- Amazon.co.jp ・本 (720ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101050430
感想・レビュー・書評
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禁色に☆5の評価をしたからと、ひまわり高級化粧箱入めろんさん、私の本棚をそんな目で見ても、禁色の事は、嫌いにならないでくださいっ。
十月の私の課題図書であったような本作品。たっぷり一月かけて堪能しました。全編、連載物でありながら、美文・寂文(調べないで下さい。調子にのって造語しました。)であり、煌めくボキャブラリーの広さと濃厚さ。
老作家・檜俊輔は、作家としての名声もあり、知識人としての地位もある。加えて、自由になる資金も持ち合わせていた。無いものは、美貌。
彼は、大理石の肉でできたような(作中表現のまま。その他、この青年の賛美の表現は小説を手に取ってご確認ください。)美貌の青年、南悠一と知り合う。そして、青年は老作家に女性を愛せない苦悩を告白する。
老作家は、自分の青年期からの醜貌の為、数度、女性に裏切られてきた。その復讐を、青年を利用して果たそうと密約を交わす。
檜と出会うまで、その性向から孤独であった悠一は、勧められて、愛する事のできない女性と結婚する。そして、自ら、その同族世界に足を運ぶようになる。作家が、復讐を企てた女性達はもちろん、その良人や、彼の友人達、当然その世界の人々、全て彼の美貌に支配されていく。
資金ある物は、その力で、我が物にしようとする。美しき女達は、決して愛されずとも、良き理解者であろうとする。
どうしたらこの甘美さが伝わるかと思っていたのだけれど、後書の後書きで、フランス文学者という森井さんが「気絶するほど悩ましい」と評していた。
彼は、学生服時代、読んで途中で嘔吐したらしいです。この作品を擁護する訳ではありませんが(もちろん、ありますが)現代のBLコミックの様な表現はございません。ただ、彼らの隠しても隠しきれない視線の絡み、理解しあった時の刹那の心情が、文学として表現されているだけです。
果たして、檜は、自分の策の中、悠一を愛してしまう。32章は、檜俊輔による「檜俊輔論」となるのだが、この章だけで、文学論的短編となりそうなのだ。彼の作品として、短い作中作が何編か投入されていく。どれも素晴らしい小品ですが、「仙人修行」という作品が秀逸。
最後は、大団円というタイトルで、二人の別れが書かれている。檜は、存在として悠一を愛してしまった。愛されているという意識は、残酷さを伴う。檜は、真っ当なクズを世に送り出してしまったのかもしれない。
三島は、檜と悠一に、自分に存在する複数の側面を表現したのか。彼の求める美しさの象徴なのか。
孤島に持っていくなら、この一冊。(現時点) -
今作が発表されたのが1951〜1953年。作品の持つ力が未だ衰えていない。ただそれはそれで社会的に問題な気もする‥‥
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面白いです。
かなり読むのに時間がかかりました。
文字と言うか文章のリズムが今と違うので中々読むリズムに乗れなくて。
それでもやっぱりいいです。
三島作品好きです。 -
図書館本
本屋芸人の紹介で読みたいと思い、図書館で借りた。読み終わるまで4週間。もしかすると、期限が無かったら読みきることを難しかったかもしれない。内容は、裏表紙の紹介に女を愛さぬことで、私の仇をうってくれ。という内容だが、読んでみるとそれだけでなく、なかなかに長かった。三島由紀夫の考えを記した所が何ヵ所も出てきて、難しい。
まぁ適当に流し読みしつつ、話の流れは面白い。この題材で小説を描くということは、当時は新しかったのではないだろうか。また、今よりもタブーだったのではないか。そう考えると、難しい所はあるが面白い内容だった。
解説は野口武彦さんと森井良さん。解説があって良かった。理解が深まり、昔の作品への抵抗感も薄れる内容だった。
読書メモあり。 -
『何故君はそんなに美しい?』...美とは到達できない此岸なのだ
これは三島作品の中でも指折りの傑作だと思います。改めて、彼の嗜好が自分のそれと重複するのを感謝しながら読みました。
こんなに美しく官能的な作品ない...これを書いたのが26歳なの、やばすぎない? -
やっぱり三島由紀夫の作品は良い。
コミカルな面白さも兼ね備えた本書だが、根底には『仮面の告白』でも繰り返し出てきた作者のギリシャ彫刻や男色への考え方が強く感じられる。 -
とにかく大変な作品だったかも。
大変というのは、読み進めていくにはあまりに不快だから。
現代は差別と言われかねないのだろうけど、この手の人たちに理解はない。吐き気しか催さない。
三島文学は充分感じたけど、題材にこれしかなかったのかなぁ。悪趣味としか言いようがない。 -
今まで読んだ小説の中で一番難しかった。いつか、読みこなせるようになりたい。ただ、文体の美しさは今の私にも分かる。格調高く、読み応え抜群。登場人物それぞれの思惑の交錯など、あんなにも複雑に描き切れるものなのか。尋常ではない。
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「禁色」は三島が二十代後期書いた長編小説。
「仮面の告白」と並び同性愛小説をベースに構築されてるが、途中「仮面の告白」よりグロさが際立ちちょっと困ったが、そこは三島…一挙に読んでしまった。これは三島の作品の中でかなり上位に位置する名作ではないか…⁈その後の三島作品の方向性を決める指針になったような小説と思われる。
ハーフ系の美少年出てくると、三輪さん思い出したり。
私も知識不足だったけど、昔か...
ハーフ系の美少年出てくると、三輪さん思い出したり。
私も知識不足だったけど、昔から、いろいろあったんだねえ。
メロリン、もうレビューも避けそうだから、あおりました。
でも土瓶さんが余計なことを…
(よっけいな〜こ〜と〜など〜なっいっよっね〜♪)
うーん、そうねぇ〜
...
でも土瓶さんが余計なことを…
(よっけいな〜こ〜と〜など〜なっいっよっね〜♪)
うーん、そうねぇ〜
ゆっきーね〜
うーん、特にないかな〜
わりと一生懸命考えたんだけど特にないかな〜w