- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096220092
作品紹介・あらすじ
関ケ原戦から泰平の元禄にいたる100年間、幕府の支配の方法はどんなだったか、そして公家と武家の関係や対外関係は?きびしい身分制社会のなかで、人びとの暮らしの実際を、民間の視座から活写する。
感想・レビュー・書評
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大系日本の歴史.
江戸時代は、「天下一統」「士農工商の世」「江戸と大坂」「近代の予兆」「開国と維新」で、構成されているようだ.
17世紀を記述.
1600年代のほぼ100年が、本巻.
著者単独記載で、本巻は思想史、民衆思想を専門にされる著者の執筆.それだけに構造的、概念規定がちりばめられた、読むに<歯ごたい>を感ずる.
「琉球王国」
精緻.しかしそれだけに、ここまで精密かと、感心する記載が視線をうばう.
「(近世日本の国際関係)国家あるいはその国の商人と交流する異国」と「幕藩体制の力が大きくその地の政治経済を規制している異域」(248p)との二つの関係、と指摘.
「アイヌ諸部族の決起=シャクシャインの戦い」
「(和人とアイヌ社会は)『異民族』間の交易関係から、いわば華夷の宗属関係への変化」(261p)
「(戦い終焉)『民族国家』への可能性はここで倒れ、(略)アイヌは、文化的一体性を保持する非支配階級部族として存続することになる」(263p).
「民間社会のゆくえ」
いわば「むすび」の4ページである(346p~).歴史理論に相当する領域で、封建制の段階、
「プリモダン(前近代)」と「アーリー問題(早期近代)」などなど.
専門家でも、なかなか難解.むすびは、「偃武・海禁環境のもとでの日本型民間社会」と江戸幕府建設期とでもいうべき、百年としているようで、あるが.
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