百万遍 青の時代〈上〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101013275

作品紹介・あらすじ

今日、三島が死んだ。俺は高校を辞め、教護院から放逐された。1970、あてどない漂流が始まる。衝動を持てあまし、世界との齟齬を感じながらも、俺は小器用に大人たちと渡りあってゆくことができた。そんなある日、俺は幼馴染の女と再会する。ささやかな幸せに満ちた同棲生活。しかし俺は、刹那を生きるアウトローたちとの暮らしこそを、望んだのだ。花村萬月、入魂の自伝的長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 花村の文をかつて読んだことがあった。この本を読んでも、花村の才能を強く感じた。文学は「文」それ自体で勝負できる。他の何をも必要としない。少年院あがりであろうがなかろうが、素晴らしいと思う。花村の文はすべての規制枠を取っ払ってくれる力をもっている。そして、生きるとは何かを考えさせられた。

  • お前のような15歳がいるか(マジレス)

  • 著者自叙伝小説とされる。幼いころに父親を失くし、都営住宅で母親と貧しい暮らしをしいられた吉川惟朔。小学校もろくに通わず、悪い仲間と付き合い、やがて少年院や児童福祉施設に送られる。施設から通っていた高校も退学する。万引き、暴力、たかり、女、クスリ、そして自慰に耽る荒んだ生活をおくる。小学校の時の同級生の幸子と巡り合い、立ち直る兆しも見られたが裏切る行動に出る。そして、ヤクザな世界にも入りかけるが。悶々としたものを惟朔の心理の中に伺えるような気がする。下巻、流転旋転、古都恋情に続く壮大なシリーズ。再読。

  •  自伝的小説ということでカテゴリは「自伝、伝記、ノンフィクション」にする。内容は養護院から放逐された僕が紆余曲折を経て、ヤクザなスナックでバーテンをしているところまでが「青の時代」上巻である。印象に残るのは薬中の文ちゃんの常軌を逸している行動である。その後の文ちゃんが気になってしょうがない(笑 

  • 花村萬月さんの自伝的小説。グイグイ読める。下巻が楽しみ。

  • 今、日本の文学者で一番文章が上手いと思うのは花村萬月だ。その筆力によって、痛み、快感、味、ざらつき、恐怖、不安、空しさ、といった感覚がリアルに甦る。数奇な人生を歩んだ花村氏の自伝的小説。

  • 著書の自叙伝小説。悪だったんだけど苦労してるのが滲みでている。感動する。

  • 花村萬月の自伝的小説(どこまで本当だかわからないけど)。舞台が昔自分が住んでいた登戸付近だったこともあって、地理感がわかって面白かった。

  • 上下巻の上。そんなに話は進まない。
    性もそこまで頻繁ではない。しかし、
    寂しさというものをとても強く感じる。

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』など。

「2021年 『夜半獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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