炎の岳: 南アルプス山岳救助隊K―9 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.84
  • (6)
  • (17)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 98
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101003610

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 噴火の予兆が見られる火山からの登山客の下山。せっかく来たからと下山をためらう人も。そして絡んでくる犯罪。山岳救助の大変さが見えてくる。救助犬もがんばれ!
    思い出すのは御嶽山や普賢岳。
    現場に遭遇した人にしか分からない事が多いだろうけれど、想像を逞しくすることを忘れてはいけないと思う。
    物語の中では上手く行った事の方が多いけれど……

  • 南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ、4作目。

    今作の舞台は、架空設定の活火山・新羅山。登山客で溢れ返る山で突如火山活動活発化。否が応でも、御嶽山噴火を思い出すが、今作はその災害事例を教訓に、どのように災害救助を行うべきか、シミュレーションした内容とも言えそう。登山客の数が集まれば、それだけ暴挙に出る不届きモノも少数ながら出てくるわけで、山岳救助隊や自衛隊の方たちはそういった人たちを見据えた救助活動を実際に行わなければならず、如何に過酷で、時には理不尽なものか、本書を通して伝わってきた。
    本シリーズの特徴と言うべきか、山岳救助小説である一方、警察ハードボイルド要素も加わっている。今作の場合、子供の誘拐事件が火山噴火と同時進行で起こるのだが、スリリングに物語が進行していく反面、ちょっと盛り込み過ぎ感があるのも否めない。単なる誘拐事件で収まらず、プロの殺し屋が出てきたりと、武闘派・神崎静奈のカッコいい立ち回りが見れて良しなところもあるが、純粋に山岳救助の話を読みたかったなぁとも感じてしまった。

  • 2018/11/3 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。

全13件中 11 - 13件を表示

著者プロフィール

1960年山口県生まれ。明治学院大学卒業。雑誌記者を経て、87年に小説家デビュー。2008年『約束の地』で、第27回日本冒険小説協会大賞、第12回大藪春彦賞をダブル受賞。2013年刊行には『ミッドナイト・ラン!』で第2回エキナカ大賞を受賞。山岳救助犬の活躍を描く「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの他、『狼は瞑らない』『光の山脈』『酔いどれ犬』『還らざる聖地』、エッセイ『北岳山小屋物語』『田舎暮らし毒本』などの著作がある。有害鳥獣対策犬ハンドラー資格取得。山梨県自然監視員。

「2022年 『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樋口明雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×