- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096823781
作品紹介・あらすじ
しりあがり寿が北斎の浮世絵を大胆アレンジ 世の中の不条理や不合理をゆるいタッチで描き出す、漫画家でありアーティストのしりあがり寿が、浮世絵師・葛飾北斎の作品を独自に解釈したパロディ作品集。「冨嶽三十六景」の《凱風快晴》《神奈川沖浪裏》をはじめとする北斎の傑作に大胆なアレンジを加えた、いたずら心あふれる作品を約80点掲載。すみだ北斎美術館(東京都墨田区)で好評を博した「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」展および「しりあがりサン北斎サン」展の出品作を1冊にまとめる。「冨嶽三十六景」「諸国瀧廻り」『北斎漫画』など、もとになった北斎作品も並べて掲載し、北斎の幅広い画業にも触れる。日英バイリンガル仕様。 【編集担当からのおすすめ情報】 美術作品集にしては小ぶりなサイズで、絵に添えることばもにぎやかにデザインしました。漫画の単行本のように、気軽に手に取って楽しめる構成です。
感想・レビュー・書評
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面白いです!
北斎の絵と対比させて、現代を交えた浮世絵風パロディ絵がたくさんあり、「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」はとにかく発想がおもしろいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
しばらく前に「ドラえもん展」に行ったら、しりあがり寿が作ったドラえもんの映像が流れていた。
これがあまりに可笑しくて声を出して笑ってしまい、抑えようとすればするほど笑いが止まらなくなり、たいへん恥ずかしい思いをしたことがある。
それ以来、とにかくしりあがり寿がツボである。
本書はしりあがり寿による北斎版画のパロディで、副題に「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」とあるが、「ちょっと」どころではない。
試みに、よし、もう笑わないぞ、と身構えてページをめくるのだが、まったく予想がつかないのでまんまと噴き出してしまう。
例えばあの「富嶽三十六景」の「尾州不二見原」の樽がメビウスの輪になり、さらには花丸になろうとはどうして予測できるだろうか。
それはまだいい。
最後に、出た。
「北斎の旅」というアニメーションのコマが掲載されている章があった。
それをひとつずつ見ていくにつれ、激しい笑いの発作がくるとともに、それ以上に安堵感が胸に広がっていくのだった。
もしこの映像を北斎展とかで見せられていたら、「ドラえもん展」の二の舞を間違いなく踏んでいただろう。これはもうたまらない。ほんとに映像じゃなくて良かった。ホッとした。 -
面白かったーっ、想像力豊かになるー。
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(2023/4/17読了)
いや〜面白かった。特に第4章のアニメーション。動いてるのを見てみたい。
この本を知ったのは、益田ミリさんの著書「東京あたふた族」内で益田ミリさんがしりあがりさんの「裸のオジサンと青い猫が威嚇し合ってる絵を飾ってる(10,000円)」と書いてあって、その面白い名前の方はどんな感じの絵を描くのか気になったから。
なぜ"ほぼ"三十六景なのかというと、実際は48点もある。なんかいい加減だ北斎。っていうか人間味を感じるなぁ。かつて思いもしなかった親近感。アニメーションのキラキラお目目になっちゃった北斎を見たからかも。 -
『#しりあがり×北斎』
ほぼ日書評 Day655
芸術作品、特にパロディものに、何か「意味」を求めるなんてことは愚の骨頂なわけだが、本作はそうした中でも秀逸な"So What?"本である。
合理的な解釈としては、イラストレーターであるしりあがり寿さんが、北斎の『富嶽三十六景』等を素材に「世の中の不条理や不合理を描き出」(密林書評より)しているのだそうだが、もっと純粋に笑えばいいと思う。
ちなみに、笑いは見た瞬間に爆笑から、クスっとくるやつ、ん?でジワーとか、かなりバリエーションに富むので、2人以上で感性の比較をするのにも良いかも。
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ネットで断片的に見てみたものの、展覧会はコロナかということもあり、2回に渡る機会を逃していた。 ようやく全体が書籍化され嬉しい限り。細部がまた面白いのでかなりの度数の老眼鏡が必要になるが、サイズ感も寝転びながら読むことができるギリギリの心配りがある。一家に一冊あって全然おかしくない。