動するようになるのです。
おもしろかったです。
ロッテシアのしたたかさや、でも心底では優しくて思いやりがあって。
なんだか憎めない子でした。
サーディもかっこよくて(*´∀`)
この二人はお似合いのカップルですね。
読み切りとのことですが、あと1冊くらいは読みたいなあ、と思いました。
タイトルはサーディのことを指しているのかな? と思っていたのですが、ラストで「なるほど」となりました。
聖グリセルダ学院シリーズのキャラも出てきて、ずっとニヤニヤしっぱなしの1冊でした。 -
前作のキャラも登場しているということで、そちらも読みたくなりました。 夢に一生懸命なロッテがとても可愛かったです。