白い鬼: 剣客商売 (新潮文庫 い 16-53)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156538

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第五作。強敵・金子伊太郎、手裏剣の女剣士・杉原秀登場。三冬の縁談に動揺する大治郎。

  • 三冬さんを想う気持ちに、大治郎本人はもとより小兵衛も気づいてホームドラマ色が更に強くなりました。微笑ましいです。

  • 三冬と大治郎の関係が、接近。

  • 小兵衛の倅、大二郎も段々と父に似てきつつある。
    そして三冬は完全に大二郎にお熱。
    珍しく小兵衛がおはるに甘えるシーンもあり

  • とまらない。このシリーズばかり読んでる。ついに大治郎が美冬への気持ちに気がついた。早く続きが読みたい。

  • 剣客商売シリーズ五作目

    表題作の「白い鬼」
    ここに出てくる金子伊太郎は、まさしく鬼でした。人間ではない。そうなるにいたっては母親の心ない一言があったとしても、あまりにも残虐で狂っていて怖い。
    その金子伊太郎を捕らえるきっかけになるのが食べ物というのは、いかにも小兵衛らしいなぁと思うのでした。


    上州屋の蕎麦は生姜の汁だけで食べる。ほかに薬味はいっさいつかわぬ。

    わずかに味噌が混じっている。

    うーん。おいしそう。上州というと、今の群馬県あたり?今でもあるのでしょうか…。


    あと、何と言っても「三冬の縁談」
    ほほえましいですね。
    今作は、嫌な事件が多かっただけに、ほっとさせられるお話でした。
    あ、でも縁談相手の大久保兵蔵がそりゃあもう嫌なヤツなんですけど…。

    次の巻のタイトルが「新妻」
    やっと…!?と今から楽しみなのですが、どうなるのかなぁ、この二人。

  • ひたすら面白い

  • 前作から年齢の経過と腹の不調(ただの食い意地?w)が目立っているような秋山小兵衛大先生。
    そしていい具合に柔軟になってきた大治郎。
    どれもが面白いけれども、女子として一番気になるのは三冬との恋の行方!!
    とにかく最後まで読んでくださいってば。

  • シリーズ第五作目となるこちらの巻は、
    少々おどろおどろしさが目立つ。

    今までの作品にも、人間離れした「敵」は登場したが、
    本作品の表題作にもなっている
    「白い鬼」の金子伊太郎は本物の鬼で、
    この男が犯行に及ぶ様を読んでいると吐き気がする位、
    狂気に満ちて残虐である。

    他の作品でも人間でありながら、
    人間でないような、心が歪んだ人物が沢山登場する。
    この巻は、私にとって、愛読しているシリーズものの
    一巻として「流れ」で読んでいるが、読んでいても、
    このシリーズを読んでいる時のいつもの楽しさは感じない。

    情け容赦のない残酷な敵達との血なまぐさい闘いが
    多いせいか、この作品では、
    小兵衛や大治郎が交わす身の回りにいる人達との
    一見なんてことない会話がいつも以上に温かく感じると共に
    重要な役割をなしているように思われる。

    壮絶な戦いに明け暮れる彼らにとって
    この人物達の存在がいかに大切なものであるか、
    そして彼らとの間に結ばれている信頼の絆が、
    いかに強いものであるか、読む者の心に伝わってくる。

  • 94年21刷本

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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