- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101014814
作品紹介・あらすじ
その男の死体が発見されたのは 8月21日だった。「そうか、結局死んだのか」梨木刑事の記憶は少年時代に戻る。深い後悔が僕らのすべてを引き裂いた、あの夏の花火大会の夜に。僕らは置き去りにしたのだ──幼い少女を暗闇の山中に。刑事は故郷に戻り、かつての仲間と22年ぶりに再会し、事件の真相を解き明かす。胸を締め付ける瑞々しい情景描写が選考会で絶賛された新潮ミステリー大賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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読みやすくて少年時代の話とか面白かったんだけど、途中少し間延びする感じあり。
ラストも偶然に偶然が過ぎるかなー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20240306
みんな花火を見たくないか、かな
Whenever you’re in trouble, won’t you stand by me?
推理小説というよりも青春小説 -
記録
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帯を見て面白そうだなと思い購入。
前半と後半の2部構成で、前半は少年時代の夏に起きた痛ましい事件、後半はある男が殺されたのを機にある刑事が故郷を訪ねていき、事件の真相に迫っていきます。
プロローグでは、遺体安置所のシーンになり、刑事が誰かわかるものの、この段階では誰が死んだかわかりません。
その疑問を抱いたまま、少年時代を振り返ります。
てっきり少年時代のエピソードは少量なのかと思ったら、全体の半分だったため、後半はあっさり目かなとちょっと心配してしまいました。案の定、重めな展開にはなりますが、ちょっとアッサリ感がありました。その分、少年時代のエピソードは、少年たちの心の葛藤が丁寧に描けていて、瑞々しさがありました。その伏線があったからこそ、現代のパートになると、久しぶりに再開した時のぎこちなさが伝わってきました。
新潟を舞台にした作品なので、出身の方には様々な地名が登場するので、より身近に感じるのではと思います。
苦味のあるストーリーにはなっていますが、読後感は重々しくありませんでした。希望の光を点させてくれるような、前向きにさせてくれるような雰囲気を残しつつ、終わるので、しっとりとジーンとした空気にさせてくれました。読み終わると同時に夏が終わったなとふいに思ってしまいました。 -
第3回新潮ミステリー大賞受賞作
新潟 弥彦山を舞台としたミステリー
中学時代に間違った選択をしたが故に発生した事件。
その時の選択を、ずっと引きずって生きている。
そして、22年後、かつての仲間と再会し、事件の真相と向き合う。
中学時代の
一度ならず間違った選択をして、悔やんだことがある。
しかし、中学時代、こんなに考えていた?意識して行動していた?
中学時代の自分を振り返ってみよう。 -
解説でも選評でも『スタンド・バイ・ミー』のタイトルが挙げられている通り、青春小説っぽさの残るミステリだった。
ミステリ・サスペンス的な側面ではなく、田舎の地方都市に漂う閉塞感や良くも悪くも密接な(逃げようがないとも言える)人間関係に苦しむ住民の描写ではないか。
新人賞の受賞作とのことなので、長く書き続けて欲しい。