民族世界地図 (新潮文庫 あ 40-1)

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  • 新潮社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101160214

感想・レビュー・書評

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  • 1.00

  • 1997年刊行(最新版が刊行されている。なお単行本1993年刊)。著者は神戸外語大国際関係学科教授。少々古いが、前世紀末の世界各地の宗教・人種・民族紛争を網羅的に知るには有益。宗教史、世界史(特に近代史以降)をおさらいするのにも適した書。米・中・露の国内問題、東欧やバルカン半島、中央アジアとトルコ、イスラエルとパレスチナなどよく知られた事例は勿論、カナダ、オーストラリアの国内紛争、エチオピアとエリトリアの関係、ジプシー(ナチスによる迫害を含む)等、あまり報道や一般人向けの研究解説の少ない領域にも言及。

  • 1997年当時の民族の状況なので、ちょっと情報が古いかも。冒頭の「「民族」を定義するむずかしさ」が印象的。確かに、民族について定義づけしようとすると答が見つからない。「「アメリカ人」という虚構」では、著者は、米国が「アングロサクソンへの同化」、「ルツボ化」、「サラダボウル化」が同時に存在し、行き詰まりをみせている、という。米国は民族という点からどのような方向に収束(発散?)していくのだろうか。

  • 面白い

  • タイトルには「民族」とあるが、民族の定義はできないというのが本書の出発点だ。著者の浅井信雄は、文字通りに世界を股に掛ける国際派ジャーナリスト。この本が書かれたのは17年も前なのだが、ここでの様々な対立の構図は、今も基本的には変わらない。そして、民族の名のもとに世界のあちこちで紛争や殺戮が繰り返されている。こうした構造を超克するだけの論理や原理を残念ながら我々は未だ持つに至っていないということなのだろう。とりわけクルドやパレスチナの混迷は深い。

  • コンパクトにまとまっていて読みやすいのだけど、なかなか食指が動かず、合間合間に読んでいたら半年近くかかってしまいました・・・。日本を単一国家とはいえないと本書内にも書いてあったけど、でもやはり日本人には想像もつかない問題はたくさんありますよね。面白さ度は私的には高くないけど、有益ではありました。

  • ・3/6 「宗教世界地図」と同じで、勉強になる.ただ、宗教での分け方だけでもややこしいのに、これに民族の要素が入ってくるから、余計ややこしい感じだ.難しいな.
    ・3/10 徐々に分かってきたとはいえ、いまいち地理感覚がいまいち掴めない.ヨーロッパに住んでいる人達にはよくわかってるんだろうけど.こうやって考えてみると、国というものを自分が良く知ってる日本と基準に考えていると、かなり大きな勘違いをしてしまうことに気付く.分かっているようで分からなかった意外なことだ.
    ・3/11 やっぱり世界というのは自分の肌で感じないと駄目だと思う.死ぬまでにいろいろな国に行ってみたいと強く思う.

  • 使えるレファ本

  • 1年ぐらい前に買った本だったが、なんだかあと回しになっていた。この手の本は一応押さえておこうと思って手には取るが、早急に知る必要がなければ「そのときで。。。」とだんだん端っこに追いやられる。本当の関心にはもう少し時間がかかりそう。

    ともあれ学生時代国際関係のNPOに携わり、相当真剣に走り回っていたので無視は出来ない。精読までは至らなかったが、ざっと表面をなでるように読んだ。何かあるたびに開こうと思う。著者の幅広い経験から書かれた良書。私達が一般的に線を引いている「国」としての共同意識よりも、根底にあるアイデンティティーである「民族」で線を引いて描かれているところは非常に興味深い。97年のものなので、今知るには少し情報が古いのもあるが。著者が私と同郷というところも又よし。


    09/1/17

  • ニュースで「〜民族」とか言われてもわからないんですよ。「A民族だからって何でB民族と対立しているのか」とか。この点について、この本は簡潔に述べています。簡潔にすぎる部分もありますが、私としてはこれくらいがちょうどいいです。あんまり情報が多いとわからなくなりますので。

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著者プロフィール

1935年長岡市に生まれる。東京外国語大学卒。読売新聞社入社、ジャカルタ、ニューデリー、カイロ各駐在特派員、ワシントン支局長を歴任。その後、米国ジョージタウン大学客員研究員、東京大学、東京外国語大学各講師、中東調査会理事、神戸市外国語大学国際関係学科教授を歴任。2015年歿。著書『中東を動かすものは何か』(1988)『ミステリーと虚構の国際政治』(1992)『アメリカ50州を読む地図』(1998)『アジア情勢を読む地図』(2001)『最新版・民族世界地図』(2002)ほか。

「2018年 『イスラム報道【増補版】 [新装版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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