- Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098613175
作品紹介・あらすじ
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。 【編集担当からのおすすめ情報】 累計200万部突破!第26回「手塚治虫文化賞マンガ大賞」受賞!他にも数々の賞を受賞(「マンガ大賞2021」第2位、「漫道コバヤシ漫画大賞2021」大賞、宝島社「このマンガがすごい!2022」オトコ編 第2位など)!第1集で岩明 均氏、第2集で高橋しん氏、第4集で最果タヒ氏、第7集で朝井リョウ氏に絶賛され、多くの著名人やメディアから紹介されている、超話題作の完結集です。
感想・レビュー・書評
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最終集である。手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞したとき、審査員はこの最終回を読んで投票したのだろうか?(スピリッツ20号は2020年4月13日発売、大賞発表4月25日)
21世紀の私が、45年前の高校生だった20世紀の私に問いたい。こんな作品が手塚治虫の名前を冠した大賞を獲ったんだけど、君は納得するかい?
「納得しないね。確かに手塚の火の鳥は、宇宙を舞台にした壮大な哲学作品なんだけど、その前に見事な大河エンターテイメント作品だった。なんだこれは?最後は問答ばっかり!しかも、(ネタバレだから曖昧に言うけど)彼らが命をかけて守ってきたものは絶対最後には花開くと思っていたのに、これじゃ開かないじゃないか!」
「その点はボクも驚いた。7集で、数巻かけて描いた異端審問官ノヴァクとその娘との対面をスルーされた時も驚いたけど、今回は絶対15世紀の「アレ」が16世紀のコペルニクスまで届くんだと思っていた。でないと、『話の整合性がつかない』と思ったんだ。でも多分おそらく届いていない。反対に言えば、「届かなくてもいいんだ」という事を全巻かけて描いたのかもしれない。君は知らないけど、こういう最終回てストーリーもエンタメも全て投げ出して終わらすというやり方は90年代の終わりにアニメ作家の庵野秀明がやって話題になったやり方で、仕方なくやったものだ。けれども今回は『確信犯的に』やっている。マンガ的反則かもしれない。でも、アニメ化されるらしい。庵野作品の時もそうだったけど、アニメ化の時にはエンタメ作品になっているかもしれないね」
「マンガ的反則とは思わないね」
教え諭すつもりだったのに過去の自分に反論された。戸惑いを隠せない。
「マンガは何でもあり。原則がないのが原則じゃないか。忘れちゃったの?なんか最終集で難しいこと、ゴチャゴチャ書いているけど、それを含めて面白ければいいんだよ。でも納得できないことを描いたら納得できないというのが僕の意見なんだ。最終集で、1集で颯爽と登場して見事に死んでいったラファウが二回出てくるよね。1度目は『幻覚』だから、十分理解できる。でも、2回目の『過去の回想』では、1集に全くない場面どころか、ストーリー的にも矛盾する展開になっていて、説明もなく終わってしまった。これは許せないよ」
「アルベルトの回想は、彼の生き方には意味があったけど、1集のラファウとどう整合性があったのか、私もわからない。でも『難しいことのゴチャゴチャ』は、途中行ったり来たりはあるけど、認識論哲学の基本課題を言っている気がする、気がするだけだけどね。現代の若者は、ともかく伏線回収を重要視する。マンガは世界をシンプルに解説するツールだと思っている節がある。それに対するアンチを唱えたのだとしたら、ボクは意味があると思う。でも昔はこんな作品は何十万も売れなかったし、アニメ化もされなかった。その分時代は変わっているのかもしれないね」
「なんだ、歳をとっても世界をなんも理解していないんだね」
「そうか、そうだよね。歳は取ったけどわかんないことだらけなんだよ。最初「疑うこと」「?を感じること」「歴史とは」について、稚拙ながら自説を展開しようと思ったけど、恥ずかしいからやめるよ。でも、少しだけ、いや他の多くのマンガに比べると大変面白かったのは確かだ。ちゃんと記憶すべきマンガということでは、手塚治虫文化賞マンガ大賞に相応しいのかもしれないね」 -
終わりました。
一巻のラファウのとても純粋な知的好奇心が美しかった。
何かしらの歴史的事実に結びつくんだろうなとは思っていた。
アルベルトというのが、コペルニクスの先生だったことは後で調べてわかりました
ラファウ先生は果たして?
別人?何らかの方法で生きてた?パラレルワールド的な? -
51冊目『チ。 ー地球の運動についてー 8』
(魚豊 著、2022年7月、小学館)
地と知と血の物語、ここに完結。
正直クライマックスは「?」という感じで、個人的に望んでいたものとは違った。最終巻だけ『エヴァンゲリオン』を読んでいる感じだった。
アルベルトの見た目がオクジーとそっくりなのは意図的なものなのか、それとも作者の画力不足が故なのか…?
