運命の逆流 ―ソナンと空人3― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101023335

作品紹介・あらすじ

交易の使節団に加わり、相手国トコシュヌコを訪ねることになった空人。そこはかつて十九年間、自堕落に暮らした祖国だった。自分が、シュヌア家のひとり息子・ソナンであることは決して気取られてはならない。速やかに任務を終え、一刻も早く〈我が地〉輪笏へと戻るのみ──。細心の注意を払いながら、王都の大臣邸で開かれた晩餐会に臨む空人だったが。異世界ファンタジー、波瀾の第三巻。

感想・レビュー・書評

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  • 3巻も面白かったです。
    久しぶりに夜中に本を一気読みした。

    あっさりバレたーー!!!
    なんで弓貴が空人を連れて帰ったらダメなのかが頭の悪い私にはよく分からんかった_(:З」∠)_
    ええやん、督やん、連れて帰ろうや……六樽様だって督は空席にしてるじゃん、帰ってきて欲しいじゃん。
    パパ!息子大事にしてるのね!!パパ!!!
    空人が一瞬だけ輪笏に帰って紅大を怒鳴りつけるところがすごく良かった。皆当たり前に4年ぶりに帰ってきた空人を督だと受け入れるのが感動。一瞬すれ違った花人がご主人様!?って叫ぶのとか、異国から帰って来れなくなってもちゃんとご主人様なのね(´;ω;`)ってなった。
    4巻も楽しみです。

  • 紆余曲折があったとはいえ、輪笏の督として大活躍して比較的安泰な状況だったのに、イロイロ悶着のあった祖国に赴くことになってしまった空人(=ソナン)。身バレしないような隠密大作戦になるかと思ったら、意外なほどアッサリとバレたのは驚き。

    その後の裁判では、あのトケイのソナンが登場。相変わらずな彼の生真面目さに救われるも、生きる目的・目標を見失った彼の今後がどうなるのか全く見えず。普通だったらここで読むモチベーションがド下がりして、下手すると読むのを止めちゃうかもしれませんが、たっぷりページを残した後の展開が気になって、逆に読むモチベーションは向上。

    そして再度、換語士として弓貴に行くことに。ここでも波風立てずにいられれば良かったのですが、あの洞楠の督が前巻で交わした約束を破り、輪笏の民が苦しんでいることを知ってしまい…… まぁそうなったら誰だって怒り心頭ですよね。「とくー、とくー」と未だに慕ってくれている民の声を聞いたら、居ても立っても居られないっしょ。

    その後、馬を乗り継いで洞楠の督と対面し、詰問する様子は痛快。このまま輪笏に残れたら最高なのでしょうが、当然そんなわけにはいかず、またトコシュヌコに戻るわけですが、そうなると読者側としては「戻った後、特に目を引くイベント残ってなさそうなのに、面白くなるのかな?」と不安に。

    けれど、そんな不安はすぐに消え去りました。まさかの実母との再会から、勘当が解けてシュヌア家に戻って「完」という展開。果たして続く最終巻では、シュヌア家の後継ぎとして輪笏のようにトコシュヌコを改善していく姿が見られるのか。それともウルトラCな展開で、弓貴の人達(特にナナや雪大)と再度繋がりが持てることになるのか。

    いろんな展開が予測でき、楽しい妄想がいくつも湧き上がってくるため、次巻には期待しかない読了後でした。

  • 展開が衝撃すぎる。非常につらい。今後どうなっていくのかが全然読めない。ソナンではなく、空人として自由に生きてほしい。トコシュヌコではなく弓貴で、督として暮らしてほしい。トコシュヌコの国でもいろんな人の思いが絡み合っててつらい。早く平和になってほしい。空大と空人を会わせてあげたい。

  • 1巻と2巻は前提であって3巻から話が繋がってから、主人公と一緒に心が動かされるようになった気がする。これからどうなるのか。ナナ達はどう受け止めたのか今後どうなるのか。気になります。

  • タイトル通り、この巻で物語は急展開する。
    成長した主人公が、どうしようもない運命に巻き込まれ過去と向き合っていく。
    それぞれは、過去の過ち、友人・親子関係、仕事の引継ぎ問題などだが一風変わった運命というべき展開に巻き込まれ、それを持ち前の瞬発力で乗り越えていく。
    まだ未熟さが残る主人公が最後どんな運命を迎えるか今後が楽しみとなる巻であった。

  • せっかく幸せになれそうだったのに、まさに起承転結の転。
    生まれ故郷で代償を払わされる巻。
    誰も来ないかと思いきや、彼のことを思ってくれる人がなにげに結構いたのだと。
    家人とのやり取りのシーンは涙腺に来た。
    そう、こういうところの細やかさがこの作者さんの好きなところなんだよ!!
    督としての自覚を胸に日々をすごし、再びの暗雲嵐に巻き込まれ、久々にスカッとしたと思ったけどその後の代償がまた。
    肩の力が抜けてからの彼とお母さんとの出会いに笑ってしまいました。
    いや、危なかったけど、このお母さんと小さい頃から会えていたら、あんなに品曲がりはしなかったのではとはきっと皆さん思ったでしょうね(笑)
    ソナンの性格はきっとお母さん譲りですよ。どこかの深窓の令嬢でもなんでもなく(笑)
    そんな女性に惚れる勤厳実直な若かりし日のパパもパパ。真面目なだけに一度踏み外すといくとこまでいっちゃうんでしょうね。
    ラストのくだりは、まさに人生って真面目にやってりゃ報われるってわけじゃないんだよなーと、きっとソナンもため息をついたことでしょう。
    大人って嫌ね。
    そう思ったら、三巻の表紙のおっさんが成長したソナンなのではないかと気がつきました。
    たぶんそうだよね?
    そして四巻を手にとって気づく。
    一巻から赤い髪の先がずっと流れていたことに。

  • ソナンの父親のツンデレな感じがかわいい

  • 長編第3巻。まさに転の巻だった。しかしどうしても私は違和感を感じてしまう。年齢感というか動き方が一貫していないように私には読めてしまって頭の中で姿が見えない。お話は面白いので、ぐんぐん進むのだが。

  • 1巻で反抗期のお坊ちゃんからの色ボケ、2巻でチート
    3巻でやっと苦労する主人公

    過去の過ちやら、国交上の都合やらでジャンバルジャンの如く、規律正しく息を潜めて暮らすソナンに、漸く感情移入出来た

    そして、かの地でミッションクリアならず、この先故国でどんなひどい目に合うのか?!とハラハラしたら意外と平穏に暮らし始めたのでちょっと拍子抜けはしたけど

  • こんな展開になろうとは!

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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