王都の落伍者 ―ソナンと空人1― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101023311

作品紹介・あらすじ

名将軍のひとり息子として生を享けながら、退廃した生活に甘んじる青年・ソナン。自らの悪事が発端で死に瀕するが、朱く長い髪をもつ神・空鬼のたった一度の気まぐれで、名も知らぬ異国へと落とされる。しかし、その地・弓貴では古来からの統治者が反逆者に追いつめられ、全員で討ち死にしようとしていた─。終わったはずの人生から物語が動き出す。執筆4年、1800枚の傑作ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • -------------------------
    令和のファンタジーは
    沢村凛が牽引する!
    まったく新しい、英雄物語。
    -------------------------
    十二国記物語と守り人シリーズが大好きで、
    本屋で気になって手に取りました。

    ただ、私にしては珍しく、途中で何度も挫折した一冊です。苦笑

    名称軍のひとり息子として生を受けながら、
    とにかく自由にわがままに、
    他人を傷つけ、父親からも勘当されるような生活を送るソナン。
    自らの悪事で死ぬ間際に、
    空鬼(そらんき)という神の気まぐれで、
    見知らぬ異国で生きることになります。
    というか、ソナンがその国を選んで、自ら降りていくんです。

    ソナンが人に迷惑をかけて、
    めちゃくちゃな生活を送っていて自業自得なのに、
    神にチャンスをもらうとか、
    異国で好きな人を見つけて
    嫁に欲しいと駄々をこねるとか、
    なんやかんやでハッピーエンド、
    みたいな終わり方すべてに共感できず、
    読んで疲れた一冊でした。。。

    主人公含め登場人物誰にも共感できず、
    何も応援する気持ちになれず、
    2巻は…読めないです。苦笑

    他の方のレビューを読んでいると、
    面白いんだと思うので、
    私の今の状況や性格によるものかと思います。苦笑

  • 自分の気持ちに、
    まっすぐに、
    生きている ソナン、空人、
    勇気と元気と努力と、
    なんだろう
    透明感?
    を感じました。
    *
    私、
    もし、
    人生を生き直せるなら、
    ソナン、空人の人生もいいな。
    *
    「続きを、見たい。」
    視覚に訴えるものがあり、
    読みたい、と言うより、
    見たい。
    と、思った。
    *
    想像力を
    かき立てる。
    *
    コロコロ変わる
    情景が
    戦いの場でも、
    美しい。
    *
    *******
    favorite sentence
    *
    神は気紛れ。 為すことは全て戯れ。

    神は人が永遠に理解できない気紛れで動く。 自然は人 がすでに解き明かしたりと、 まだ解き明かしてない理に 従っており、思念や言葉がその流れを変ずることはない。 祈りは何の役にも立たないのだ

    物事がひとつわかると景色が変わる

    自分がふみにじっている心の気高さに圧倒されていた

  • 今まで俺が真剣に仕事に取り組めなくてちょっとヤンチャなのは、自分が悪いんじゃなくて、親と上司が尊敬出来る人じゃなかったからなんだよ、でも次の上司は違う!この人の為なら命かけるぜ!マジリスペクトだぜ!俺はやるぜ!!

    運にも助けられてそれなりに結果は出せた、そして一目ぼれした彼女と再会した、運命だ他に何も見えない!上司の娘さんのヨシコさんを俺に下さい、上司の面目とか、相手の意思とか伝統とか周りの迷惑とか関係ない、親切にしてくれた先輩の彼女らしいけど知ったこっちゃない、好きだ好きだ結婚する結婚する結婚するー!

    当日ヨシコさんじゃない人来た!お前ら皆で俺の事騙そうとしたんだな!サイテーだな!!

    ・・・てへ、相手の名前間違ってたyo
    俺の好きなのヨシコさんじゃなくてナナコちゃんでしたwww
    式続行?お義父さん聞こえてなかった?俺が好きなのナナコちゃんだってばw




    ・・・アホなの?!

