月の炎 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.94
  • (2)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 91
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101212425

作品紹介・あらすじ

初めて見る皆既日食に小学五年の弦太たちは沸き立った。しかし、その日から、クラスメイトの家や学校の兎小屋などで放火事件が相次ぐ。消防士として殉職した父に似て強い正義感をもつ弦太は、友達と共に犯人捜しに動き出す。だが、危険を冒しながら辿り着いたのは、せつないほど歪(いびつ)な光と影だった。父が遺した言葉を守る少年が、大人になるための噓と痛みを知っていく鮮烈な青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 弦太の言い分が真っ当でやられる。
    裏山での涙も。

    板倉の作品だと言うことを忘れてのめり込める。
    芸人の才能、果てしない。

  • 少年たちがたどり着いた『真実』と言いつつ
    ただただ事実を語られた、という感じかな〜
    どうしてもわからない点が
    連続放火事件についてまだ調査中というのに
    学校側がなぜ保護者会開いて、
    まだ確定してない真相(しかも嘘)を伝えたのか…
    そういうものなのかな。
    色々と腑に落ちない点がありすぎて、
    真相は確かに切なかったけど話に入り込めなかった。

  • 初読から3回読み直す程に面白かったです。

    ストーリーは、少年たちが連続放火事件の犯人探しをするというが中盤までの軸で、後半は解決に向けて思わぬ方向に展開します。

    少年たちの日常風景が、ホントに小学生の男の子の感じで、あるある、あったなぁ!と微笑ましいし、主人公の弦太と親友の涼介の相棒感も羨ましいなと感じます。そして、同級生の友達、大学生の友達、家族や教師との関わりを、思慮深い弦太の視点から優しく細やかに描いていて、胸を打たれます。

    特に序盤で同級生の茜ちゃんにあるプレゼントをする場面、終盤で母親と対峙する場面は読む度に泣いてしまいました。

    ほとんど潔癖ともいえる強い信念を持った弦太の生き方は凄い!こりゃ周りが苦労するぞと思うほど…2人の友達、明るい涼介と、大人しく良識ある隼、温かい母親と教師がいてくれて良かったねと言いたいです。

    この子たちが成長した時にどんな風になっているか、とても興味深いので、数年経った頃の続編を読んでみたいなぁと思いました。
    また、映像化されれば楽しそうな場面もいくつもあります。

    心情描写が細かく美しい為、そちらに気をとられそうになりますが、この作品はミステリー小説であり、序盤から様々な伏線が張られ、最終的にきっちり回収してくれます。このタイトルまでも。

    その緻密さは、全ての行動に根拠があるという弦太の徹底された性格が、まるで著者である板倉さんの一部分のように感じる程です。

    星4つなのは全く個人的な好みとして、語らせすぎず余白の部分もある小説が好きだからで、
    この作品が完成された素晴らしい作品だという事に違いありません。
    ミステリー小説好きの人に是非オススメします。

  • めっちゃ良かった!
    尾行のシーン、ドキドキしちゃった

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    インパルス板倉の描く青春ミステリ。小学生が主役でその青々しさがまぶしくて切ない。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1323347

  • 消防士として殉職した父に似て強い正義感をもつ弦太は、友達と共に犯人捜しに動き出す。だが、危険を冒しながら辿り着いたのは、せつないほど歪な光と影だった。父が遺した言葉を守る少年が、大人になるための嘘と痛みを知っていく鮮烈な青春ミステリー。(e-hon)より

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

吉本興業所属。お笑いコンビ「インパルス」のすべてコントの作・演出を手掛けている。2009年、初の小説『トリガー』を発表。その他の著作に『蟻地獄』『機動戦士ガンダムブレイジングシャドウ』『月の炎』シリーズなどがある。

「2021年 『鬼の御伽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

板倉俊之の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
夕木 春央
呉 勝浩
馳 星周
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×