- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101014630
作品紹介・あらすじ
新宿の男装ホストクラブで働く百合には、声優になる夢があった。だが現実は、池袋の狭いアパートで、不幸の典型のような共同生活。同居人の真優はソープ嬢、累はホスト狂い。百合自身にも暗黒の過去があった――。知らない男からの宅配便、心臓を鷲づかみにされる恐怖、ルームメイトとの不協和音、そして惨劇。とめどなく涙流れる結末が恐怖を超える余韻を残す傑作。『愛しのシャロン』改題。
感想・レビュー・書評
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前川裕『号泣』新潮文庫。
『愛しのシャロン』の改題作。
主人公の吉井百合が体験する過酷な事件の一部始終を描いたホラーミステリー小説。
これまでの前川裕の作品とは少しテイストが異なる作品だったが、猟奇色を前面に出しながら、ミステリー色も濃く、なかなか面白かった。
またまたホットパンツ姿の女性が登場するのは前川裕の趣味なのか。
声優になる夢を抱きながら新宿の男装ホストクラブで働く吉井百合には、幼い頃、警察官の谷藤力という男に5年間も監禁されていた暗黒の過去があった。
百合は二人の女性、ソープ嬢の真優、ホスト狂いで芦川真優の幼なじみの館林塁と共同生活を送っていた。ある日、百合の元に知らない男から首を千切られたテディベアが届く。それは、かつて百合を監禁していた谷藤が百合に与えた物だった。
あの谷藤が仮釈放されていたのだ。以来、百合の周囲で不穏な事件が相次ぎ、やがて恐ろしい猟奇的な殺人事件へと繋がっていく。
そして、タイトルの『号泣』の意味は、最後の最後に知ることになる。
本体価格710円
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犯人、たぶんこの人だよな〜
がそのまま当たってなんとなく終わっちゃった。
過去の事件パートが理不尽で気持ち悪くてよかった。
最後ちょっと切ない。 -
なんとなく展開が読めたのが残念だけど、全体的に薄気味悪くておもしろかった。
過去のトラウマから立ち直る間もなく、また恐怖に襲われるって考えただけで酷い。。 -
動機をもう少し掘り下げて欲しかったな。
もっと犯人に対する不気味さと苛立ちを得たかった。
中盤あたりから読みやすく スラスラ読めた -
全体的にあまり主人公たちに感情移入できず…。
彼女らの境遇が、私と掛け離れていたからだろうか。
犯人の動機が薄くて、うーん…という感じだった。
しかしだからこそ、常人には理解できない、得体の知れない気味の悪さが際立っているのかもしれない。
中盤はハラハラして面白かった。 -
「号泣」と改題された文庫本を読んだ。面白かった。一気読み。犯人がわからなくてワクワクし、犯人がわかりかけてきたらその動機に期待し、、だったのだけどその動機がちょっと腑に落ちないというかよくわからないというか。サイコパス、で片付けられちゃったというか。でも面白かったから他の前川さんの本も読んでみたい。
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別に怖すぎない。衝撃でもない。イヤミス好きな人なら、中盤の変な態度でピンとくる。
人物に深みがなくて、イヤミスにするための展開に思える。こういう人いるよな、信じられない言動だけどこいつなら納得だな、という積み重ねがない。ただ胸糞悪いと言わせるために、そういう行動をとらせている印象。あの動機とやり口で初犯?らしいのも不可解。その前にあと3人は殺しているべきでは。