国境のエミーリャ (1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

  • 小学館
4.04
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098500277

作品紹介・あらすじ

鉄道漫画の旗手・池田邦彦が挑む新境地!!

『カレチ』『甲組の徹』『グランドステーション』など、
数多くの鉄道漫画を生み出してきた池田邦彦が
新たに挑むのは「仮想戦後活劇」!

物語の舞台は、太平洋戦争末期に本土決戦を経て
「1946年1月」に敗戦を迎えた日本。
ソ連を含む各国軍によって分割占領された日本は、
やがて「日本民主共和国」と「日本国」として独立。
それぞれが東西陣営に属する国家となり、
列島には鉄のカーテンが降ろされることとなる。

両国の境界には強固な壁が建設され、
国境の街となった東京は東西に分断されてしまう。

1962年の東トウキョウ。
押上で暮らす19歳の杉浦エミーリャは
十月革命駅(旧上野駅)の人民食堂で働く女性。
その彼女が持つもうひとつの顔、
それは東から西へ人々を逃がす脱出請負人としての顔。
若くして危険な橋を渡る彼女を待つ未来は果たして!?

“可能性としての東京”を舞台に、
壁の街で自分の道を模索する人々の物語、ここに開幕。


【編集担当からのおすすめ情報】
鉄道を中心に、ディテール溢れる描写で
ファンを魅了してきた池田邦彦先生が挑むif戦後モノです。

物語のベースとなる「日本分割統治計画」は
実際に連合国によって立案されたもので、
日本の降伏が遅れて本土決戦に突入したのであれば
現実となったかもしれない計画であったそうです。
そんな「もしかしたら…」の日本に思いを馳せながら
読んでいただければと思います。

共産圏仕様のゴハチや、東独開発の乗用車・トラバント、
戦争の傷跡残る聖橋など東西トウキョウの街並み…
鉄道、自動車、ミリタリー、模型、諜報、共産圏文化、
街並み、廃墟、様々なジャンルを愛する人民の皆さまに
手に取っていただけること願っております。

ジョン・ル・カレやグレアム・グリーン、
ケン・フォレットにフレデリック・フォーサイスなどなど
往年のエスピオナージや冒険小説の名作を愛する
池田先生渾身の仮想戦後活劇です!

感想・レビュー・書評

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  • 1962年太平洋戦争敗戦によって東西に分断された東トウキョウで脱出請負人として生きる少女エミーリャの仮想戦後活劇。

    東西分断と言うと過去のドイツを彷彿させるが作中ではソ連の直接的支配が続いているという設定になっているので舞台は東京(東トウキョウ)ではあるが当時のソ連の雰囲気を意識したものになっている。
    主人公のエミーリャは19歳でありながら知恵、度胸、行動力を持った沈着冷静な文字通りの「プロ」として描かれているが良い。(これでその年齢に合わせた変に明るい性格設定だったら逆に興醒め)
    彼女(エミーリャ)が何故脱出請負人となるきっかけは第3話でその一端を知る事が出来るがどの様にしてなったのかは未だ分からないが、それは後の展開に期待。

    只ストーリー、設定等 自分の好みではあるのだが絵が作品の雰囲気に若干合わないかな?

    評価は絵の部分を差し引いて4で。

  • 第二次世界大戦の戦後処理で、もしも日本が領土を東西割譲されていたら、という架空歴史エンターテインメント活劇漫画。

    1962年、主人公の杉浦エミーリャは東側・ソ連統治下の東トウキョウ墨田区に暮らす女性。日中は人民食堂の給仕係として働いているが、その素顔は西側への「脱出請負人」。

    そもそもの舞台設定からしてもストーリーはハード目、困難な脱出ミッションを成功させる為のアクション有り、頭脳戦有りと読み応えは抜群。
    一方で、池田邦彦先生の柔らかい線による、ほのぼのさ・温かみを感じる画風とのギャップがエミーリャというキャラクターをピッタリ形作っており、これがまたとっても良い感じ。
    オビ袖コメントの通り「適度なお色気」も、本当に「適度」に盛り込まれていて、上記画風と相まって非常に少年誌らしい「適度」さ加減。

    第3話〈別れは西風とともに〉にてエミーリャが若くして請負人をやっている背景・理由が丁寧に描かれ、作品全体に渡る設定考証もしっかりとなされており、非常に地に足が付いた印象の安心して読める作品。
    軍事や歴史ファン以外にも薦められる作品かと。

    「昼食(обед)は売り切れ!」のアナウンスシーンがツボ。かわいい。こういうのは繰り返しの美学だと思うので、毎話やって欲しいな。


    第2話〈執念深い敵〉で保守作業により川の水位が下がったシーン、作業は一日がかりとされていた筈なのに作業開始後小一時間でタイミングよく水位が上がってきた箇所が気になったと言えば気になった。


    1刷
    2022.8.30

  • ゲッサンには読みたい漫画が隠れてるな…

  • 戦後、日本が東西分裂した世界を描いた漫画作品。ソ連時代の乗り物や、文化、習俗などの解説も織り込みながら劇的に展開するストーリーにいつもハラハラさせられる。

  • エミーリャみたいに芯の強い女性、好きです。
    漫画は画力だけでなくストーリーテリングだと思います。この作家も、諸星大二郎さんも、この話にはこの画でしかない!、と思わせるものがあるでしょう!?

  • 架空ものとして面白いのではないかと。

  • 1945年にポツダム宣言を承認せず、本土決戦の結果、米ソに分断統治された日本。そのソ連側の東東京が舞台。面白い。

  • 絶賛するわけではないのです。なにしろ、「絵」がねえ。でも、なんか気を引くところが微妙なんです。思わず読み終えて、次回を期待してしまいました。ちょっとブログに書きました。
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202003170000/

     

  • WW2の結果、日本が分断された世界線での、<向こう側>での物語。荒々しいタッチが、東側らしさをより増しているようで良い。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ。鉄道関係のライターとして長く活躍していたが一念発起し、漫画作品の投稿を始める。第54回ちばてつや賞一般部門で大賞を受賞し、43歳で漫画家デビューを果たした。代表作は『カレチ』(全5巻)、『甲組の徹』(全1巻/共に講談社)、連載中の『国境のエミーリャ』(小学館)他多数。

「2023年 『艦隊のシェフ(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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