ブンとフン (新潮文庫)

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著者 : 井上ひさし
  • 新潮社 (1991年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168012

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ブンとフン (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 劇作家の井上ひさし氏の処女作。ああ、小説ってこんなに自由奔放で勝手気ままでいいんだなぁ、と嬉しくなる作品です。「世のお母さんたち」に読まれたくない部分にはノリシロがあり、このページを糊で貼り付けてしまうように、などという指示が出ていたりして、著者の遊び心にもニヤニヤしてしまいます。200ページぐらいですが、一日で一気に読めます。

    何せ刊行されたのがもう40年前ということで、登場する有名人や時代背景なんかはさすがに古いですが、随所に出てくる言葉遊びや語呂合わせ、著者の豊富で奔放な想像力と悪ふざけ、そして世の中への風刺は今でも鮮やかに輝いてます。きっと、これから数十年後に読んでも、やはり同じような色彩とシニカルな視点を読者に与えてくれるのだろうと思います。

    ナンセンス文学であり、世界への皮肉や批判も内在している風刺文学でもあるこの作品、時々本棚から抜き出して読めば、声を出して笑える時間を与えてくれるでしょう。

  • 作者が使う日本語は本当に生き生きしている。テレビや演劇といった分野で磨かれた言葉選びのセンスは活字になってますます輝く。こういう風に自在に文章が扱えたらどんなにか書くことが楽しいかと思う。
    作品としては児童読物の体裁をしているが、作者がこれを書いた時代背景からして、既存の旧体制を打破し、新しい価値観の創出を求める60年代の匂いが感じ取れる。思わず笑ってしまう馬鹿らしさでそれを表現できるのがナンセンス作家と呼ばれる井上ひさしの魅力だろう。
    改めてご冥福をお祈りする。

  • 初読

    読んだつもりになってたけど読んでなかった?
    挿絵に見覚えはある気がするのだけどなー。
    小学生の時に読めばよかったなー!!と心から後悔
    こういうタイプのユーモア、好きだったのよ…
    外国の実在の固有名詞のモジりとか、大好きなパターン。

    文学ミュージカルね。
    音の響きのテンポの良さ、センスの良さに今更ながら驚嘆。
    井上ひさしがご存命なら、フリースタイルバトルを面白がったのではないだろうか。

  • 今まで読んだ本の中で最も突飛でくだらない。著者のあとがきを読み、世の中の常識へ疑問を投げたものだと言う点で納得がいった。ギャグの連発が天才だと思う。

  • 作家のフン先生とその作品からとびだしたブン。
    ミュージカル的。どたばた。
    解説によると「ナンセンス文学の傑作」C0193

  • めちゃくちゃで面白い。

  • ユーモラスかつナンセンスに見えるが、その底流に流れるのは人間社会への救済と愛の精神であろう。

  •  井上ひさしの小説デビュー作。いわゆる「パニックもの」で、社会の「常識」や「秩序」をユーモラスかつアイロニカルに「解体」しているが、1960年代の時事を背景とした作品なのでさすがに古さは否めない。

  • まるでミュージカルのようだ。愉快なようで人の本質を突きつけられている気もする。だからこそ奇想天外と笑って終わってもいいのかもしれない。
    2015/6/4

  • 読書部課題図書その23

  • 作家が生みだした怪盗が小説を世界中で大暴れするだけの話ですが、文体が軽快、痛快でついつい笑ってしまいます。この手のナンセンス作品は読んだことがありませんでしたが、楽しく読めました。

  • 相当久しぶりの井上ひさし。「ドン松五郎」なんて好きで中学以来、何度読んだか忘れるほどであったが、そういえば代表作の「ブンとフン」は読んでいなかった。パラパラっとめくって、読まなかった理由がわかった。ワタクシは、改行の多い詩を書くのも読むのも苦手なのである。パラパラっとめくるだけでいくつも出てくるが、もう大人なので無視して読み始め。

    そういう個人的な事情は置いておいて、読書家向けに簡単に書くと、ストーリー内でも数回引き合いに出されている、北杜夫の「怪盗ジバコ」を丁寧に書いて、オチまでつけたというような話だ(オチはむちゃくちゃだが)。違いは、あちらはの怪盗は生身の人間であったが、こちらは本から現れた架空の存在というところ。読書家でない人に解説すると、本から主人公が出てきて大騒ぎというSFがかったファンタジーコメディーで、戯曲というか、ミュージカル風に話が進む。

    気になっていたその詩は、よく読んでみるとダジャレがメインになっているので面白みはわかるものの、やっぱり電車内で読むと何故か気恥ずかしいし頭に入ってきにくいのが難点。そこは無視するとして、後の名作「吉里吉里人」と同じような結構下品なネタもありつつのドタバタで、途中から社会現象に話を広げるあたりも井上ひさしらしい展開であります。

    あとがきで本人も書いているように、井上作品の中でも群を抜いてハチャメチャなので、そういう話を読んで腹を立てる人やフィクションやユーモアを解さないサイキンのオトナの人にはまったくもって向きませんが、読書家ならずとも、一度は読んでおきたい名作(迷作?)であります。

  • ブンブンフンフンブンブン、リズム良く楽しくでも心には残らなかった。

  • 図書館で読んでいたら笑いが漏れて大変でした!笑
    文中に登場するミュージカル調の文章のリズム感が面白い!頭の中をブンが駆け巡っていくようなお話でした。

  • 【本の内容】
    「ブンとは何者か。

    ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!

    たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。

    あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。

    現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    デビュー作には、その作家のすべてがある、とは文学の世界でしばしば言われることだが、それは今年4月に亡くなった井上ひさしさんの小説デビュー作『ブンとフン』(新潮文庫)にも当てはまる。

    奇想天外な筋立て、権威への痛烈な批判、バカバカしさの中に豊かさを秘めた言葉遊び――。

    40年も前に書かれた作品を読めば、ただまっすぐに、ぶれることなく生きた井上さんの人生が見えてくる。

    物語は、売れない作家フンが書いた小説の主人公の大泥棒ブンが、現実に飛び出す所から始まる。

    世界中で奇怪な事件を起こしたブンは次に、人間の一番大切なものを盗もうと決める。

    〈ほう、そりゃあなにかね?〉と尋ねるフンにブンは言う。

    〈権威です(中略)権威をもつと、人は、愛や、やさしさや、正しいことがなにかを、忘れてしまう〉

    ページの端に「のりしろ」「キリトリ線」があったり、ヘンテコな歌があったりと笑えるシーンも満載。

    新潮社は「今の中高生に小説の面白さを伝える1冊に」と今夏、14年ぶりに「新潮文庫の100冊」フェアの対象作に復活させた。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 小学3年で初めて感想文を書いたのがこの本。フン先生の書いた小説から飛び出したブンが大暴れ。点線やのりしろでいたずらを。ナンセンスに初めて触れた本。井上ひさしさんご冥福をお祈りします。

  • 自由気ままに、ペンの赴くままに
    アハハ
    オモシロかった

  • ちょっと読んでおかなくちゃいけないかなぁと思って。本当は小さい頃父親に、吉里吉里人をすすめられて、そのまま大人になってしまっていたのだけど、長いしとりあえず手にとりやすいものから、と。
    でも、遊びが随所にはさまれているところも面白かったし、ミュージカルになったりしているけど、一度みてみたいと興味をそそられた。
    長いのも読みます。

  • ブン「人間に歴史なんかあってもしかたがないと思わない?だて、人間がほんとうに歴史からなにかを学んでいるなら、一度やった失敗は二度と繰り返さないはずよ。ところが人間は、たとえば、しょうこりもなく戦争などを繰り返しているわ。人間には歴史なんて宝のもちぐされなのよ(p.112)

  • くだらない。力抜ける。言葉の天才。五味太郎的な。また読みたくなる。

  • 貧乏作家のフン先生の小説から主人公のブンが現実世界に抜け出して大騒動を繰り広げる。

    「どうせ盗むなら、人間の一番大切なものを盗んでやろうと思ったんです。」
    「ほう、そりゃなにかね」
    「権威です。人を思いのままに動かすことのできる、あるもの。
     お金も出世もホコリも、努力もよい行いも、なにもかもみんな、権威、力をもつための手段にすぎないんです」
    「でもねェ、ブン、もしそうだとしても、権威をもつことがなぜいかん?」
    「人間の目がくもりますもの。権威をもつと、人は、愛や、やさしさや、正しいことがなにかを、忘れてしまうんです。
     そして、いったん、権威を手に入れてしまうと、
    それを守るために、どんなハレンチなことでも平気でやってしまうのだわ」

    劇作家 井上ひさしの処女作。
    各章に出てくる語呂合わせ、言葉あそびに、舞台劇の風合いを感じる。
    読者に直接語りかけたり、エッチなページに封印用のノリシロを付けたり、コント55号・高見山が登場したりと、
    楽しませようとするサービス精神に富んでいる。

  • 売れない小説家フンが書いた小説の主人公ブン、できないことは何もない神出鬼没の四次元大怪盗、が小説から飛び出してさぁ大変。世界中でハチャメチャな事件が起きるという物語。

    井上ひさしさん風の言葉遊びと風刺に富んだ作品でした。

    小説「ブン」が大ヒットとなり、生原稿からだけでなく、増刷された本からもブンが飛び出すのですが、それらのたくさんのブンが集まって会議する場面がなかなか面白かったです。
    同じブンのはずなのに、それぞれが個性をもっていて、その台詞一つ一つが辛味たっぷり。

    刑務所のくだりなども、皮肉たっぷり。

    ふふふと笑ってしまう、痛快な小説でした。

  • 「それからのブンとフン」をみにいった物販コーナーにて購入。
    ちなみに、帯に市村正親さんのサインがあるものを買えました♪

    舞台とはまたラストが違うんだけど、
    舞台は、原作に+αされていたので、それが「『それからの』ブンとフン」だったのかな。

    でもどちらも、本質もディテールも同じでした。
    昔にかかれた物語なのに、ぜんぜん古くないんだな。
    内容も、言葉の選択も。
    言葉遊びも面白い。

    そして舞台は、よくこの小説を舞台にまとめたなぁと驚き。

    なんだか、舞台の感想になっちゃった。笑。

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ブンとフン (新潮文庫)の作品紹介

「ブンとは何者か。ブンとは時間をこえ、空間をこえ、神出鬼没、やること奇抜、なすこと抜群、なにひとつ不可能はなく…」フン先生が書いた小説の主人公、四次元の大泥棒ブンが小説から飛び出した!たちまち全世界に、奇怪なしかしどこかユーモラスな事件が…。あらゆる権威や常識に挑戦する奔放な空想奇想が生む痛烈な諷刺と哄笑の渦。現代戯作の旗手、井上ひさしの処女作。

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