- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101131368
感想・レビュー・書評
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3作目は、マナオス編。
アマゾン地方への日本人の入植は、笠戸丸以来のサンパウロ方面と異なり、鐘淵紡績株式会社の資本による南米拓殖会社が相当に綿密な調査のあとに発足させた。黄熱病について野口英世に意見を求めたり、アメリカの図書館に1ヶ月こもって書籍を読んだりと熱心に進められていたことが分かった。
ここでもマラリアの脅威が過ぎたと思ったら、次は黒水病と困難続きだったことがうかがえる。
野菜を食べないブラジル人に日本の野菜が浸透して言ったのは嬉しい。日本人がダイコンと呼ばれていたのは笑う笑 でも4年間実がなるのを期待し続けたのに結局ならなかったなんてこともあり、厳しい世界。
キャベツの作り方を研究して、日本人しか作れないキャベツを不思議に思ったブラジル人スパイの話が面白かった笑 p32
前作で出てきた一般の農業以外の道を切り開いた日本人達が軌道に乗っていたのが嬉しい。
お茶の岡本虎蔵はインドのセイロンで命懸けで種子を持ってきてブラジルで広める。これがきっかけでお茶の輸入国だったブラジルが輸出国になったなんて、日本人の活躍が誇らしい。(4章)
続くは、今日本にいる日系ブラジル人3世.4世たちなどのおはあちゃん世代の話。日系ブラジル人が誕生する瞬間が知れた。自分の純日本人の子供たちがブラジルで暮らすうちに、日本語が話せなくなっていったり、1人目の子2人目の子、3人目の子と次々外国人と結婚していったりすることが辛いことはよく分かる。国際結婚をすると、もう家に帰ってくるなと言われるほど、当時は異端な事だったと伺える。
あとはインテリな高拓生が来るようになったりジュートを主産業にしようという一見無謀なことを始めたり変化が大きい。
特にブラジルのジュート栽培は日本人が大きな貢献をしたという歴史を知れてびっくり。危険を冒しながらもインドから種子を手に入れた辻小太郎も凄いし、その後ブラジルの気候には適さないのか、3年も失敗続きでみんなが諦めている中、諦めずに育て続けた尾山良太の信念と辛抱強さが凄い。(p253)
あれほど慕われていた上塚周平がピンガ中毒になり、そのまま老いて死んでしまったのは辛い…
最後に出てきたアリアンサの弓場勇の大きな夢いっぱいの未来を語る様子は見習いたいなあ。ユバ農場のコンセプト凄い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彦根などを舞台とした作品です。