  • まず1巻のみで評価するべきではない、超大作である。

    「黄金の王 白銀の王」でも、筆者の壮大なストーリーにやられたが、あの時物足りなく足早に感じた部分が、4巻という大作になってようやく遺憾なく発揮された。

    最初にまず、主人公がいきなり変わるのか?と思ったが、まさかのダメそうな人が本当の主人公(笑)
    どうなるかと思ったが、まさに生まれ変わった主人公のその成長と3巻4巻でのまた故国に戻らざるを得なくなってからの苦労もどきどきはらはらと一緒に体験する気持ちに。

    個人的には一番時間の流れがゆっくりだった2巻が楽しかった。ただ、一日で全巻読破して、また1つ傑作のファンタジーが生まれたことには間違いないと確信した。

  • 「瞳の中の大河」「黄金の王 白銀の王」が自分の中では最高すぎて「沢村凛×ファンタジー」な本作には期待せずにはいられませんでした。

    しかし、その期待が大きすぎたためか、微妙な印象と感想と読後感に打ちのめされ、ちょっと落ち込み気味……

    まず、主人公のソナン(=空人)に共感も感情移入もできなかったこと。オープニングで登場する“トケイ”のソナンは、貧しい出自ながらまっすぐで芯のある性格。こちらが主人公だったら共感できたかもしれませんが、主人公となるソナンの方はわがまま育ちで自分勝手なおぼっちゃま。やりたい放題で生きてきたくせに、いざ親友の妹が売られると急に心変わりして周囲に助けを求める姿には「虫が良すぎ」としか思えませんでした。

    彼が空人として転生(?)した先でも、自分の意志を持たず流されるがままに行動し、周りのことを考えず四の姫を求める言動に、バカは死んでも治らないのか、とすら思ってしまうほど。

    「瞳の中の~」「黄金の王~」で見られたような、主人公たちが確固たる(そして共感できる)信念を持ち、いかなる逆境においてもあきらめず、くじけずに行動し、その姿に感動するような内容を期待していたので、それと真逆な空人の姿には全く共感・感情移入ができませんでした。

    同時刊行された続巻の「鬼絹の姫」は購入済なので、3巻以降を読むかどうかは「鬼絹~」を読んでから決めようかと思います。

  • 過去の作品で心を掴まれて、新作を心待ちにしていた方の新作!
    新聞の広告でたまたま目に入って我が目を疑い、歓喜に踊ってから二ヶ月ほど。
    ようやく読書の時間がとれました。
    一巻目、一気読みです。

    がっつりファンタジーかと思いきや、一度死んで強くてニューゲームの昨今の流行りを踏襲している。
    言葉や文化などに多少ハンデはあるものの、三ヶ月の異常事態の中で慣れこなし、読み手にもはらはらさせながらもなんとかこぎ着けた着地点。
    作中の表現から主人公はかなりの色盲。赤系の見分けがきついようで、青の濃さも曖昧。その伏線が、最後の大勘違いを引き起こす。
    上の方たちがうまくやりくりして収めてくれたからよいようなものの、ほんと最後まではらはらさせてくれちゃって。
    ソナンの時も悪い奴ぶっておきながら、お坊っちゃんないいところだしちゃったがために川に飛び込むはめにもなるし。
    はじまりからしてもう一人のソナンが主人公だと思いきや、完全にやられた感じ。
    というか、悪なのに憎めない奴ってストーリーがソナン時代と空人時代で二重に重ねられているのか。
    さてさて、ヒレも手に入れ、一目惚れの姫も手に入れ、憧れた世界で次はどう生きていくのか。
    投げ出さないかはらはらするし、三人の陪審の苦労を思うと胃が痛くて仕方ないんだけど。
    六樽様も怒らせてしまって、よくとりなされたものだと。というか、今後どうするのと、また心配が。

    で、橋の向こう側の友人の妹はその後どうなったんだろう。
    ソナン、この世界だけで飽きずにやっていけるのかな。
    一目惚れって強力なものだけど。

  • 王都の落伍者ーソナンと空人1ー(新潮文庫)
    著作者:澤村凛
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    終わったはずの人生から物語が動き出す。

  • 話がずいぶん予想外だった!「ソナン」という名前と、最初の入りからして西洋ファンタジーだと思ったのに和風ファンタジーでした。てっきり主人公が空の人に出会ってなんかする話なのかと。まああながちそれも間違いではないけど。知らない世界の描写にもぐんぐん惹き込まれる。想像力不足でイメージしきれないところも多々あるけれど、世界の雰囲気や言葉選びに楽しませられる。続編も楽しみ。予想外の良作。

  • 異世界転生ものに近い印象。
    導入編なのですべて次巻に繋がると思って読むと良いかも。
    主人公が「あ、そっち」と思ったので、それは面白かったです。
    このままシリーズを追いたいと思います。

  • 物足りなさはあるけど、読み終えた。続きを読みたい!という強い気持ちはまだないけれど。

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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