名探偵のはらわた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 941
感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101044811

作品紹介・あらすじ

「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。

感想・レビュー・書評

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  • 「はらわた」って意味は、そういう事か…思わず、もっとエグい系かと思ってたけど…
    でも、内容はエグい系やな(^^;;

    何か、死刑囚を解放した感じやな。
    まぁ、拘置所やなく、地獄からやけどね!
    唯一の違いは、人から人へと移動できる事!これが頭痛いとこやけど。
    こんな凶悪犯達が、地獄から召喚されたら、巷は騒がしくなるし、死人増える。
    やりたい放題だし。
    と、ここまでの設定だと、何か地獄絵図の血ドバドバの凄い事になる予感はする!
    もう一人、名探偵も召喚されて、彼と助手(はらわたくん)で、事件に当たる。

    確かに、特殊設定で、血ドバドバはあるけど、それが主軸やなく、あくまで正当なミステリーっ感じ。

    結構、ええ感じやん!
    はらわたくんの今後の活躍に期待!
    地獄の次に何があるかは、分からんけど。



    八つ墓村って、今の人分かるんかな?

  • 昭和時代の猟奇的な事件が現代に蘇る。そして名探偵も。タイトルからしてグロいのではと危惧していたがそんな事はなかった。ただこの多重解決ミステリーはちょっと難しい。何回、どういうことか考えたかわからない。あんまり深く考えずに読んだ。いけにえも気になるところ。

  • 1つ目の話を読み終わった時点では、ミステリーじゃなくてオカルトかよ、っていう感想でした。2つ目の話を読んだら、なんだよオカルトじゃなくてミステリーじゃん、という感想になりました。結構がっつりとロジカルなミステリーです。
    どう書いてもネタバレになるので書きませんが、いわゆる特殊設定ミステリーです。

  • 個人的には、捻りの効いた推理小説を期待してたのですが、思ってたのとちょっとタイプが違った感じでした。
    序盤から中盤辺りが面白くて、後半に行くほど熱量が下がった感じなのが残念。
    でも、続編が出たらまた読んでしまいそう。

  • 気になっている白井智之さんの作品がいくつか手に入ったので、ウキウキで読んでみた。
    昭和の極悪殺人鬼達の魂が地獄から蘇り、現代人に乗り移って殺戮をまた始めてしまう、という読み手を惹きつける最悪な設定。
    めちゃくちゃぶっ飛んでいる設定だなぁと思い読み始めたが、しっかり推理でミステリを感じさせてくる特殊設定ミステリであった。
    それでいて、伏線がこじつけではなく、ストーリーがストーリたる所以になるものであったので、推理で「それはないでしょ!」みたいな気持ちになることもなくスッキリ読めました。
    著者の中で今作はそこまでアクが強い作品ではないらしいので、もっと独特なのも読んでみたいなと思いました。


  • タイトル『はらわた』から、凄惨な場面が
    多数登場する探偵小説とあたりをつけて
    読み始めました。

    グロい場面もたくさん出てきましたが、
    探偵小説の固定観念を予想の斜め下から
    ゴロリとひっくり返した内容でした。

    時間も常識も覆した探偵物語でした。

  • 楽しかった!
    地獄から蘇った凶悪殺人犯たちと、推理の力で立ち向かおうとする伝説の名探偵という特殊設定ミステリ。もうこの設定だけでワクワクする。
    特にお気に入りは「農薬コーラ事件」。
    どの話もそうだが、この話は特に、常識に囚われている人ほど混乱してしまう気がする。
    頭を柔軟にして探偵たちとともに事件を解決しようとするもよし、すべてを諦めてエンタメとしてただ楽しむもよし。
    ちなみに自分は解決を諦め、ひたすらエンタメとして主人公たちの活躍を楽しんでいました。

  • 202303

  • 「名探偵のいけにえ」が面白かったので、文庫化に合わせて購入。
    こちらも実際にあった不可解な事件をモデルに、その時の犯人が現代で人鬼となって事件を繰り返す。そして、史上最強の名探偵の復活など、特殊設定ミステリも味わえます。

  • 特殊設定が流行りのミステリ界隈でも、グロさとミステリの掛け合わせもあり、個性の光る作品だった。昭和の凄惨な事件がまず提示され、これから何が起こるのかと期待して読み進める中、とんでもない事件が起きる。その事件をベースとしてミステリとしての体を成す流れは至高。 なんだこのテンポの良さは。 特殊設定なので荒唐無稽なのだが、さも当たり前のように受け入れてしまうのは話の運びのうまさからきている。魅力的な登場人物も忘れてはならない。抜群に面白かった。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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