アクティブ・ラーニング時代の教師像: 「さきがけ」と「しんがり」の教育論 (教育単行本)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098401673

作品紹介・あらすじ

AL時代に消える教師・残る教師

2020年以降に到来する「アクティブ・ラーニング時代」には、教育現場の想像を超えた大激震が予想されます。子どもや保護者のニーズの変化の中で、今後、求められていく教師像とは、どのようなものなのでしょうか。
教育現場の実践者として、一瞬も目が離せない発信を続けてきた著者二人が、今、もっとも旬なテーマを巡り、往復書簡形式で、火花を散らすような激しいやり取りを展開します。
「今後の教育界に必要なのは、フォロワーシップを発揮し、脱落しそうな子がいないかと後方から目配りできる『しんがり』型教師だ」」という主張を軸に、第一章「学級経営論」、第二章「授業論」、第三章「教師の力量形成論」という構成でお届けします。
最終章には、刺激的でライブ感に満ちた、著者二人による180分直接対談も収録。来る大学入試改革、次期学習指導要領に向けて、すべての教育関係者が読んでおくべき一冊です。


【編集担当からのおすすめ情報】
2020年の大学入試改革、それに続く次期学習指導要領全面実施後には、従来のやり方では、教育を十分に機能させることはできない――。
著者たちはそう主張します。きたる変革に向けて危機感をお持ちの方はもちろん、「いや、大切な不易はこれからも変わらない!」とお感じの方も、できるだけ早い時期に、ぜひ手に取ってお読みください。

感想・レビュー・書評

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  • 教師像について、2人で往復書簡を出す形となっている。
    大変示唆深い。

  • 堀先生と金先生、2人が往復書簡を通してそれぞれの教育観や悩みなどを話し合う。とても魅力的でもあり憧れもあり、勉強にもなった。

    本書の中では魁(さきがけ)と殿(しんがり)の2種類の教師や指導法について主に語られている。

    そのなかで自分はどちらであるべきかと言うといからどっちかに偏っては行けない。という考えにたどり着く。そういった自身の考えの揺れや見つけ出される問いの重要性がとても自信に刻まれた。

  • これからの教育の在り方を対談の中で考えさせられる本です。不変的な部分を理解しながらも、変化しなければならない部分について書かれています。
    伴走型の教師の在り方が提示されたのには、AIや情報化ひより自分で考えて行動する機会が少なくなってきたことからである。伴走型では「どうしてそう思ったのか」

  • 堀先生と金先生の往復書簡。
    金先生がどんどん揺れていく、その様子がよくわかる。
    そして、堀先生の若手育成の流れがちらっと見えた。


    購入して所有している。

  • 先輩が薦めていたので買ってみた。
    今までに読んできた教育関係の本って、実践例を挙げたものや型を説明したものばかりだったんだけど、これは精神の在り方みたいなことについて議論をしている。
    読んでいるとどうしても自分の現在の立ち位置などと比較してしまい、しんどいところがあった。
    でも読んで良かった

  • G@@さん

  •  大阪市の小学校教諭・金大竜が、札幌市の中学校国語科教諭・堀裕嗣に指導を仰ぐように始まる34信の往復書簡、教育現場で多くの実践と結果を残している二人のカリスマ教師の「魂の対話」を通して教師としての在り方、教育の本質の深淵へと迫る教育書。全四章から成り、第三章までは往復書簡形式をとり、第四章のみ二人の対談形式となっている。

     私は二人のやり取りを「魂の対話」と前述した。本書の帯にも「魂の往復書簡」と書かれている。そう、これはまさしく多忙と多様を極める日本の教育現場で今まさに活躍している二人の教師の「魂のぶつかり合い」なのである。相手を攻撃したり負かそうとしたりすることだけが「ぶつかり合い」ではない。嫌われることを厭わず感じたままの意見をぶつける、自己の稚拙さや弱さをさらけ出しながら前を見据え続ける、自分がどう思われようが、どんなに傷つこうが関係なく、彼らはある共通の命題のために純粋に自己をぶつけ合う。「良い教育とは何か」「良い教師とは何か」。それが彼らの命題である。
     
     教室の中心となり生徒を先導し引っ張っていく「魁タイプ」の教師か、教室の主役は生徒で全体を見守りながら成長できる環境を整えていく「殿タイプ」の教師か。全ての教師はこの両方の要素を合わせて持ち、重要なのはどちらの要素が強いかということであるらしい。後輩にあたる大竜が「殿」的教師に憧れ、先輩の堀に答えを求めようとする。しかし堀は答えは教えないし、教えることはできない。対話を通して二人は本質へと近づいていく。
     おそらくその過程が、二人が本書で最も伝えたかった「教育の在り方」なのではないだろうか。世の中のほぼすべての物事に「正解」などない。よって学校教育が「正解」を探す姿勢を身につけさせる教育をしてはいけないのだ。人生を賭けて追究し続けるに値する「問い」を持ち、他者との対話を通して自分の世界を広げていく姿勢を養わせる。それが重要なことなのであり、それを本書は二人の往復書簡という対話で体現している。
     
     日本にはこれ程優秀で熱意があり、子どもに対して、教育に対して誠実であろうとする教師がいるという事実が、私には小さくも強い強い光に感じられた。教育現場で奮闘する全ての教師の必読書。絶望する暇があるなら、現状を嘆く時間があるなら、学べ学べ。

  • 押し付けるのではなくて…と言いつつ、それで良いのか⁉︎と迫る強さは、違うことを認めさせる押し付けに読めてしまい、ずっと違和感があった。まぁ、相手を見て強さを決めてるんだろうから、他の本での文調を見るまで、苦手判定は保留しておく。

  • アクティブラーニングの実用本と思って手にすると、良い意味で裏切られます。
    「魁と殿」をキーワードにした往復書簡。
    内容は深い。

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著者プロフィール

1980年生まれ。大阪市小学校教員。教育サークル「教育会」代表。「明日の教室」などをはじめ各地のセミナーで講師を務めるほか、教師向けの雑誌等での連載など、意欲的に教育についての考え方や実践方法などを広く伝え続けている。ブログ「日本一ハッピーな学校をつくろう」において、日々のクラスのできごとや実践を発信中。

「2018年 『ワクワクを生み出す!あたらしい教室のはじめかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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