雪まろげ: 古手屋喜十 為事覚え (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101199276

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  •  古手屋喜十もの第二作。第一作でひょんなことから喜十おそで夫婦の養子になった捨吉の素性が明らかになる初編から離散した兄弟姉妹の行方をたどる最終編へと物語が展開する。うわべは計算高く情がないように見えて、その実困難に巻き込まれた人たちをほおっておけず、首を突っ込んでしまう喜十の屈折した性格がここへきてうまく描かれている。隠密回り同心上遠野も実は似た性格で喜十にとっては同族嫌悪のようでいながら妙にウマが合うところもおかしい。登場人物たちが生き生きと動き出し、魅力的な物語世界が展開しそうなだけに、ここへきての幕引きは再三惜しまれてならない。

  • 201605/優しいだけじゃなく、時にはハッとするほど容赦ない結末だったりするのも宇江佐さんのすごさ。

著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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