眠れる美女 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 348
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001203

感想・レビュー・書評

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  • 川端康成にしては抒情的な景色の描写は少なく、
    女性の生理的な美しさを描いている作品ではありました。
    この時期に細切れに読んでしまったのが良くないのですが、男性から女性へ向けた性的な描写、もちろんそれを超えた表現で決して嫌らしく感じないのですが、文学的にはかなり盛り込んだ作品に仕上がっているとは思いましたが、胸を打つほどの作品では無かったです。

  • 美女たちのキャラクターを、眠っている姿だけで描ききっているのはさすが。でも世界観は表題作より「片腕」のほうがはまった。

  • これがデカダンス文学なのね。

  • 2019/07/25読了

    短編集。どれも、死の間近で輝く生命力がメインだったのかな? 久々に純文学読んだら時間かかった、、、
    眠れる美女は妖艶さや、老いへの恐怖が芽生えるまであと少しであろう男が、若い女に添うことで生命力との対比を表現してたのかな。

    収録話 眠れる美女、片腕、散りぬるを

  • 男性としての機能を失った男が、眠らされた女性と一晩添い寝できる会員制の宿。もし川端作品として初めてこれを読んだのなら、もしかしたら気持ち悪いと思ったかもしれない。だが、私はもう「片腕」の、私の言葉では表現しようもない耽美さと艶めかしさを知っていた。眠らされながらも寝言や身じろぎで自己を表現する女性を老人はゆっくりと愛でる。訪れる度にちがう女性を。女性の上半身の描写、特に上唇のかたちの描写が妙に印象的で心に残る。余韻に浸る私のところに突如現れたラストがすべての音と色を消しさっていった。「散りぬるを」は一転して私の中にあるミステリ読みの血を騒がせた。表題作、片腕、と共通するもの言わぬ女性を描いたと思えばまた違った感情を揺さぶられたのかもしれないが、実際に何があったのか、ミステリ読みとしてはそれを気にせずにはいられない。犯人として断罪された男はもういない。紡がれた物語に放り出されたような心もとなさとここで終わるからこその余韻を受け取った。どれも好きだけれど、やっぱり再読の「片腕」が別格で好き。

  • こんな文章は絶対に書けない、うますぎる。
    解説は三島由紀夫

  • 「片腕」の妖しく官能的なのにどこか寂しくて儚い世界観に惹き込まれた。

  • 2018/09/06-09/12

  • 廃退的で怠惰な美ってやっぱり究極〜

  • 表題作のみ。正直キモいわ〜こんな老人がそばて寝てるのキモいわ〜いくら薬か何かで眠ってて全く記憶がないとしても嫌やわ。そして、この時代ゆえか、男が結構浮気してる。はぁ、この老人、傍から見れば好々爺なんだろうね。

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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