開口閉口 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101128061

感想・レビュー・書評

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  • 酒飲んでる時で、くうっ、と目をつぶって喉ごす時のような、文章の締め方が好きだ。と、いうことは、この、それぞれの文章自体が酒だ、ってことになる。そうだと思う。

  • 今週、バンコクからシンガポールに出張に行ったのであるが、バンコクのスワンナプーム空港でも、シンガポールのチャンギ空港でも、入国のイミグレーションのあたりに、マスクをした人たちがサーモメーター(って言うんだっけ?)で、これから入国しようとする人たちを観察していた。例の豚インフルエンザである。そういう例は見られなかったけれども、熱のある人は精密検査、ということにでもなるのだろう。大変な話ではあるけれども、でも、この事件くらい、世界は狭いというか、密接に関係しているというか、を感じさせるような事件はなかったような気がする。私はバンコク駐在員であるが、毎日(「毎日のように」ではなく、本当に「毎日」)、東京の本社から、本件に対する対応方針みたいのがメールで、それも複数、送られてくる。感染者が発生した国に対してはもちろん、そうでない国であっても海外出張は自粛、とか、駐在国で大流行が起こった場合に備えて水や食料品等を備蓄しておくこと、等々である。駐在員仲間の間では、そもそもウィルスというのは湿度に弱いはずだから、高温多湿の今のバンコクでは、はやるはずがないとか、という、科学的な根拠のない議論をしたりしている。でも、「鳥」はともかく、「豚」に関しては、東京よりもバンコクの方が安全なんではないの?ということで、家族をわざわざバンコクに引き止めたりしている駐在員もいたりする。さて、本書は開高健のエッセイであり、それは素晴らしく面白い本であったのだが、それと先の豚インフルエンザの話は何か関係があるのか。実は、本書「開口閉口」がバンコクに持ってきた開高健の最後の本なのである。来週、日本に帰国することになっていたので、その時に、開高健のまだ読んでいない本を、まとめて買って帰ろうと思っていたのだけれども、出張自粛状態が続くと日本に帰国出来ずに少し困ったことになってしまうのである。個人的には水や食料の備蓄よりも、こちらの備蓄の方が大事だったのだけれども、まぁ、こればかりは仕方がない。

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著者プロフィール

開高 健(かいこう・たけし):1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ほかに「日本三文オペラ」「ロビンソンの末裔」など。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去。

「2024年 『新しい天体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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