藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 9 (ビッグコミックススペシャル)

  • 小学館
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本棚登録 : 86
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098618491

作品紹介・あらすじ

SF短編、全作品収録の決定版が登場! 2023年、TVドラマ化を機に、藤子・F・不二雄のSF短編シリーズ全111作品+αを単行本全10巻に再編集し、装いも新たに刊行! 「SF・異色短編」シリーズ6冊(第1~6巻)と「少年SF短編」シリーズ4冊(第7~10巻)に分け、それぞれ概ね発表順に収録します。第9巻の収録作品は以下の通りです。<第9巻収録作品(少年SF短編)>・「宇宙船製造法」・「ふたりぼっち」・「ベソとこたつと宇宙船」・「影男」・「山寺グラフィティ」・「恋人製造法」・「マイロボット」・「コマーさる」 【編集担当からのおすすめ情報】 「このシリーズを読めば、SF短編全作品が読める!」というコンセプトで、装いも新たに編集しました。一般的なの青年系コミックスと同じB6判、ボリュームは各巻約300P前後と、読みやすくも読みごたえがある構成を心掛けています。今回、全作品を「SF・異色短編」シリーズと「少年SF短編」シリーズとに分け、概ね発表順に収録。また、第7巻以外の巻末には藤子・F・不二雄先生のエッセイを巻末に収録することで、先生の発想の変遷や、執筆のきっかけやねらいにも迫れるような構成を目指しています。テレビドラマを機に原作に興味を持った方、また以前から「SF短編」に興味があり、いずれ全作品を読みたいと思っていた方に、ぜひ手に取っていただきたいシリーズです。装幀:佐々木暁

感想・レビュー・書評

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  • 表題の『宇宙船製造法』は閉ざされた空間での人間関係 の原型漫画のような気がする 嫌なやつがいたり、良い人だと思っていたリーダーが暴君のようになっていったり…深いです

    「山寺グラフィティ」は初めて読んだけど、最後はなんだかホロリとくる、切ないけど主人公の心の中ではケジメがついたんじゃないかなと思う良いお話

    「恋人製造法」は男の人なら誰もが夢みるお話かもw でも上手いこと切なさの残るハッピーエンドに落とし込んでいる

  • SFとは”少し不思議な物語”と言うそうだ。

    宇宙製造法は『十五少年漂流記』をモチーフにしているそうだ。リーダーが正しさを追い求めすぎた結果、独裁者みたいになったのがビビった。現実でもありそう。
    この、作品に収録されているなかで特に『山寺グラフィティ』が好き。
    感動させられるいい話。主人公の未練も消えたのかな?つげ義春が書くみたいな風景だった。

  • 全体的にハッピーエンドで救いのある話が多かった。

    『ふたりぼっち』
    SF短編集全体の中でもかなり好きな作品。
    主人公は中高生で、パラレルワールドの自分と仲を深めていたが次第にすれ違いが生じていく。
    中学生くらいまでは生まれた時に与えられた環境に強く作用されながら人生が展開するけど、それ以降は自分の意思や自分で広げた交友関係からの影響が強くなる。
    同じ環境で育った兄弟がそれぞれの道に進むように、パラレルワールドの自分自身たちもそれぞれの道へ進んでいく過程がじっくりと描かれていて良かった。
    「ピラブタ」ってあだ名変すぎる。

    『ベソとこたつと宇宙船』
    ひとつの星を救ってやる気が出てやることが「雪の結晶を虫眼鏡で見る」なのがかなり良い。

    『影男』
    「くだらないいたずらや脅迫に屈せず、断固まんがを読みつづけるのだ!!」「娘の身の上より、テストの結果が気がかりとは!」なんかのび太みたいな女主人公が可愛い。

    『マイロボット』
    言うまでもなく人工知能の話。
    機械オタクの大学院生?のお兄さんが良かった。
    ロボットが「自己欺瞞」の能力を持つことを「おそろしいと思う」のはまさに専門家の視点。
    ロボットがねたみという感情をおぼえたこと自体より、ねたみを隠すためにウソをついて、さらに自分でそれがウソだと気付かないことの方がやばい。たしかに。

  • 『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス』9巻。

    「ノスタル爺」へのアンサーのような「影男」と「山寺グラフィティ」の2作。
    過去への後悔・未練の回収、未来への出発。違う漫画ですが、救いをもらった気分になりました。「ノスタル爺」の分もスッキリした思いです。

    「恋人製造法」「マイロボット」と恋慕・愛情が強いが故に陥ってしまう狂気の2作。終わり方は違いますが、思い人を手に入れられない時の暗黒面が怖かったです。画風のせいで恐怖は薄いですが、いやいや。代わりのものを作ってしまえと、何をおいても手に入れたい、という怖さです。

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