- Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096580097
作品紹介・あらすじ
最も信頼できる本文(原文・訓み下し文)、注、訳が見開きページ。二色刷
「言霊(ことだま)ってなあに?」 突然、娘に聞かれて弱ったという声を耳にしました。事の起こりは、サザン・オールスターズのヒット曲「愛の言霊」にあるようです。そこで一言。 『大辞泉』には、古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を現わす力があるとされた。と解説され、次に「ことだまのさきわうくに」つまり「言葉の霊力が幸福をもたらす国。日本のこと」の用例が引かれます。これが『万葉集』巻五、894番の、あの貧窮問答歌で名高い山上憶良の長歌なのです。本全集本より引けば、 神代(かみよ)より 言ひ伝(つ)て来(く)らく そらみつ 大和(やまと)の国は 皇神(すめかみ)の 厳(いつ く)しき国 言霊(ことだま)の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり…… (神代以来 言い伝えられたことですが そらみつ大和の国は 国つ神の威徳のいかめしい国 言霊の 助ける国だと 語り継ぎ 言い継いできました……) そう言えば、中島みゆきも、札幌の藤女子大では『万葉集』を勉強したとか。時代の先端に大和言葉が突然、復活するのは、やはり言葉の生命力のなせるワザでしょうか。 新発見の成果も取り入れ今日、最も信頼できる本文を提供することができました。
感想・レビュー・書評
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紅に染めてし衣雨降りて
にほひはすともうつろはめやも (巻十六の3877)
にほふ→赤系統の色が映える、とあります。
雨に濡れて色濃くはなっても、色褪せることはない。
男女の愛情を匂わした、といってしまえばそれまでですが、
『万葉集』は、このさきなにがあったって、きっと生きながらえる。
そういう暗示だととらえると意味はひろがり、いったい色褪せない
ものとはなんなのか、考えてみたくなります。。