キレる!: 脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」 (小学館新書 な 17-2)

著者 :
  • 小学館
3.36
  • (20)
  • (69)
  • (94)
  • (18)
  • (8)
本棚登録 : 924
感想 : 98
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253418

作品紹介・あらすじ

”キレる人・キレる自分”に振り回されない

本書では、“キレる”という感情について、「なくすべきもの」とネガティブに捉えず、脳科学的に分析しながら具体的な対処法・活用法を考察していきます。ここ最近、高速道路での悪質なあおり運転(ロードレイジ)、児童虐待、モンスターペアレント等、怒りを抑えきれずに社会的な事件につながるケースが数多く起こっています。
そこで、「“キレる”という感情は、人間にはそもそも備わっているもの」という視点に立ちつつ、怒りの正体を科学的に分析しながら、“キレる人”や“キレる自分”に振り回されずに怒りの感情を活用して、上手に生きていく方法を探っていきます。

【編集担当からのおすすめ情報】
人間誰しも「キレ」ます。そんな時のために、自分や周囲と上手に対応する術(すべ)を心得ておくと、人生楽し!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中野信子さんの本9冊目になりました。
    脳がどうなっているという話は、いつも
    とても面白いです。

    さて、この本に関して、自分の重要ポイントを
    3つに絞りました。

    まず、現代社会においてキレずに我慢している人は
    ”いいカモ”になるかもしれない。
    ”良い人”ではないんです!
    ちゃんと勉強して対策をたてましょう。
    (この本を読んで)

    次に、「普段はおとなしいのに、突然攻撃的になる人」というケース。
    まさに私。
    〈これは、前述した京都大学の高橋先生の研究で明らかになったように、セロトニントランスポーターが中脳の一部で少ないという人の特徴で、この人たちは理不尽な扱いや自分が不当な条件で何かされていると認知すると、自分がコストをかけてでも、相手に攻撃を仕掛けようとします。
    自分が損をするとわかっていても、相手に殴りかかってしまいます。殴りかかるまではしないまでも、暴言を吐いたりします。
    この人たちは普通にキレるのではなく、自分の何かを犠牲にしてでも、相手を痛い目に合わせたいと思っているので、攻撃が相当激しくなります。
    いわゆる“倍返し”が起こる可能性があります。
    怒らせると怖いタイプの人です。〉

    どうだ、まいったか。

    さて、最後のひとつは、「最近キレやすくなったと感じる人」
    それは、自分の思いこみなのかもしれません。

    〈穏やかでありたい、人に対して優しい人でありたいという理想像がある人ならなおさら、自分が誰かに対してキレてしまったときには、ひどく落ち込んでしまって、何日もその出来事を引きずることもあるでしょう。
    相手に感じた怒りが自分には後悔として返ってくるので、自己肯定感が低くなり、さらにイライラすることになります。
    しかし、自分はキレやすくなったという自覚があっても、周囲の人はそう感じていないこともあります。
    なぜなら、穏やかな人でいたいと思っている人ほど、キレたときの記憶が強く残ってしまうため、キレたことばかり覚えている状態になっているからです。キレているときに自分が嫌だという気持ちがあると、ちょっとキレただけで「自分はキレやすいんだ」と思ってしまうのです。
    また、誰かに「怒りっぽくなった」と言われたことを気にしすぎているのかもしれません。ブログで、自分に対するコメントが100個届いたとしましょう。そのうち99個が自分をほめるような内容だったとしても、一つのネガティヴコメントがあれば、それは99個と同じくらいに大きく感じてしまい、落ち込んでしまう人がいます。
    それくらい自分にとって、自分に対する評価に「キレやすい」というイメージがつくことを嫌っている人なのではないでしょうか。でも実際には、自分が思っているよりもずっと穏やかな状態のほうが長くて、キレた回数がそれほど多くないものです。〉

    とても良いお話でした。
    元気になれそう。

  • キレちゃダメ!という本かと思ったら、「うまく切れましょう!」という本でした(笑)
    たしかに、我慢するだけではうまくいかないこともありますよねー。
    この本を読んで、「上手に切れましょう!」
    ぜひ読んでみてください。

  • 〝キレる!〟という感情は、老若男女を問わず誰にでも湧きおこるものであり、〝よいキレ方〟と〝悪いキレ方〟あるいは〝損するキレ方〟と〝得するキレ方〟の正体を解明し、〝キレる人〟や〝キレる自分〟に振り回されず、怒りの感情を活用して、上手に生きていく方法を探った脳科学者からの提案書です。闘うホルモン「ノルアドレナリン」、思春期分泌ホルモン「テストロン」、愛情ホルモン「オキシトシン」、安心ホルモン「セロトニン」など、脳内の神経性伝達物質の分泌量によって感情の起伏が左右されるミクロな世界への招待状です。

  • 本書は、脳科学者から見た「キレる」。
    「誰も傷つけないキレ方は大きな武器」

    「キレる人」「キレる自分」に振り回されずに、上手に「キレる」を運用していく方法を探っていく。具体的な対処法も示してくれている。

    第一章 損するキレ方、得するキレ方
    第二章 キレる人の脳で起こっていること
    第三章 キレる人との付き合い方
    第四章 キレる自分との付き合い方
    第五章 戦略的にキレる「言葉の運用術」

