望郷 (新潮文庫 に 2-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101122113

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  • 小説は、延吉捕虜収容所での生活がメイン、軍人では無かったが技術者であったためラジオを直す仕事が主であったようで、およそ過酷な強制労働は体験していないが、それ相応の苦しくて辛い体験をしているのです。
     この小説を他人事のように読まないと辛くて泣けてくる、感情移入すると読めません。
    『栄養失調は伝染病ではないけれど、伝染病のようなかたちで、蔓延していった。死者は毎朝何名か出た。その死者を運んでいった男が翌日にはもう動かなくなっていた』・・・。でも目を背けてはいけないと思い最後まで読みました。
     およそ先人たちの辛苦を経験した事が無く、ぬくぬくと育ってきた我々世代こそが語り継いで、今を生きる継承者がより良い時代を造る責任があるのではないかと思いました。

著者プロフィール

新田次郎
一九一二年、長野県上諏訪生まれ。無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。五六年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、七四年『武田信玄』等で吉川英治文学賞を受ける。八〇年、死去。その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。

「2022年 『まぼろしの軍師 新田次郎歴史短篇選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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