新編日本古典文学全集 (59) 謡曲集 (2)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096580592

作品紹介・あらすじ

謡曲81作品に、頭注、現代語訳、能舞台の演出などを施した名作選。

能の一般的な分けかた、脇能(わきのう)、修羅物(しゅらもの)、鬘物(かずらもの)、四番目物(よばんめもの)、切能(きりのう)の五分類法は、シテ(主役)の性格からそれぞれ「神(しん)・男(なん)・女(にょ)・狂(きょう)・鬼(き)」とも言われ、本書には、四番目物(狂)26曲と切能(鬼)15曲が収録されています。 この四番目物は、“狂”と言っても、物狂(ものぐるい)の能ばかりではなく、他の四類には入れにくい曲を集めた観があり、言い換えれば、もっともバラエティのある作品が楽しめる章です。本書の収録作品では、「百万」「隅田川」「班女(はんじょ)」など、子どもや恋人を失って物狂に陥る狂女物をはじめ、「通小町(かよいこまち)」「錦木(にしきぎ)」などの恋の執心物、「砧」「綾鼓(あやのつづみ)」などの怨霊物(おんりょうもの)、「盛久」「景清」「俊寛」「安宅(あたか)」など『平家物語』や『義経記』に材をとった観音利生譚や冒険譚などです。別名“鬼”物の、切能の章では、「紅葉狩(もみじがり)」「黒塚(安達原)(あだちがはら)」の鬼、「鞍馬天狗」「善界(ぜがい)」の天狗(てんぐ)、「国栖(くず)」の神、「鵺(ぬえ)」の妖怪(ようかい)、「猩々(しょうじょう)」に登場する酒好きの妖精など、かつて造形され、愛好された超自然の生き物が、テンポの速い舞とともに活躍します。 本書は、「謡曲集(1)」に引き続き、謡本(うたいぼん)を底本に、頭注、現代語訳を付した3段組の編集で、能舞台上の演出も加えた、総合的な能の手引き書です。

感想・レビュー・書評

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  • 道成寺で行われている縁起絵巻による説法を踏まえて観世小次郎信光が創作した能楽「道成寺」は、驚くことに安珍清姫譚ではありません。この物語を踏まえた後日譚です。非凡なインスピレーションはのちの歌舞伎「京鹿子娘道成寺」を生み出すのです。民間伝承からの華麗なメタモルフォーゼです。

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