ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181608

感想・レビュー・書評

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  • 20110415読了
    ガリア戦記も終盤~終戦処理~ルビコン渡河まで。

    特にガリア民族をまとめて立ち上がる敵将ヴェルチンジェトリックスとの戦いがアツイ。
    お互い手を読み合って戦略を展開していく二人。
    その中でもアレシアの戦いはすさまじい。
    8倍もの敵に内と外から囲まれながらも圧勝するカエサル。


    歴史を追うだけなら簡単だけど
    実際にその場にいて戦略を練るとなるとどんな情報の取捨選択をしてたのだろう。
    特に政治家、戦略家、一兵卒とさまざまな役割を行いながらも、
    命令はトップダウンのために情報はカエサルまで集められて、そして判断される。

    共和制ローマにおいて、情報収集とその選択の重要性に他の人より気づいていたために
    ほかの人では気づかないいろいろな戦略や施策をたてることができたのかな、と感じたり。

  • カエサルがガリア戦記を終わらせ、ポンペイウスとの戦い直前までを描く。
    カエサルの魅力は、コレほど偉業を成し遂げていながら、どこか人間臭いところにあるとおもう。
    それにしても、カエサルカッコ良すぎる。

  • ガリア戦歴後半からカエサルの名言「賽は投げられた」迄。クラッススの戦死と元老院の反撃により三頭政治が崩壊し盟友ポンペイウスと争う事になる。ここからがまた面白くなるところだと思う。愛らしいカエサルの印象は完全に無くなり強いカエサルが描かれている。

  • 賽は投げられた。までのカエサルを記した3巻を堪能しました。叱ることはあっても怒ることはしない、情報収集を怠らずに手を打ち目的を明確にする、お金を私益ではなく公益に使うなど楽しみながらも考えさせられた。次巻も楽しみです。

  • ガリア戦役の最中、三頭政治の一角、クラッススが敗れ、命を落とす。これに伴い、元老院の力が再び、強まってくる。そして、ガリアでは各地にて反乱が勃発し、カエサルも正念場を迎える。そして、ガリアで最終決着の時が近づく。

  • 00270
    B010
    他-9999999-001

  • それにしてもガリアでのカエサルの硬軟織り交ぜた戦略にはすごいの一言。自分も含めて人間への洞察が非常に深いのだろう。

    ※9/5にまとめて入力

  • カエサルの残した「ガリア戦記」や「内乱期」以前の物語にも章を割いているのが塩野さんのこの「ローマ人の物語」の楽しいところではないでしょうか?  どちらかというとシニカルな目線を持っていらっしゃる(・・・・と KiKi は感じているのですが)塩野さんの真骨頂なのが「カエサルと金」、「カエサルと女」の章だと思うんですよね。  KiKi はね、人の持っている本質的な部分っていうのはそれが「仕事」に於いても、「私生活」に於いても、「恋愛」に於いても共通して表れると思っているんだけど、そういう観点でこの2つの章を読むと「カエサルがカエサルたりえていた本質」が凝縮されているように思うんですよ。  

    「金」に対するスタンスは極論すれば「蓄財」に走るのか、「目的を果たすための1つの要素に過ぎない」と考えているのかという2種類の考え方のどちらに思考が向いているのか・・・・みたいなところがあると思うんだけど、それがカエサルの考える「私利私欲には走らないが、私益を公益と一致させる」という思想的な土台を形作っていて、だからこそ若い頃から「借金王」になっても平然としていられたんだと思うんですよね。  これは「マリウスの時代」「スッラの時代」を生き延びてきたカエサルだからこそ持てた発想だったように感じます。  「いつ死んでもおかしくない」という想いを抱き続けてきた人間は現世において自身では使い切れないほどの「富を残す」ことよりも、後世に「名を残す」ことや「公共物を残す」こと、「文化を残す」ことに己の「生まれてきた意義」を託したくなるのではないのかなぁ・・・・と。  

    「女」に対するスタンスは極論すれば「人の心理」に対するスタンスのベースにあると思うんですよ。  もちろん「ダンディなモテ男・カエサル」が「つきあったことのある女に決して恨まれない」というのは、話としては面白いけれど、KiKi 個人としてはそこにこれまた「いつ殺されるかわからない」時代を生きてきた人間ならではの、人間観察のしたたかさ、人の心理を手玉にとる(・・・・というとちょっと語弊がありすぎかもしれないけれど)逞しさの表れがあるように感じます。  そういう心理操作の達人だったからこそ、少ない兵力でも多大な兵力でも組織を自在に動かすことができたし、ガリアという敵地に乗り込んで行ってそこを平定しようとする人間たりえたんだと思うんです。

    (全文はブログにて)

  • ~ガリア戦記
    ヴェルチンジェトリックスは、自ら進んで捕らわれの身になった。p.141

    カエサルの罪p.182
    内乱記~                    

  • ガリアの独立の為に立ち上がったヴェルチンジェトリクス、相手がカエサルで無かったら...カエサルと敵対した人にはことごとく同情を禁じ得ない。

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