- Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101214313
感想・レビュー・書評
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脳内の秘密にも迫りつつ、エンターテインメントとしても非常によく出来た作者渾身の一冊
臨死体験をした人たちが、天国であったりアブダクションにあったりする理由が、論理的かつ精緻に描かれているのが印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界の終わりとハードボイルドアイランドとかと同時期に読んだ記憶があります。
人間の脳内。そこは海底、宇宙などと同じく人間の探査が及ばない未開の地。 科学考証に唸らせられつつ楽しく読んだなぁ。 -
人類最後の秘境=脳。その研究のために、各分野の気鋭の学者が巨大施設「ブレインテック」に集められた。脳科学者・孝岡護弘もその一人だ。だが彼は赴任早々より、奇怪な現象に次々遭遇する。白き光芒を放つ女、幽体離脱体験、そしてエイリアンによる誘拐。孝岡の身に起きた出来事の意味は?そして、このプロジェクトの真の目的とは何なのか―。超弩級エンターテインメント。
・レビュー
SF作品として、ここまで洗練された作品も少ないと思う。
ノンフィクション学術書を読んでいるようなレベルの豊富な情報量と、それらの密接な関係性をたった一人の作者が書き上げていることに驚く。
前作『パラサイト・イヴ』と同様、学問に興味のない人にとっては目が眩むような専門用語の量であったが、逆に知的好奇心の強い人には、専門的な説明シーンも楽しんで読むことが出来る。
その内容は「脳・心・記憶・人工知能・人工生命・動物心理・神・エイリアンアブダクション・臨死体験」と、多岐に渡り、しかもそれらが関係ない事象ではなく科学的に結びついてくる。
科学を持って宇宙人やUFO、神や奇跡をある種の証明に導いているこの作品は、オカルト嫌いの人や、逆にオカルトを信じやすい人にも読んで欲しいと思えるほどに一つの説として完成している。
主題となっている「神」についての作者の一つの解答も非常に納得の行く面白い説だと思った。「哲学すること」のなかで自分の中の科学と哲学の知識を総動員して神について考えたことがある人には、より結末は解りやすい。
個人的には、終盤にかけての「アイデンティティ」というテーマも物語のまとまりを演出していて素晴らしいと感じた。 -
脳みそとはなんぞや?なオカルトちっくなSF小説でした。
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死にゆくとき、人の脳はどんな働きをするのか?
脳科学者、孝岡護弘が巻き込まれてゆく壮大なプロジェクト。
臨死のメカニズムを解きあかそうと様々な人々の思惑が交錯します。 -
オススメ!!タイトル通り脳をテーマとした話ですがフィクションとしておもしろい。
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脳医学、脳の構造についての資料。小説としてもなかなか
宗教、性について分解してくれた -
作品の題材は脳。脳に関する徹底的な取材から作成された物語で、随所に脳科学に関する記載がちりばめられています。それも結構専門的。頭の中でそうした情報を集約するのにちょっと時間がかかりますが、それでも読み始めると先が気になって、一気に読み進めてしまいます。<br>
エイリアンアブダクションや臨死体験、そして神の存在を脳の観点から見据えつつ、多数のキャラクター達の抱える闇を浮き彫りにし、謎が謎を呼ぶ展開を実にテンポ良くつないでいっていますので、読んでいて引き込まれてしまいます。 -
死とは何か。人間とは何者なのかを考えさせられます。
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科学が進歩してとはいえ、未だ解明されていない人間の脳を巡るサスペンスホラー。
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「人間のすべての感覚は、脳の信号でしかなく、ココロとは心臓のことではなく、脳のコト」っていうのが、わかってはいたけど、ショックでした。<P>
では今私が見ているのは、現実?それとも、脳が見せているただの幻想?