金閣寺 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050089

感想・レビュー・書評

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  • あんま分からなかったかも
    どうしてそんなに評価されてる作品なのー

  • 実際の事件がベースの小説です。
    ネットで調べてみると、この小説はかなり
    実際の事件に近い設定で描かれています。

    自らのコンプレックスと相対する金閣寺の
    美について悩み、次第に金閣寺を燃やすこと
    に征服感を見出す若者の内面が克明に描かれて
    います。観念小説のため、独特の重厚で美しい
    文章は読み進めるには頭脳の体力が必用ですね。
    私は三回目に挑み、ようやく読破できました。

    ラストの描写は実際の事件とは異なるようです
    が、それも三島由紀夫の狙いなのでしょうか。

  • 初三島は衝撃でした。ちょっと他の小説家とはレベルが違う文章の美しさ。谷崎や川端等々と比較しても抜きん出ていると思う。異常なまでの自己陶酔、若さ故の思い込み、ルサンチマン、愛するが故の破壊。金閣寺焼失のシーンは日本文学屈指。

  • 20240409

  • 自暴自棄になった時、自分を変える手段を見つける。「世界を変えるのは行為ではなく認識だ」と。しかし、そこに自分の学んだ言葉「裏に向ひ外に向かつて逢着せばすなはち殺せ」により、焼く決意に踏込む。物事を真剣に考えるのは、恐い感覚が生じる。金閣寺を焼く、見物する、も紙一重なのだろうか。

  • 「裏に向ひ外に向って逢着せば便ち殺せ」臨済宗の開祖臨済の言葉だそうだ。「仏に逢うては仏を殺し…父母に逢うては父母を殺し…始めて解脱を得ん。物と拘はらず透脱自在なり」殺すというのは殺人の意味ではない。仏の教えも、師の教えも、父母の教えも受けたら捨てなさい。執着を捨てて初めて解脱できる、と。

    小学生の時、社会の時間に先生が語る足利義満創建の金閣寺の話と教科書の絢爛豪華な写真に圧倒された矢先に「国宝の金閣寺は燃えた」と聞いて呆然としたのを覚えている。実際の放火犯林承賢とは何者なんだ!動機は何だ!という話になる。この件をモデルにした小説には三島由紀夫以外にも水上勉の「金閣炎上」などの試作があるが、ここは昔読んでちっともわからなかった「金閣寺」を令和の今再読。

    吃りというコンプレックスを持つ青年僧の私が抱く絶対的な美の象徴たる金閣寺。絶対美の反対にいる醜い自分へのコンプレックス。彼の絶対的価値を崩す母親、友人、住職らの行動。そして私以上のハンディを背負う内翻足の柏木の思想と行動。「人間の考える美的なもの、そういうものすべての実相は不毛な無機的なものなんだ。龍安寺じゃないが、石に過ぎないんだ」龍安寺の石庭が美しいと言っても所詮石でしかない。美は人が決めるもの。そして時代によって変わるもの。それも人の数だけ美の基準がある。つまりは絶対なものは何もない。私は自分の絶対基準を失い、人格は崩れていく。

    現実の犯人は放火後に薬物カルモチンを飲み切腹自殺を試みるが山中で見つかり救急搬送され、刑務所への服務後に統合失語症で病院に移り死亡する。小説のラストは少し変えている。むしろ金閣への執着を捨てた私の解脱したかのようなシーンで終わる。


    正直、再読が遅すぎたか。自分の価値観が崩壊し再構築されるのは青春期に必ずある悩みであり、この青春期にありがちな中二病的悩みが、読んでいて歯がゆいが三島由紀夫青春の決算といわれるところである。でも今再建された金閣は十分に美しく、それが1397年建立だろうが1955年再建だろうが今となってはどちらでも構わないのだ。













  • デミアンと構造的に通ずるものがあるような気がする。(どちらも青春をテーマにしたものだからか?)

    デミアンと並べてまた読もう、

  • 美的な文章で凄いな〜と思ってたけど自分にはしっくりこなかった。全然面白かった。
    名著だとは思う。

  • 三島由紀夫は美を追求しすぎて、美に呪われて死んでしまった人だと作品を読むたび感じる。
    基本的に作品そのものに興味があるので、文豪の人生にはそこまで惹かれないことが多いけど、三島だけは例外。
    その美に囚われた人生で作られた作品は、なぜか私の心を打ってきて私まで呪いにかけようとしてくる。

    この『金閣寺』の主人公は、金閣寺への執着が半端じゃない。主人公にとっての"美"とは金閣寺そのものだからだ。自分という醜く儚い存在と、金閣寺という絶対的に美しく永遠な存在との対立構造が、三島由紀夫のきらきらひかるような綺麗な文章で描かれていた。世間への復讐とかそういうものじゃなく、主人公は自分のちっぽけさ、醜さを常に思い知らせてくる金閣寺が単に許せなかっただけなのかもしれない。全然次元は違うけれど、好きな相手に振り向いてもらえない腹いせに相手を殺してしまう、そういう幼稚さ・視野の狭さを感じた。

    三島の小説は個人的にはまだまだ難しいけど、やっぱり読めば読むほどなんか気になってしまう。怖い、私にとっての金閣寺が三島由紀夫なのか。あまり囚われすぎないように、慎重に慎重に彼の作品を読み進めていけたらなと思います。笑

  • 半分まで読んで後半は斜め読みでなんとか最後まで読み切ったけど回りくどい言い回しだらけで疲れた

    1950年に大学生の僧が金閣寺を焼失させた実際にあった事件が元になってるのに興味が湧いた

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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