    自分が特に参考になったのは第五章。

    「日本語の運用力」

    従来の学校教育の国語では、会話術、不快な思いをしたときの言い返し方、などは、ほとんど学習の機会はなかったと思う。ほとんどの人は独学するしかないのでは…?独学できる人はいいけど、そうでない人は我慢して我慢しきれなくなって、自分を責めて、病気になったり、自死を選んだりする。

    そうなる前に、本書などよい考えに出合って、自分をいたわって、対策方法を探っていって、『他人から『理不尽』に怒られること』に対処していけるといいな~と、願っています。『過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる!』亡き母の口癖で、若い頃はよく分からなかったけど、歳を重ねた今、『それな!』と自分へのエールにしています。人はみな『孤独』かもしれないけど、『孤立』しないで、味方を見つけて、ぼちぼち生きていきましょう。

  •  すぐキレる人がなぜキレるのかを知りたくて読んだ。ドーパミンによる正義の制裁、納得。私自身は身内に厳しくなりがちなので、今後イラッとした時はオキシトシンに支配されているな〜と、自分を俯瞰して見るようにしたい。
     私はグッと我慢して堪えることをあまりしないので、正しくキレられているのかな。
     結構キレるメカニズム系の本を読んだので、もうこのジャンルの本はいいかな。

  • 自分も結構気性が荒いタイプだし、怒ったりすることもある。流石に人を殴ったり罵声を浴びさせたりすることはほとんどないけど。

    ただ、脳科学の話と日常のエピソードを交えながら、キレる人との付き合い方や自分をコントロールするための知識を学べる本でした。

    一つ大事なのは、キレることが完全な悪ではないし、今まで気にしすぎていたのかなと思った。何事もバランスだと思うので、最終的には落ち着いた人間になりたいです。

  •  論破というと目的は誰か「人」というイメージでしたが、それは日本独自で、海外は議論の対象物が目的になるという文言に納得。確かに相手を黙らせるのが目的ではなく、自分の意見を通すことが目的で、当たり前のようで目から鱗でした。言い負かせたからと言って勝ちにならない。
    上手にキレたいものです。

  • 分かりやすい!ブラック脳科学として参考になりました。キレる自分に対しての日々の生活で気を付けることや日本人の特性、相手の言葉にに対すて、ん?と思ったときに切り返し方を学べた。結局は、伝え方が大切だと思う。キレる伝え方も一つのコミュニケーションツールだと分かり、言葉の選択肢の幅を広げられた!

  • おとなしい人に「時には切れた方がいいよ」という本だと思ってよみはじめたら、切れやすい人へのアドバイスも多くて楽しんで聞いた。
    脳科学者らしく、参考になる内容がおおかった
    ■老化により脳は萎縮するのは前頭葉と海馬が小さくなっていくから。 前頭葉と海馬の細胞は老化しても新しくできるのではあるがその後使わないのでどんどん消滅していく。
    ■脳を老化させないためには肉やアーモンドを食べると良い、新しい人と会うのも良い、一人で脳トレパズルをするのも良いが仲の良い新しい人と出会ってゲームをする方が良い。
    ■自分の切れるポイントを記録しておく、自分を過小評価された時に切れるのか・・・そしてそれを記録しておくことにより自分の切れるポイントを把握して対処する。
    ■脳のオキシトシンの分泌を増やすために良い触覚が必要、肌触りの良い肌着を赤ちゃんに着せるとオキシトシンが分泌され安定した子供に育つ。
    ■音楽を CD ではなくライブで聴くのも良い、ライブでは CD には無い広い音域があるその音域を聞くことでオキシトシンが分泌され安定化する。
    ■多くの人はまるまるぐらいやってよという言葉に反応するが、一呼吸おいてコーヒーはどう疲れてるんじゃないかと対応するのが良い。
    ■あんた頭が悪いんじゃないのという問いに「今悪いのは頭じゃなくて足腰だと思う」と回答するのは?
    ■カウンセラーはどうして先生はそんなことを聞いてくるんですかと聞かれたらあー「そういうことを聞きたい気分なんですよ」と答える、言葉尻を捉えるのではなく
    ■どうして全然やってくれないのと言われた時、全然という言葉に反応して「そんなことはない、これもやっているあれもやっている」と答えがち。しかしそれではなく「全然やってないって言うほどいま自分のことに頑張ってるんだね」と回答してあげる。
    ■パラノイアは妄想知的障害で全員が私のことを勧めてくると考えざる。
    ■自分が努力をしていることを相手に伝えると相手は妬みから憧れに変わることがある。
    ■怒りっぽくなくす効果あるのは、セロトニンを分泌するタンパク質肉アーモンドを食べ日光を浴びゆっくりと湯船に浸かる。
    ■「don ' t be Nice。いい人 になるな」
    ■日本で論破するという時の目的語は人になる。フランスでは「テーマである何々のについて論破する」という使い方をする。日本の国会中継で論破すると言うが結局は途中から人格や政党についてゴチャゴチャといってやっつけるのが目的。それでは議論ではないのでは・・

    と筆者はいう。私もそう思う。

  • 読了!
    得するキレ方損するキレ方、私は得する方になりたい。
    本書では、様々な実例をもとにし、キレられた時の対処法や、うまくキレる方法が沢山載ってるのでとても分かりやすい。
    実際の現場で活かせそう。
    キレる時に脳はどうなってるのかも分かり、それに伴い、食べた方がいいものなどもわかるので実践していきたい。
    これは買いだ。
    他の中野信子さんの本も読んでみたい。れとても読みやすかった。

全98件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野信子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×