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- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101206516
感想・レビュー・書評
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解説で井上理津子が書いているように,きぬさんからこのような話を聞き出した著者の力量は凄い.明治から大正・昭和にかけての金沢の東の廓の様子が目の前に浮かぶようだ.数年前に現地を訪れたことがあるが,小ぎれいな街並みにリニューアルされているものの,女たちの悲しい現実をカムフラージュできないなと感じた.女性の権利という言葉自体がない時代.男たちの世界にも貧富の差が大きかった時代.このような歴史をしっかりと受け止めていく必要を痛感した.
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一気読み。時代劇や宮尾登美子の小説にありそうな話。いや実際にあった話なのだ。山口きぬは明治33年、7歳のときに父に金沢の東の廓「福屋」に身売りされた。そのあと妹も同様に身売りされ、花街でいわゆる名妓として生きていく。
語りの金沢の方言がそのせつない感情を助長させる。
解説の井上理津子は大阪飛田新地の女性たち、飛田新地の「すがた」をあぶりだしたドキュメンタリーで知られているが、その井上が書いているように「潔さ」が確かに、随所に感じられる。 -
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