何はともあれ、最後まで熱量を失わずに駆け抜けた、情熱に溢れる力作だったと思う。
「?」
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【あらすじ】
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。
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漫画ではなく、文章で集中して読みたい内容の作品でした。よくこのテーマで漫画を描こうと思ったなぁ。
物語の中心に据えられたのは「地動説」ですが、それ自体は一つの事例に過ぎず、人類の歴史の中には探究心が生み出した数々の物語が無数に生まれては消えてを繰り返してきた(そして今この瞬間も繰り返されている)のだと思います。例えその先に破滅があろうとも、誰も「知ること」への欲求は止められない。現代の社会だって、過去の時代が積み上げてきた知によって成り立っているのだから。だからどのような結果になろうとも、自分の欲求に素直に従って、知りたいことを知ろう。追究しよう。全うしよう。そして次世代へ繋ごう。
少し話が逸れますが、私は、現代の科学がいつか過去のものになる日が来るのではないかと考えています。遠い未来の教科書には「19〜21世紀の世界では『科学』という考え方が信じられていた」と記載されているのではないか、と。
真理とは何なのか。人類はいつか辿り着くことができるんですかね。 -
ずっと気になってた「チ。」を全巻読みきれた。
地動説や天動説なんてなんの理解もなかったし天文学すら興味があるというレベルのものでしかなかったのにすごく楽しめた。
なにより人間が生まれる意味や存在している意味、成すべきことや自分という存在の在り方を考えさせられた。
私はずっと死ぬだけの人間がこの世界に生まれることが謎だった。だけどこの漫画を読んでいくと、生まれてくることには歴史を紡ぐという大きな意味と、知性によって人間を「善」に導く大義がそこにはあると思うようになった。
何を信念として信じて生きるか。何を疑って自分をという人間を生きていくか。それは人それぞれだからこそその「想い」を受け継いで伝えてそうやって記憶を次の命に引き継がないとなと思った。
あー読み終わりたくなったけど読めてよかった。
感動した。この感動を誰かと共有したい。-
私もこの漫画大好きです!
強烈なインパクトを持つ作品ですよね。
最初の少年の物語なのかと思ったら・・・。
彼らがいて、いま私たちが生きてい...私もこの漫画大好きです!
強烈なインパクトを持つ作品ですよね。
最初の少年の物語なのかと思ったら・・・。
彼らがいて、いま私たちが生きていると思ったらら、泣けました。2024/02/04
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地。知。血。
これは…良いものだ…オクジー好きだぜ…。
ラストは考察サイト見てすっきり。
いや、すごい漫画ですわ。。 -
完結したと知ったので、まとめ買いしてまとめ読み。
面白かった!
どこからどう繋がるのかとか、まとめ読みしてるくせに前に出てきた人を忘れてしまったりとかがあるので近いうちにもう一度読み返したい。
ただ、1つの「真実」以外を認めない前時代的考えから、批判の余地を残す(批判あってこその前進という)現代的考えへの移行とか、新しい発見に辿り着くまでの気の遠くなるような道のりや、次の世代に繋げる大切さ、自分が人生を賭けたものが果たして真実への道なのかという不安など…どの立場の人の思いも総じて理解できるし面白かった。
みんな結構出てきたと思ったらあっさり死んでしまったりするんだけど…
それが歴史なんだよなぁ… -
思ってたんと違う。
今まで楽しく読んできたんだけど、これは思ってたんと違う。別に作者には作者の意図があるとは思うので、否定する気はないが、裏切られた感はある。
そもそも、「チ。」の舞台を、西洋史上の特定の国や事件、風俗などにマップすることはできない。よって、読んでいるときには、西洋風だが架空の国、キリスト教に似ているが架空のC教として読んでいた。それを、今更、並行世界を示唆するような記述だったり、抹殺された歴史のようにして、現実界の歴史に接合しようとするのは、約束が違う。
約束なんて、こっちの勝手な思い込みと言われて仕舞えば、その通りなんだが。
最初がとても面白かっただけに、残念。
えー、全巻読んだんですか!
早くレビュー挙げてくださいよ。楽しみにしています♪
最終巻だけ、ちょっと毛色が変わって...
えー、全巻読んだんですか!
早くレビュー挙げてくださいよ。楽しみにしています♪
最終巻だけ、ちょっと毛色が変わっていましたね。
私は他の人のレビュー見ずにこれを書いたのですが、
あとで見ると、2-3人の人がエヴァテレビ版の最終回(実際は2話分)を想起していました。
多分作者も意識はしていただろうから、あれは確信犯です。だとすると、その仕掛けを解きたいところなんですが、もしかしたら破綻しているかもしれません。あのあたりの哲学的考察が必要な作品だということはわかるのですが、ちょっと急いで読んだので、まだよくわかりません。土瓶さんか、誰か、きちんと分析してくれないかな?それともアニメで上手く解説してくれないかな。
「コペルニクス的転回」に至る歴史物語だという当初の予想は、途中で見事にコペルニクス的転回を遂げます。「全てを疑え」という命題は、私の好きな哲学的命題なのですが、この作品は一本筋を通しているのかどうかは、検討ができていません。でも、そういうことを考えさせる、という意味ではとても面白い作品でした。
何故か?
大好きだからです。
多くなりすぎるからです。
それをレビ...
何故か?
大好きだからです。
多くなりすぎるからです。
それをレビューなんか書いていたら「本気で寝る時間なくなるぞ」と、理解したからです。
と、いうわけでレビューは勘弁してくださいm(__)m
ちなみに今イチオシのマンガは……ダメだ。多すぎ(*´Д`)
気持ちはよくわかります!
私も漫画を全部一巻ずつレビューしていたら、今の1.5倍くらいになっていたかもしれません。
気持ちはよくわかります!
私も漫画を全部一巻ずつレビューしていたら、今の1.5倍くらいになっていたかもしれません。