- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101036410
作品紹介・あらすじ
「あの子さ、やっぱりお金目当てかな」まだ肌寒い春の日、清掃会社の2代目社長・友之と、同じ会社で契約社員として働く早紀の結婚式が始まった。18歳差のカップルを揶揄する声を耳にしつつ、栄子は披露宴の祝辞に臨む。今日初めて会った新婦の〈友人代表〉として――。列席した新郎の旧友、新婦の従姉、そして主役の二人も、人には言えない秘密を抱えていた。誰かの幸せを祈りたくなる6編!
感想・レビュー・書評
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残っている独身者の「福」ではなく、その人が生きてきた「過去」にスポットライトを当てる。ただし、主人公が見た目も中身も「福」をイメージさせるキャラクターになっており、作者の遊び心を感じさせる。中身が「福」なのは、良い意味であり、男前だということ。
読者の皆様は、この小説を読んだ後に、自分の人生に関わった人達を思い出すことになると思う。
初対面にも関わらず、生きるヒントを授けてくれた人もいる。そこまで親しく無いのに自分のことを感謝してくれた人もいる。一方で、自分がひどい事を言ってしまい、気持ちがすれ違ったまま別れた人もいる。
「自分を浄化するために、人の幸せを祈る」
という言葉が最も印象深い。親しい人にも、疎遠になってしまった人にも、図らず傷つけてしまった人に対しても、ふと思い出して、無条件で幸せを祈ってあげたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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新郎新婦、出席者の「秘密と過去」。披露宴めぐる6つの物語。 『残りものには、過去がある』 | BOOKウォッチ
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https://books.j-cast.com/topics/2022/03/02017397.html2022/03/03
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招待する友達が少ないからと花嫁のレンタル友人となって参列する人材派遣会社の女性。
偶然再会したことで、披露宴に呼ばれた花婿の学生時代の同級生。
花嫁の両親の死に責任があると思い込みながら参列する従姉妹。
花婿がかつて想いを寄せた女性。
そして花嫁。花婿。
結婚式を舞台に、それぞれの視点でオムニバス的に物語が展開する。
著者の人柄の故か、シリアスになりがちな出来事もハートウォーミングにまとまった6編の連作短編。
花婿が花嫁にかける言葉。
「人を妬んだり憎んだりはするけど、改めて祝福するって滅多にないよね。つい自分のことで手いっぱいで、人のことなんかどうでもよくって、どろどろしたマグマみたいな感情に自分を支配されちゃう。だからたまには人の幸せを祈りたくなるのかもしれない。たぶん自分を浄化するために、人の幸せを祈っているんだよ。その儀式が結婚式なのかもしれないね」
彼ら彼女たちに幸いあれと。 -
結婚と過去にまつわる暗めの話しかなと思っていたが、いい意味で想像と違った。
抱えているものはそれぞれあるが、みな応援したい人たちで、読後はとても良かった。 -
見えないだけで、人は色んな過去を抱えていて、色んな節目でケジメをつけて生きているんだなと感じる作品。
登場人物みんな、あの日を抱えて生きている。 -
お試しという感じで読み始めたけど、なかなか面白かった。
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ある結婚式…
新郎:カバのような大きな男(社長)
新婦:美人で若い女(その派遣社員)
歳の差18歳!
そしてその披露宴に集まる人々…
それぞれに暗い過去やつらい現実がある。
そんな物語り…
『今日ここへお運びいただいた皆様は、私の人生を作ってくれた人たちです。(略)…今日ここにいない、これまで出会った方々にも感謝しています。皆さまひとりひとりがいなければ、私はここにおりませんでした(略)』
ー 新郎の最後の挨拶より
・祝辞
・過去の人
・約束
・祈り
・愛でなくても
・愛のかたち
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最後まで読んでも一回読んだことあるような、、?
短編集はいろんな人の人生に触れられるのが嬉しい -
中江さんの作品は初めて読みました。
いいですね。
ささくれだらけの私の心に、じわ〜っとしみこみました。
一回読み終えてから、もう一回確認のため読み直してしまいました。