かげろうの日記,曠野 (新潮文庫 ほ 1-3)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101004037

感想・レビュー・書評

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  • 生物描写は一級品である。作者の自然景物の描写や生きるものの儚さを描く生きた筆は尊敬に値する。

  • 道綱母のお話2編は、ちょっとこの人の性格についていけないなと思ってしまうと読むのが苦痛になりますが、その辺は、出来事よりも主人公がどう思ったかが延々と綴られる形式では致し方の無いことかも。意外に、ほととぎすに入ると楽です。蜻蛉日記では対置される対象だった夫が、今度は、求婚される娘に関してどのように振る舞うべきかという点に関しては、同じサイドに立っていることによる、キャラクター配置の変化によるものかも。
    孝標の娘のお話(最近、オタク女の元祖みたいなカリカチュアライズが激しいので、そういうビジュアルが浮かんで邪魔なんですが)の方は、まるで芥川のようだ、と思ってしまって、そう評されれば、堀辰雄って喜んだのかなとか妄想。曠野なんて、まるで六の宮の姫君みたいな境遇ですしね。
    あ、これも一応、30年前に「風立ちぬ」なんかと一緒に購入したものです。

  • 164ページ

    1 七つの手紙
    2 かげろふの日記
    3 ほととぎす
    4 姨捨
    5 廣野

    ISBN-10: 410100403X
    ISBN-13: 978-4101004037

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著者プロフィール

東京生まれ。第一高等学校時代、生涯親交の深かった神西清(ロシア文学者・小説家)と出会う。このころ、ツルゲーネフやハウプトマンの小説や戯曲、ショーペンハウアー、ニーチェなどの哲学書に接する。1923年、19歳のころに荻原朔太郎『青猫』を耽読し、大きな影響を受ける。同時期に室生犀星を知り、犀星の紹介で師・芥川龍之介と出会う。以後、軽井沢にいた芥川を訪ね、芥川の死後も度々軽井沢へ赴く。
1925年、東京帝国大学へ入学。田端にいた萩原朔太郎を訪問。翌年に中野重治、窪川鶴次郎らと雑誌『驢馬』を創刊。同誌に堀はアポリネールやコクトーの詩を訳して掲載し、自作の小品を発表。1927年に芥川が自殺し、翌年には自身も肋膜炎を患い、生死の境をさまよう。1930年、最初の作品集『不器用な天使』を改造社より刊行。同年「聖家族」を「改造」に発表。その後は病を患い入院と静養をくり返しながらも、「美しい村」「風立ちぬ」「菜穂子」と数々の名作をうみだす。その間、詩人・立原道造との出会い、また加藤多恵との結婚があった。1940年、前年に死去した立原が戯れに編んだ『堀辰雄詩集』を山本書店よりそのまま刊行し、墓前に捧げる。1953年、春先より喀血が続き、5月28日逝去。

「2022年 『木の十字架』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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