月まで三キロ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207629

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  • 科学が織りなす短編集。こういうの好き。

  • 天文学や地学など理科のテーマがモチーフとなった短編集。どの話もモチーフを無理にあてはめておらず、主人公も毒死と同じ一般人のためとても分かりやすい。謎解き要素あり感動要素ありですべての話がとても楽しめた。

  • 高評価を知って読んでみたがなるほどすごく面白く、今まで何故知らなかったのかと思った。わかりやすく美しい文章で読むことをやめられなかったのも砂原浩太朗以来。とくに表題作の「月まで3キロ」は短編のお手本のような小説で繰り返し読むことができる。ほかの小説も粒ぞろいだ。
    また一人気になる追っかけ作家ができた。

  • 人生に迷ったり悩んだりしている人たちが科学(に詳しい人)と出会って心の折り合い方を見つけて救われる話。短編集。

    表題作が好みではなかったけど、他は好きな話があって面白かった。

  • 親が地球で、子供が月
    大昔は、もっと地球の周りをぐるぐる回って色んな面を見せていた。そして、距離も今の半分以下で六倍以上の大きさだった
    そこから徐々に、あまり回ってくれなくなり地球に見せない面を持つようになる

    わかるための鍵は常に、わからないことの中にある。その鍵を見つけるためには、まず、何がわからないかを知らなければならない。つまり、わかるとわからないを、きちんとわけるんだ

    鈴花の中で、望美は今も生きている。鈴花はただ、その存在をいつも感じていたいだけなのだ。神秘の世界に誘われ、眠れなくなるほどそこに思いを巡らせていたのは、母親の感触を確かめる術を探し求めていたからなのだ。
    謙介は違った。望美の死を、その不在を、ひたすら嘆いていた。望美さえいてくれたらーーそんな空虚な願いに囚われ続けていた。
    そう。ないものねだりをしていたのは、むしろ自分のほうだ。

  • 月や雪、山、川…。嗚呼、自然から学ぶことや自然に触れ合うことで気づくこと、癒されることが何て多いことなんだろうと思わずにはいられない。私は不自然なものに囲まれている。自然を愛そう。自然に囲まれて生活することで人間らしさを取り戻せることができるのではないだろうか。いい本だった。

  • いつもミステリーしか読まないけど帯の「気づいたら、泣いていました」に惹かれて買ってみた。「月まで三キロ」で泣いたね、はい。運転手さんにとても辛いことがあって、、満月の日に必ずくることに決めてるなんて泣ける。話の終わり方も好き。だけどミステリーみたいにすっきりじゃなくてほっこりだから本を読み終わった後いつまでほっこりの気分でいるんだろう、どうやって切り替えるのか気になる笑

    本を読む時に登場人物一人ひとりどんな顔で服装で声で環境でとかたくさん細かく想像してる。それがたのしい☺︎

  • 第1話 月まで三キロ

    私も臆病だから気がつくとずっと見栄をはって大丈夫そうな振りをしている。子供のころは、ただ笑って泣いて怒っていたのに。

    どこかで「自分には価値がない」って言ってくる私がいるから、ずっと心で笑えない。

    本当は誰かにちゃんと言えばいい。そして、相手の本当を聞けばいい。でも難しい。

    第2話 星六花

    主人公は、40歳目前の未婚の女性。仕事に精を出してきたから、出会いも遊びもしてこなかったという。仕事をただサボっている私には怖い。

    そんな彼女が食事会で少し歳下の男性と出会う。柔らかい笑顔を持つ、"欲"の少ない男性。

    私は"欲"が少ない。だからいわゆる「男の話」が苦手だ。だから、「男の話」をしなくてすむ女性と話している方が安心して、楽しい。

    でも、それでも僕は男だし、ちょっとは「欲」を持っている。何より特に最近はひとりが寂しい。

    本当は女性だって「欲」を持っている。だから求められた時に応えられるのかちょっと怖い。ファンタジーだと、子供かよとバカにされるだろうけど、それが"僕"の正体だ。

  • 伊与原新『月まで三キロ』
    2021年 新潮文庫

    初読の作家さん。本屋さん散策中にタイトルと装丁が気になって購入しました。
    6編からなる短編集。
    今までにないタイプの小説だったかな。どれもが人生を、生きることを後押ししてくれるかのような素敵な作品でした。
    著者の経歴からかところどころに自然科学的表現もあるのだけど、小難しいということはなく、とても大事なアクセントや土台のように溶け込んでいて読みやすく、また作品の奥行や彩りを与えていました。
    テーマや物語の本筋としてはまさに現代の問題や厳しいこともあるけど、それらを優しく語り掛けるような文章はとても素晴らしかったです。
    僕も自分らしく生きていけたらと勇気をもらえた気がする物語でした。

    #伊与原新
    #月まで三キロ
    #新潮文庫
    #読了

  • 自分的には物語に引き込まれるような感じではなかったけど、面白かった

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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